騙し絵の牙

著者 :
制作 : 大泉 洋 
  • KADOKAWA
3.76
  • (65)
  • (150)
  • (106)
  • (16)
  • (3)
本棚登録 : 1051
レビュー : 171
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040689043

作品紹介・あらすじ

昭和最大の未解決事件「グリ森」をテーマに描いてから、約1年――。
『罪の声』塩田武士の最新刊は、大泉洋“主演小説”!
塩田武士×大泉洋
新しい<小説の形>がここに! そして最後は“大泉洋”に騙される!

芸能事務所、さらには大泉洋本人との共同企画により、主人公に俳優・大泉洋を「あてがき」して社会派長編小説を執筆。
2013年から構想開始し、プロット改稿を幾度となく重ね、取材・執筆すること約4年。雑誌『ダ・ヴィンチ』連載を経て、この度単行本化!

出版、映像、音楽……エンタメ業界は、スマホと「時間の奪い合い」になった。既存のエンタメ産業は、「過渡期」真っ只中である。
本作『騙し絵の牙』では、出版界のなかでも「レガシーメディア」と言われるようになった「雑誌」の編集部を物語の舞台に、業界全体を映し出して「エンタメ産業のうねり」を圧倒的リアル筆致で描く。
さらに、そんな窮屈な時代に風穴をあけるような、太陽のような明るさと才知に長けた主人公に、俳優・大泉洋をあてがきして物語を創作。実在の俳優と物語の主人公がリンクする、新しい読書体験に!

●痛いほど圧倒的リアリティ、ウィットに富んだ会話の応酬! 「小説のなか」で大泉洋が動く!●
大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。
ある夜、上司の相沢から自身の雑誌の廃刊を匂わされたことをきっかけに、速水は組織に翻弄されていく。
すると次第に彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて……。
斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!
小説を愛するすべての読者へ贈る一冊。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • まさに、エンタテインメント小説のお手本のような!
    今、「なんか面白い本ない?」と聞かれたら、迷わずこれをお勧めしますわ、間違いなく。
    いやぁ、カルチャー誌の編集長、速水に心を持って行かれましたよ。
    あてがきされた某大泉洋が脳内で速水として語り、歌い、笑い、泣き、悩み、そして牙をむく。
    いろいろと身につまされる部分もあるけれど、それ以上に、速水の、一人の人間としての魅力にはまる。文芸への愛、そのゆるぎない一本の筋の「もう一つの意味」を知った時、彼の魅力は百万倍の輝きを増す。早く映像で観たい観たい!

  • 予想以上に厳しい出版業界の現状と先行き。
    深まっていく社内抗争。
    家族の危機。
    ページをめくるたびにめまぐるしく変わっていく速水の状況にハラハラさせられっぱなしだった。
    エピローグを読むまで結論も全く想像できなくて。
    読み終わってから、あの部分が伏線だったのか!と気付く爽快感。
    それと同時に、速水が小説に情熱を注いでいた理由を知って切なさも感じて。

    緊張感が途切れることなくよみきれて、いろいろな感情がこみあげて。
    大満足!(*^^*)

    大泉洋ファンとしては、このセリフそのまま言いそう!この行動やりそう!と実感する箇所がいくつもあった。
    作家さんの観察力のすごさには脱帽…!

    でも、「最後は大泉洋に騙される」というキャッチコピーには「?」となってしまった。
    騙されたわけではないのでは…?
    なぜ自分は編集者になったのかという問に対し、「今この業界に必要なもの」という形で速水は答を出しただけで。
    ともに働いてきた同僚たちにしたら、紙媒体ありきだった速水の行動は裏切りのように感じてしまうのかも知れないけど、騙されたという表現には違和感を覚えた。
    速水には一本筋の通った確固たる意思があって、当初思い描いた紙媒体ではないけど、時代にあわせて手段を変えてでもその意思を貫こうとした結果なのだろう、と私は解釈した。

