騙し絵の牙

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 408
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040689043

感想・レビュー・書評

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  • 表紙が大泉さんで作者が「罪の声」の方だったので、どんな話かと思った。雑誌の廃刊が続く出版業界の不況の話など、必死で雑誌を守ろうとする速見が随分とかっこよくオシャレだな~、イメージが大泉さんっぽくないな~(すみません)と思いながら、家族の話や売れない作家の話など切ない話も盛り込みながら、飽きることなく面白く読めた。ただラストになるとわりとお金の問題で生臭い駆け引きがあるので急に展開が変わった気がした。
    そして読後、こうやって手にとって直に表紙を見て、帯や見出しを見て、厚さを見て、パラパラと中身を見て、よし読もうとわくわくできる紙媒体の本って本当に楽しいし、これからもずっと必要なものだと自分は思いました。

  • 大泉洋の当て書きという情報だけで読んでみた。出版業界の話だったとは。大手出版社の高給取りも大変そうだ…。
    終盤までぐいぐい引き込まれて、「ああ、出版業界どうなるんだろう。もうダメなのかな」なんて考えていた。「出版社なんていらないってことですよ」の一言はホント刺さった。
    が、ラストでぐるんっと小説の空気変わって驚いた。変な話、全然違う小説みたいな。中盤の小道具がそんなに活きてくるとは!というのも驚き。個人的には終盤までの空気感が好きだったから、複雑ではあるけど。
    が、これ大泉洋の当て書きって、すんごい納得。ラストまで含めて。そりゃ芸能界で活躍する人たちがピュアホワイトなわけはないよなー。(←偏見)

  • 編集者の本、しかも電子化が進む今の話。
    だけど、それより、速水さん!
    登場人物の動きが目に浮かんで、おもしろかった。
    大泉洋さん、ぜひドラマでやってください!

  • なかなか骨のある小説。プロローグとエピローグが生きている。作家の表現力も素晴らしい。

  • ある講演会で筒井康隆氏が褒めていたので読んでみた。
    誰からも好かれる「人たらし」編集者が、担当雑誌の廃刊阻止、ベテラン作家・パチンコ業界との交渉、同期ライバルとの暗闘、そして家庭崩壊の危機などに奮闘しながら、社内政治に翻弄される慌ただしい日々を描いた物語。
    大泉洋で「あて書き」された主人公の魅力がメインであるが、苦境に立たされている出版業界の様子がリアルで大変面白かった。

  • 「罪の声」が良かったので
    他の作品も読んでみようと思い、
    「女神のタクト」と「騙し絵の牙」を借りてみたが、
    女神…の方は途中で挫折。
    作品ごとに雰囲気が違って、
    今ひとつこの作者の特徴がつかめない。

    この作品はフィクションだけど
    まさに現在が描かれていて、
    実際の今のリアルな感じだとか、
    登場人物が放つジョークなどが
    ちょっと笑えなかったり、笑えたり。。

    最後の最後で明かされる事実がなければ
    ありきたりな今どきの話で終わってしまっていただろう。
    エピローグで語られる小山内の台詞に
    グッと来た。

  • 頭の中で大泉洋が動く動く。
    でも肝心の内容は期待ハズレだったかなー、策士の視点からだから、全然気がつけなくてそこは筆力なのだろうけど、全体として薄い気がする。

  • ‪塩田武士が大泉洋を“主演”に迎えた小説。出版業界を舞台に描かれる、時代に取り残されつつある働く男の物語。サラリーマンなら感情移入必至。連載小説で雑誌編集部というメタ構造も面白い。業界の描写とかリアルなんだろうなぁ。そしてラストで明かされるタイトルの意味!鮮やかで怖くて、でも爽快。‬

  • 何だか絶賛評ばかり聞こえてくるけど、私はダメだったなあ。いつ面白くなるのかと思って最後まで読んだが、気持ちがのらないままだった。出版業界の内輪話はひたすら重苦しく、会社内の駆け引き的な描写に気持ちがどんよりする。終盤の「転身」の意味合いがイマイチわからず、「生い立ち」部分は何だかとってつけたよう。

    しかしまあ、「本読み」の間で評判のいい小説にここまでネガティブな気持ちを持つなんて、自分の読み方が間違ってるのかしら、根性が歪んでるのかしら(その通りなんだけど)、と今さらなことを思ってしまった一冊だった。

    さらに言うと…、これは「あて書き」だそうだが、効果的だとは思えない。大泉洋のイメージがどうもピタッとこないし、かえってお話しに入り込めないような気がした。

  • いゃあ、面白かった!
    「本を読む楽しみ」を満喫させてもらいました。

    塩田武士さんの書かれる本に登場人物たちは
    いつも、どこにでもいるようで
    でも、結局はどこにもいない
    この物語には、この人物でなくては、
    に収斂されていくようです

    それにしても
    少し前までは「紙の本」とい言葉に
    多少の違和感を覚えていましたが、
    これからは、ますます
    「紙の本」という言い方が
    当たり前のことになっていくのでしょうね…

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著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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