トンネルの森 1945

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040677132

作品紹介・あらすじ

1945年。少女はたった一人で世界と戦っていた。太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは新しい母親になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で千葉の小さな村へ疎開することに。家のそばにある、暗く大きな森の中で脱走兵が自殺した噂を耳にする。耐え難い孤独感と飢餓感はトンネルの森のように覆いかぶさり、押しつぶされそうになった時、イコは兵隊の影を追いかけ森に入るが…。『魔女の宅急便』の著者角野栄子が、自らの戦争体験から描き下した、憫然で、美しい、珠玉の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わってじわじわ考えるとトンネルは少女を取り巻く時代そのものなのでは??と考えるようになった..兵隊さんは少女自身の孤独や不安・こんな時代(戦争・生活)から逃げ出したいという気持ちが形として現れた者なのではないかと感じた..

  • 子どもの目から見た、等身大の戦争。著者の戦争体験に基づいている。「どうしてこんなことになってしまったのだろう。私の周りは、だれひとりとして、幸せな人はいない。誰かが死に、誰かが行方不明。誰かが怪我をしている。そして、みんなお腹をすかせている。戦争が始まった時は、みんながみんな、希望に満ち溢れていたのに」

  • 幼くしてお母さんを亡くし、新しいお母さんがやってくるもなじめない。実の家族であるお父さんは戦争に駆り出され、悩みも不安も吐き出せない。ご飯も満足に食べられなくて、「こんなご時世だから」の一言で我慢に我慢を重ねる毎日。少女時代の角野栄子さん、通称イコちゃんの戦時中の体験が綴られた本作は、非体験者にはわからない戦争の恐ろしさ、そしてなぜ戦争は繰り返してはいけないのか、を語りかけてくれます。イコちゃんの疎開先の近くの、暗くて怖いトンネルの森の向こう側に訪れた平和を壊さないために、私たち一人一人が過去の戦争と向き合い、平和のために今何ができるのか、考える必要があるのだと思います。戦争体験者の真正な声が詰まった本作は大人、子ども関係なく、多くの方々に読まれ続けて欲しいです。

  • 先日、テレビ番組で知った角野栄子さん。
    オシャレで、自分の芯をしっかり持ちつつ、自由な姿に感銘を受けた。

  • 角野さんは私の母と同世代
    母が話してくれた疎開と、いこちゃんの疎開が合わさった感じでした。

    恐いときに呪文の様に何度も発する事、今でもあるあるです。

  • 装画/大庭賢哉
    装幀/名久井直子

  • 角野さんは、どんな読者を想像していたんだろう
    何かを遺すつもりで言葉をつづったんだろうな

    表紙からして戦争物ってわかるから読むつもりはなかった
    悲しくなってつらくなるのがわかるから
    でも、角野さんの本を何冊か読むうちにルーツを知りたくなったんですよね
    ラストランが自伝のようで印象が良かったからかな

    辛かった時代を振り返って伝えようなんて
    相当時間が過ぎてないと出来ないと思う
    いろんなところで活躍されている語り部さんがいるけど自分はできそうもない
    忘れる事で平穏を保っているから

  •  「イコ」は、角野さん自身がモデルなのかな?栄子、イコ…う~ん。著者の紹介のところに、深川生まれとあるし。

  • 戦争体験はしたくない。

  • 一人の少女と戦争。
    彼女の目の前に爆弾が落ちることはない、けれど彼女の世界は決定的に破壊される。
    外面的な状況だけでなく、内面的にも自らの醜さを暴かれて損なわれていく、それは終戦を迎えても完全に回復することはないだろう。
    読みやすく、子供にも読んでもらいたいと思う作品だった。

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著者プロフィール

角野栄子 東京に生まれる。1959年から二年間ブラジルに滞在。1970年頃より絵本、童話の創作をはじめる。『ネッシーのおむこさん』(金の星社)、「〈小さなおばけ〉シリーズ」(ポプラ社)、「〈魔女の宅急便〉シリーズ」『ハナさんのおきゃくさま』(以上福音館書店)などの作品がある。『ズボン船長さんの話』(福音館書店)で旺文社児童文学賞、『大どろぼうブラブラ氏』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞、『魔女の宅急便』でIBBYオナーリスト、野間児童文芸賞、小学館文学賞、『トンネルの森1945』(KADOKAWA/メディアファクトリー)で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。2018年には国際アンデルセン賞・作家賞を受賞した。

「2022年 『ケケと半分魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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