緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑 (MF文庫J)
- KADOKAWA/メディアファクトリー (2015年10月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040679433
作品紹介・あらすじ
「僕は、冒険者になろうと思う――」魔術の才能がからっきしな少年、ジゼル・アンダーブルックリン。魔術師のための学校《識者達の学院》を自主退学した彼が目指すのは、冒険者だった。手始めに冒険者の集う酒場《金獅子亭》へと赴いたジゼルだったがそこで偶然、助けを求めていた半妖の少女、ミリアと出会う。ミリアは“姉のレナリアを探してほしい”という依頼を受けてくれる冒険者を探していた。《金獅子亭》の代わりにその依頼を引き受けたジゼルはやがて、とある事件の全貌を追っていくことになり……。相沢沙呼×so-binの大型タッグが贈る、持たざる者のための探求叙情詩が幕を開ける―――。
感想・レビュー・書評
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魔法学校を中退して、冒険者になろうとしてるやつの話。
きっちり書いてくれてるんはええねんけど、いまひとつヒロインにも妹にも可愛げがないねんな。
続きを読むほどではない。 -
俺弱エェェ系主人公が、冒険者になる話。
悪魔召喚の犠牲になりかけた半妖の少女を助ける。 -
小さな背中が少しずつたくましく見えてくる
推理作家が描きたかったファンタジーの世界。元々ライトノベル出身ということもあってか、世界観の作り込みがよく出来ています。女の子がやけに多いですが、俗に言うハーレムものではなく、王都で起こる連続殺人や人種差別の問題が物語に暗い影を落としています。主人公=最強という設定が流行りのなかで、半人前の魔術師・ジゼルを主役に置き、悪戦苦闘しながら道を切り開いていく様子に好感が持てました。
目新しいものは特にない王道ファンタジーです。冒険は始まったばかり ー と締めくくられるこの先、どのような冒険が待っているのか期待しましょう。 -
振り返れば非常に王道なSFなんだけど、最近俺TUEE系(亜種含む)を多く読むせいか、なぜか新鮮味を感じてしまった。女性キャラの描写に艶っぽいものを感じるのもそうだけど、"術式に例外処理を施す"みたいなエンジニアチックな描写がちょいちょいあるのも、著者らしいと思った。
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表紙が太ももじゃないので評価は-1。というのは冗談だが相沢作品のお約束としてちょっと残念。
作者は以前からライトノベルを書いてみたかったということで、テーブルトークが好きな人が書いた王道ファンタジーとしてうまくまとまっていて佳作だと思う。文章もうまいし、ラノベにありがちな無意味で過度なサービスシーンもなくていい。
その一方でラノベとしては地味なので、メディアミックス的なものを期待して読む人には残念かもしれない。 -
魔術師の学校に通うものの全く芽のでる気配のない少年ジゼル。魔術学校を退学することを決意したジゼルは自身の剣の腕を活かせる冒険者を目指すことに。そして彼は半妖の少女から人探しの依頼を受けることになる。
これぞ王道のファンタジー! あとがきでも書いてありましたが本当に相沢さんの書きたいもの、好きなものが詰まった作品なんだな、と感じました。
ミステリ作家の相沢さんらしく、作中でもミステリ要素も少し入ってますが、戦闘シーンやファンタジーとしての世界観や設定もなかなか作りこまれていて、冒険者や魔術、エルフなど王道もの好きならきっと楽しめる作品のハズです。
作品のメッセージも深いです。この世界観でエルフの血を引くものは人権が認められず差別を受けています。そんな世界でも懸命にそんな世界を受け入れようとする登場人物たちの姿、そして行動し呼びかける主人公の姿は読ませます。
キャラクターもそれぞれ個性的で魅力的。今後シリーズ化されるかどうかは、特に明言されていませんでしたが、ぜひぜひ期待したいです!