トンネルの森 1945

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040677132

作品紹介・あらすじ

1945年。少女はたった一人で世界と戦っていた。太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは新しい母親になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で千葉の小さな村へ疎開することに。家のそばにある、暗く大きな森の中で脱走兵が自殺した噂を耳にする。耐え難い孤独感と飢餓感はトンネルの森のように覆いかぶさり、押しつぶされそうになった時、イコは兵隊の影を追いかけ森に入るが…。『魔女の宅急便』の著者角野栄子が、自らの戦争体験から描き下した、憫然で、美しい、珠玉の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争体験はしたくない。

  • 一人の少女と戦争。
    彼女の目の前に爆弾が落ちることはない、けれど彼女の世界は決定的に破壊される。
    外面的な状況だけでなく、内面的にも自らの醜さを暴かれて損なわれていく、それは終戦を迎えても完全に回復することはないだろう。
    読みやすく、子供にも読んでもらいたいと思う作品だった。

  • 読み終わってじわじわ考えるとトンネルは少女を取り巻く時代そのものなのでは??と考えるようになった..兵隊さんは少女自身の孤独や不安・こんな時代(戦争・生活)から逃げ出したいという気持ちが形として現れた者なのではないかと感じた..

  • 子どもの目から見た、等身大の戦争。著者の戦争体験に基づいている。「どうしてこんなことになってしまったのだろう。私の周りは、だれひとりとして、幸せな人はいない。誰かが死に、誰かが行方不明。誰かが怪我をしている。そして、みんなお腹をすかせている。戦争が始まった時は、みんながみんな、希望に満ち溢れていたのに」

  • 角野英子さんがアンデルセン賞を受賞された!
    すごいな、やったね
    涼やかで温かいオーラに包まれた角野英子さん
    おめでとうございます

    これは子どもの時の戦争体験
    淡々とした文章だけど心に迫って来る
    子どもの時のこんなにも孤独な体験が
    核になっておられるのでしょうか

    ≪ 片方の 下駄に想いが 込められて ≫

  • 戦争の悲しみを疎開して待つ方の立場で描いている.田舎に行ってみんなと仲良くなろうと言葉を真似するところ,暗い森を抜ける様子がいじらしかった.森に潜んでいるという兵隊さん,それも悲しいことだ.

  • ずっと前から少し気になっていた本。当時の状況を子どもの視点から書いてあり、読み易いけど子どもよりも大人に読んでほしい。主人公が成長していくけど、その成長していく過程がちょっと切ない。

  • イコちゃんが光子さんに振袖を着せてもらっているところは、二人が家族になれたような、今までもセイゾウさんと離れている間一緒に暮らしていたから家族なんだけど、ぐっと距離が縮まった出来事だったと思います。だからこそ、母として娘への思いがつまった物を売らなくては生きていくことができない時代なんて嫌だ。最後のセイゾウさんの言葉を、あの時代に生きていた人は、心の中ではどれだけ待ち望んでいたんだろう。

  • これは、フィクション…でいいんだよね…?

    ほんのりと、“となりのトトロと火垂るの墓同時上映”と思いました。

  • 太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは新しい母親になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で千葉の小さな村に疎開することになりました。しかし彼女は、新たな地での生活で徐々に孤独感と飢餓感が蓄積していきます。そんな感情たちに押しつぶされそうになった時、彼女は以前耳にした、家のそばにある、暗く大きな森の中で脱走兵が自殺したという噂から、兵隊の影を追いかけ森へと入っていきますが…。
    角野栄子氏といえば『魔女の宅急便』の著者として有名です。そんな彼女が、自らの戦争体験をもとに生み出したファンタジー小説です。戦争体験とファンタジーは結びつきにくい物ですが、そこに込められた著者の思いを大人も子どもも感じてほしい一冊です。

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著者プロフィール

角野 栄子(かどの えいこ、本名 渡辺栄子)
1935年生まれ。早稲田大学教育学部英語英文学科卒業後、紀伊國屋書店出版部に勤務し、結婚して退職。1960年、25歳の時に自費移民としてブラジルに2年間滞在。早大時代の恩師、アメリカ文学研究者龍口直太郎の勧めによって、ブラジル体験をもとに描いたノンフィクション『ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて』で作家デビュー。それから7年かけて、絵本・童話の創作も始めた。
産経児童出版文化賞、路傍の石文学賞、旺文社児童文学賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞、巌谷小波文芸賞、東燃ゼネラル児童文学賞、IBBYオナーリスト文学賞など多数の受賞歴がある。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。
2018年、「児童文学のノーベル賞」「小さなノーベル賞」と評される国際アンデルセン賞作家賞を受賞。代表作の『魔女の宅急便』シリーズ、『トンネルの森1945』が受賞声明で言及されていた。

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