善と悪 江夏豊ラストメッセージ (ダ・ヴィンチBOOKS)
- KADOKAWA/メディアファクトリー (2015年2月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040673752
作品紹介・あらすじ
流浪のサウスポー・江夏豊が偉業の陰に募らせた、深い孤独。薬物による、偽りの救済。再起への道程は苦難を極めたが、傍らには最愛の妻と唯一無二の親友・衣笠祥雄がいた――。すべての男たちに贈る、再生の物語。
感想・レビュー・書評
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2024/02/15 08:16
この、江夏だけでなく、現役の実績を考えればどうして指導者になってないのかな、野球界にいないのかなと思う人は多いのだけれど、まぁ、人間だから環境や向き不向きなどがあって、そういうことがあるのだろう。
江夏の阪神時代はリアルでは見てなく、広島のリリーフからだったから、この本で初めて知った話も多く、そして何より、江夏という人の人間が垣間見られる本で、面白かった。
野球のことをテーマにするノンフィクションライターは数あれど、この前読んだ確執と執念で初めてこの著者を知ったが、それが面白く、この本も、で、この後も読んでみたいという一人になったかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江夏豊,自分勝手な一匹狼の印象が強いが本当は義理に篤く,「人を裏切ってはいけない」が信条,現役時代に登板拒否は一度もしたことがない。覚醒剤取締法違反での服役(そこからの再生)まで踏み込んで語る。取材した松永は江夏を尊敬し畏れる一人の男であることを少しも隠さない。没個性化の現代から見る昭和のサムライの姿。表紙写真は荒木経惟。
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当方にとっては事実上史上の人物でありながら、その過去映像等を見るに日本が生んだ最高の左腕という認識。
それゆえ結構この人物に纏わる本は読んでいるという立場でこの本を読んでみるに「うーん」というところ。
別に引退後の例の事件を掘れとは全く思わないし、現役時代のゲームやグラウンド外の出来事をもっと深く追求してほしいと切に願うのだが、このインタビュアー、自己満足に堕しておりませんか?
江夏の懐に入ったか否かは内容自体で決まるのであって、インタビューの場を設けること自体に満足感を覚えているようなくだりは如何にも残念過ぎる。ホントこの投手からもっと野球の面白さを引き出して欲しかったです。 -
江夏と著者の交流から、江夏の生き様を綴った一冊。
若干著者の発言が鼻に付くものの、江夏ファンでなくとも十分楽しめる一冊。 -
高杉晋作
おもしろき こともなき世を おもちろく すみなすものは 心なりけり
人は友情を思い出があれば生きていける ある偉人の言葉 -
江夏豊。高校卒業して阪神タイガースへ入団。シーズン奪三振日本記録や延長戦ノーヒットノーラン、オールスター9者連続三振を達成。さらにクローザーという投手の役割を確立。球界を代表する投手だ。しかし、その陰で問題を起こしては球団の移籍を繰り返すトラブルメーカーでもあった。投手としては天才だが、人間関係では不器用な人間、江夏豊に迫ったインタビューによるノンフィクション。
阪神との因縁、野村監督との師弟関係、晩年にメジャーへ挑戦したこと、そして麻薬所持による懲役刑など、江夏豊の人生にはドラマ性がありすぎる。
しかし、これだけの豊富なネタを著者が料理できたかというと、著者の江夏豊愛が強すぎて、インタビューも裏付け取材もイマイチ。1ファンとして伝説の投手、江夏にインタビューできたことだけで満足している。読者としては、著者と江夏の関係を述べるより、江夏が言いたくないことをもっと掘り下げてほしかった。 -
江夏のセリフは面白いのだが、それに対する筆者のコメントや境遇が全く不要。女と別れたとか沖縄行ったとかどうでもいい。自分好きすぎでしょ。苛立ちすら感じてしまう。
深みがないのにタイトルは奇を衒ってみましたという感もあり、そこも謎。これだったら『江夏豊ロングインタビュー』ぐらいでいいのに。。。