    でも。
    エピローグとプロローグが小山内目線で語られることを考えて読み進めていけば、また速水への見方は変わるのかも…?!
    …もう一回読んでみよう笑

  • 紙の本を愛する人、紙の雑誌を愛する人、本屋さんを愛する人全てに読んで欲しい。
    大泉さんモデルの編集長が担当する雑誌が廃刊になる。それを知り廃刊を阻止するため全力で頑張ると言う粗筋。
    ざっくり言えばそれだけだけど、紙の本を愛する自分には終始心痛い展開や描写、世間の本に対する価値観に涙が出そうになった。でも自分の興味のない物に対してなんて所詮そう言うものなんだろうと思う反面本当に紙の本に価値はないのか?と聞かれたら絶対そうではないと私は思う。
    少なくとも自分にはそうだった。
    苦しい時に救ってくれた本。
    勇気をくれた本、冒険したり、喜怒哀楽色々な本があって体験して。
    一度しかない人生だけど本を読むことで沢山の世界をみれて体験できる。
    だったら電子書籍でもいいんじゃない?と言う人も居るだろうけど、勿論それでもいい時はある。けど、電気や電波が届かない時に読めない小説は本当に自分にいつでも寄り添ってくれるのだろうか?
    気軽にパラリとめくる。それ一冊だけで電気も電波もいらない。
    それに電子書籍だけになったらサイン会は無くなるのだろうか…書店もなくなるのか?
    自分の大好きな本を胸に抱えてドキドキしながら待つ喜びも、憧れの作家さんを前に緊張する経験も無くなり、装丁の面白さを楽しむこともなく重さを感じることも、本を閉じた音も聞けない世の中がくる。
    なんて寂しくつまらない世の中なのだろう。
    出版界が生き残るためにも改革は必要だろう。
    それでも、どうか読書人が絶滅危惧種にならない世の中であってほしい。

  • 大泉洋を「当て書き」した作品。
    公私共に順風満帆と思われていた大手出版社雑誌編集者の速水だが、出版業界不況の中、自らの雑誌に廃刊の危機が。社内抗争に巻き込まれ、同時期に家庭内トラブルも抱えることに。速水のとった行動は、そしてその訳は。。。
    コメディタッチなところも面白く、出版業界の内情も興味を持って読めた。速水の編集にかける真意は驚き。

  • 1979年生まれの若い作者であるが,読ませる小説を書く。この作品,本屋大賞2018の10作品にノミネートされたそうな。小説命の書店員さん達がお勧めする理由は読めば判る。ここまで若い作家の読ませる作品に出会うのは,僕もしばらくぶりだろう。
    でも(ここから手のひらを返して本音) このエピローグはどうにも頂けない。鼻に付く、ああ臭いくさい。どうしてこのエピローグの部分をこの本の”編輯者”わ切り落とさなかったのか!所詮編集者というもんはその程度なのかと知れた。

  • 冒頭から引き込まれます。大泉洋さんが主人公にピッタリで映像化がイメージしやすい。仕事では誰からも愛されるが家庭はうまくいかない。ありがちなステレオタイプ。最後の最後、題名通り騙しがありますが別に不要なんじゃないかと思います。映像化では最後の部分削られるんじゃないかな。

  • 「騙し絵の牙」
    公開日:未定
    斜陽の「出版界」を舞台に、雑誌の廃刊を回避するため奔走する編集長・速水輝也を描くドラマ。もともと映像化を視野に入れた企画・原作として編まれた小説『騙し絵の牙』。主人公のあて書きは大泉洋だった―。そしてとうとう、企画通り大泉洋主演で映画化が始動!「本屋大賞2018」にノミネートされた本作
    キャスト: 大泉洋
    監督:後日発表

  • プロローグで出てきた、ドット柄のチョッキを着た大泉洋が(ロブスターの皿を持って)第一章扉の写真に!
    もう、大泉が速水になって動き出す。
    大どんでん返しが評判の良いだが、エピローグなしで話が終わっても良い話だった。
    映画だったらここでエンドロール

    その後にパーティーシーンが入るのが良いなァ〜
    パーティーのシーンだけで終わったほうが好きだった。
    取って付けたような話は不要。

  •  出版業界の今を描きつつ、作家と編集者とのかかわりやこだわり、ちょっとした会社での派閥争いも絡んで最後までどきどきしつつ読みました。大泉さんで想像して読んでみるとなんだか艶やかな部分が想像しづらかった(笑) 時代の寵児というのは、作られるものなのかもしれないなって。自分をプロデュースするときにどういう切り口にするかで、弱くも強くも見えるものです。

  • タイトルの謎をエピローグで明かす。速水の過去がどうあれ、物語の本筋に影響はないんだけれど。にしても、紙から電子へと移りゆく出版業界の動乱ぶりが真に迫る。連載発刊されていた長編が、かなりの歳月を経て書き下ろしで了となった作品を想起するに、こんな裏事情があったのかと勘繰る。本、買わなくなったもんなぁ。この本とて図書館で借りてるし、たまに買うのもamazonの中古本だし。ファンから「先生の本は人気だから、なかなか借りられないんです」って作家が言われ、憤るくだりが笑えない。職場では日々、やれ費用対効果だ、合理化だ、KPIだと叫ばれ続けて食傷気味だが、この業界は一層厳しいのが知れる。本好きとしては購買で支えなきゃと思いつつ、そうもいかぬジレンマ。

全171件中 1 - 10件を表示

騙し絵の牙のその他の作品

騙し絵の牙 Kindle版 騙し絵の牙 塩田武士

塩田武士の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

騙し絵の牙を本棚に登録しているひと

ツイートする