表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040693163

感想・レビュー・書評

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  • 新自由主義、競争社会、格差…諸々にうんざりして旅に出たのかと思いきや。
    忙しい中、ひとりになって、悲しみとじっくり向き合える、どこか遠くに行きたかった若林さん。テレビで観ていても全くわからないけど、こんな辛い時期があったのねぇ。私は若林と同年代だし、私自身の父親の死も同じ頃だし、親近感湧くな。身近な人の死は本当に辛いけど、そんな時のひとり旅だからこそ、旅先の景色もいつも以上に響くのかな。だって、「網膜が小躍りする」なんて表現すてきだもんな。

    ゲバラの言葉に、考えさせられる若林さん。
    「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか?あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
    終盤では、父親に幸せだったかと問う。
    命について、人生についても考える旅だったのかな。

    モンゴル料理、若林はいけたんだ…私は臭くてどうしても無理だった。

    アイスランドで優しくしてもらって良かったよね。全員日本人とかさぞ初めは地獄だったろうに。ま、ウケたけど!

    若林さんの海外旅行先チョイスがいいセンス!私もいつか行ってみたい。

    そして、DJ松永の若林にむけた手紙が泣ける。何これアツイ。いまさらリトルトゥースになれないよぉ。

  • キューバの観光地を効率よく回ったり、ディープな場所にも行くし、些細なコトで気分を害して引きずったりもする旅のエッセイ。
    カストロが大観衆を前に演説した革命広場や闘鶏場の熱気が伝わってきて、アイスクリーム屋やビーチ、堤防沿いに集まるキューバの人たちの表情が丁寧に描写されていた。

    インドア派の若林さんが、1人でキューバに行きたかった理由は…。

  • 競争に勝ち続け、お金を稼ぎまくる人だけが幸せになれるという新自由主義。
    自分の悩みの全部はこのシステムのせいだと感じた事をきっかけに、真逆のシステムである社会主義国のキューバに行く若林さん。

    キューバでの様々な経験は読んでいてとても新鮮だった。
    中でも印象に残ったのはキューバの住宅事情について。
    社会主義国のキューバで裕福な暮らしをするにはコネが重要らしい。

    「日本の自由競争は機会の平等であり、結果の不平等だろう。キューバの社会主義は結果が平等になることを目指していて、機会は不平等といえるのかもしれない」(P149)

    なるほど。
    「競争」「勝負」となると途端に腰が引けてしまうけど、確かに日本ではある程度機会は平等にある。
    「裕福になりたければもっと頑張れよ、今の生活に満足できないのは努力してないからだ」と言われれば、でも、だって、と言いたくなるけど、確かにそうなのかもしれない。
    100%の力を出し切って生きてるわけじゃないから、ギラギラと勝ち進んでいく人を見るとなんとなく負い目のようなものを感じてしまう。
    まぁこのくらいの頑張りなら、こんな程度ですよね、と自分を納得させてしまう。
    まあ、それが生きていくことに対しての漠然とした疲れの原因なんだろうな、とは薄々気付いている。

    だけどキューバのように、コネが無いと裕福に暮らせない世の中もどうだろう。
    どんなに頑張っても結果は同じ。
    生活に選択肢はほとんど無い。
    お金持ちとうまくやっている友人は良い家に住んでいるが、コミュ障気味な自分はいつまで経ってもボロ屋。

    どっちも嫌だし疲れるし面倒くさい(笑)

    やっぱり若林さんの言う通り何事もバランスなんだろうな。
    そして、日本だろうとキューバだろうと世界のどこだろうと、血の通った関係が何よりも尊い。

    若林さんの本を読んでると、気の合う人とただ楽しく生活したい、喋りたい、それこそが自分の人生で一番やりたい事だ、という気持ちが湧いてくる。

    よし、飲みにでも行こう。
    気の合う人を見つけよう。
    (と言ってまっすぐ家に帰って来てしまう日々)

  • 一気読み!もともと若林さんの話術が好きでしたが、本書を読んでもっとファンになりました。
    旅先でのアクシデントや恥をかかないように密かに戦略を練るところ、めっちゃ共感しました。

    中盤は旅行している気分と、登場人物のキャラ、それに対するツッコミなどなど楽しく読めました。
    何なら声出して笑っちゃった。

    ラスト、思ってもみなかった話の展開にじんわり感動しました。

  • 230717031

    キューバに日本と自分を見つけに行った。キューバはキューバであり日本は日本だけど、自分は何者という答えは出ていない…という気がする。

  •  「一番の親友」である父親を失った若林は、学びを通じて今までの悩みは人間の作ったシステムの中での悩みに過ぎなかったと知った。では、それとは違うシステムの国はどうだろう。
     5日間の夏休み、羽田からトロントを経由してハバナへ。機内から見下ろしたそれぞれの都市の違いが面白い。
     新自由主義で灰色をした日本。社会主義で広告のないキューバ。
     数人の現地人とのエピソードも印象深い。人見知りのマルチネス、社交的なマリコさん、闘鶏は苦手なLさん、大物らしいエダジマ。自分たちも楽しめたと断られたお礼の代わりに、日本からトランクに詰めて来たキットカット抹茶味。
     「東京に色を与え」てくれたキューバは、父親の行きたがっていた国だった。

  • ただの旅行記じゃなかった。笑いあり涙あり。

    当たり前だけど、日本の普通が世界では普通じゃないことを改めて思い知らされた。

  • 旅をして気がつけることが沢山ある
    若林さんのわかりやすくて、テンポの良い文章で、すぐに読み終わった
    何度も読み返したいとは思わなかったが、旅の情景が浮かんで、自分も旅をしてなにかを感じたい、ちょっと背伸びをして出来なかったことをしてみたいと、思った

  • いますぐ1人旅行に行きたくなる

  • キューバと言われて真っ先に思い出すのは、何年か前に流行ったブエナビスタソシアルクラブの音楽です。
    ゆったりとしたリズム、哀愁漂うメロディー。若林さんはこの癒しを感じに行ったのかなと思ったら…いろいろな理由があったようです。
    ***
    以下、名言集
    「先生、知ることは動揺を鎮めるね!」「若林さん、学ぶことの意味はほとんどそれです」

    「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか?あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」(ゲバラ氏)

    元々人間は競争したい生き物なのかも知れない。

    ***
    あと
    社会主義はコネが物をいい、
    資本主義はカネが物をいう
    みたいなのも。

    ちなみに若林さん、ラストはずるいです!

著者プロフィール

1978年9月20日生まれ。テレビ朝日『しくじり先生 俺みたいになるな!!』、日本テレビ『スクール革命!』、NHK『マサカメTV』、ニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』等テレビ、ラジオで活躍中。ダ・ヴィンチの好評連載を単行本化した『社会人大学人見知り学部卒業見込』を2013年に刊行。

「2017年 『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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