つめたいオゾン (富士見L文庫)

著者 :
制作 : usi 
  • KADOKAWA/富士見書房
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  • 本棚登録 :85
  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040702247

感想・レビュー・書評

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  • 終わり方が何とも言えず、切ない。
    最初から予定されていたラストとは言え、本人たちが幸せそうなのがまた切ないです。

  • 最後まで一気に読んでしまった。
    やはり文章がうまい。
    ただ、少女の境遇は、つらすぎてページを飛ばしてしまった。

    カズオ・イシグロ的感性というか、あらゆる人間集団の思想信条類形から離れた、個人の悲喜劇を、でも個人の力ではどうしようもない大きな力で握りつぶされる、そういう人間を描いている作品を、自分はこの頃多く見るようになった気がする。

  • 彼らは他人を傷つけるとき、自分も同じくらい傷つくということを知らないのはなぜか。
    (中略)つまり、共感力というものには範囲があるのだ。
    (p111「第二章『中村花絵』」)
      ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

    東京の過保護な家庭で育った脩一と、
    家事で両親を亡くし、田舎の親戚に預けられた花枝。

    つながるはずのない二人は、
    しかし誰よりもお互いをよく知っていた。
    二人を結びつけたのはひとつの病。

    『アンナ・メアリー症候群』と呼ばれるそれは、
    他人と五感を、そしてやがては思考や記憶までも共有するようになる。

    「人」という種自体が変化しつつある時代に、
    二人が巡り合う意味とはなにか。

      ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

    病にむしばまれながらも、
    お互いの「孤独」を共有するがゆえ
    優しさを失わない寡黙な二人の物語です。

    『アンナ・メアリー症候群』以外にも、
    カエルのような姿で人が生まれたり、身体が鱗に覆われていったりと、
    人類そのものが「変化」しつつあるような社会背景を匂わせますが、
    まとめ方はややしりきれトンボ感。

    もう少し大風呂敷の中身が見えるものと期待したのですが…
     それではっ

  • 主人公たちがかかる奇病の作りこまれた設定と丁寧な症状描写は面白かったのだが、不幸設定がちょっと過剰かな。
    絶妙な寂寥感と余韻あふれる終盤はこの作者らしい。

  • 絶望感が溢れる物語がわりとすき、あんな絶望が身体中に染み渡ってる感じがとても心地よい。最後はHEだろうかBEだろうか,うまく収めるのならそれはそれで別に構わない。唐辺さんの小説は初めてだが,プロローグだけで一気に読み終わりたくなった。読み易くて、展開も穏やかで、意識と身体の存在意義も見事で、それにタイトルの表現もすごく気になって、全体的グレーっぽいの魔性が漂っていた。エンディングは正直に虚しいが,甘さをかけた”前触れ”に緩和されたように、無限ループこそが真の永久・真の誕生の上辺の考えに陥るのも悪くはない。

  • 別に細かく書いてるわけでもないのだけれど、二回?にわたるレイプシーンはきつかった。
    著者の作品全体に漂ううっすらとした絶望感とか、特殊な設定を持った物語だけれど冷たすぎず暑すぎずで展開していく感覚が好きです。

  • SF系ラノベ。自分の中に他人の感覚情報が入り込むようになり、最終的には意識・記憶・感情が完全に融合し、体は2人だけど1人の人格になるという奇病にかかった少年少女の話。深いテーマのわりにあっさりした人物描写に結末で、あまり魅力を感じられなかった。

  • 著者の新境地と言ってもいいのではないか。今まであったようで無かった瀬戸口世界。切ないけどどこかロマンチックでとてもよかった。読後は不思議な気分に浸れました。

  • 『人格が統合されて行く』という奇病を患った2人を主人公にしたSF小説。
    こういうライトノベルと一般文芸の中間を埋めるようなジャンルは、どうしても『いい話』傾向に持って行きがちになるが(それが悪いのではない)、こちらは全体的に漂うディストピア風味が意外だった。
    主人公の1人が将来を嘱望された棋士という設定もユニーク。ただ、もう1人の主人公のこれでもかという不幸設定はやや余分に感じた。

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