つめたいオゾン (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/富士見書房
3.81
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本棚登録 : 106
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040702247

感想・レビュー・書評

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  • 最後まで一気に読んでしまった。
    やはり文章がうまい。
    ただ、少女の境遇は、つらすぎてページを飛ばしてしまった。

    カズオ・イシグロ的感性というか、あらゆる人間集団の思想信条類形から離れた、個人の悲喜劇を、でも個人の力ではどうしようもない大きな力で握りつぶされる、そういう人間を描いている作品を、自分はこの頃多く見るようになった気がする。

  • 主人公たちがかかる奇病の作りこまれた設定と丁寧な症状描写は面白かったのだが、不幸設定がちょっと過剰かな。
    絶妙な寂寥感と余韻あふれる終盤はこの作者らしい。

  • 絶望感が溢れる物語がわりとすき、あんな絶望が身体中に染み渡ってる感じがとても心地よい。最後はHEだろうかBEだろうか,うまく収めるのならそれはそれで別に構わない。唐辺さんの小説は初めてだが,プロローグだけで一気に読み終わりたくなった。読み易くて、展開も穏やかで、意識と身体の存在意義も見事で、それにタイトルの表現もすごく気になって、全体的グレーっぽいの魔性が漂っていた。エンディングは正直に虚しいが,甘さをかけた”前触れ”に緩和されたように、無限ループこそが真の永久・真の誕生の上辺の考えに陥るのも悪くはない。

  • 別に細かく書いてるわけでもないのだけれど、二回?にわたるレイプシーンはきつかった。
    著者の作品全体に漂ううっすらとした絶望感とか、特殊な設定を持った物語だけれど冷たすぎず暑すぎずで展開していく感覚が好きです。

  • SF系ラノベ。自分の中に他人の感覚情報が入り込むようになり、最終的には意識・記憶・感情が完全に融合し、体は2人だけど1人の人格になるという奇病にかかった少年少女の話。深いテーマのわりにあっさりした人物描写に結末で、あまり魅力を感じられなかった。

  • 『人格が統合されて行く』という奇病を患った2人を主人公にしたSF小説。
    こういうライトノベルと一般文芸の中間を埋めるようなジャンルは、どうしても『いい話』傾向に持って行きがちになるが(それが悪いのではない)、こちらは全体的に漂うディストピア風味が意外だった。
    主人公の1人が将来を嘱望された棋士という設定もユニーク。ただ、もう1人の主人公のこれでもかという不幸設定はやや余分に感じた。

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