冬の巨人 (富士見L文庫)

著者 :
制作 : 藤城 陽 
  • KADOKAWA/富士見書房
3.43
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本棚登録 : 99
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040702438

感想・レビュー・書評

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  • ミールと呼ばれる巨人の上に住む人々の物語。
    外市街に住む主人公のオーリャは初めての調査行から帰ってくると、とある才能から新たな調査行の担当に選ばれた。その調査行での出会いをきっかけにミールでの生活が大きく変化していく…というお話。

    この薄さで世界観や設定が、非常にしっかりしていて良い意味で驚いた。

    ページ数が少ないが故の終盤の怒涛の畳み掛けがあるものの、前半のモノクロな世界が色鮮やかに変化していく最後の展開は情景が目に浮かぶようでよかった。

    ワンダと巨像というゲームをやったことがある方は、情景描写がしやすいのではないだろうか。
    設定こそ異なるが、広大な世界というより、矮小な自分たちの世界と初めて見る圧倒的スケールの巨人といった世界観はどちらもファンタジー好きにはたまらない情景である。

    これはこれで完結しているので文句があるわけではないが、後日談や前日談、本編のもっと詳細な描写など膨らませる余地は多分にあると思う。
    明かされていない設定などがかなりあるだろうから、続編に期待したい。

    個人的には登場人物の名前が大変覚えにくかった。日本人が命名したわりにはかなり読みにくい名前だと思う。

  • この薄さでちゃんとファンタジーできているのがスゴい。世界観や設定も違和感無く頭に入ってきたし、アニメやゲームにしてもハマりそう。読んでいると、美しくも儚いイメージが浮かんでくる。
    ストーリーも良かったけど、ラストがトントン拍子に進みすぎて物足りなかった。そこに至るまでが良かっただけに余計…。レーナのことも、もう少し詳しく説明してほしかったかな。全てを明らかにする必要はないと思うけど、どうもスッキリしない…

  • 雪の降る寒い日に読み終わりました。とても好きな世界です。
    雪原を歩く巨人の背中に作られた都市に住む人々の話…登場人物たちも真摯で好きです。
    ここが世界の果てか、と思います。千年の歩みを止めて崩壊した巨人と、住んでいた人々のこれからが気になりますが、ここで終わるのが良いのかもしれません。
    寒い日にぴったりな本でした。

  • 情景描写はとても綺麗だった。
    富裕層とそれ以外の層の隔離、終末党にミール信仰、巨人というワードのせいか進撃の巨人を連想してしまった。
    こんなに素敵な設定があるのだから、この世界観でもっと読みたかった。
    なぜ巨人が歩いていたのかや、レーナの正体について扱ってほしかった。
    最後は、ご都合主義がすぎるのではないか。
    オーリャはカメラアイでも持っているのか。
    教授の言う巨人の目、外からの目というのは、私たちにも必要なものだと思う。

  • 雪原を歩く巨人の中に住んでいる人々。
    老いた巨人は、一体どこへ、何をするため歩くのか。

    童話が少々難しくなった、という感じでした。
    下っ端、権力者、その子供、反対勢力。
    想像できるような話の流れでしたが
    色々謎が残ってしまったような。
    とりあえず、読んでいて時間の単位が
    歩数と時間の二種類あるのは分かりました。

    彼女は一体何だったのか。
    彼はどうして彼女を奪ったのか。
    知りたいけれど、知らなくても話としては
    何の問題もありません。

  • クラシックのように美しく素朴なファンタジーだなあ。
    ずっと静かに流れている破滅の予感と、瞬く間にすべてを眩く照らし出す太陽の光。

  • 世界観と初盤から中盤にかけての物語は良いが、いかんせん終盤が唐突。覚悟もなしもなしに、主人公がやっと英知に小指の先が触れるか触れないかというところでミールが止まるので、急展開に感じる。レーナの存在が唐突。いや、唐突なのはいいんだけど、触れ合う時間もほとんどないままにミール停止と次の展開に進んでしまう。結局レーナは何者だったのか。ミールとは何だったのか。謎が何も解明されず世界は破壊され再生された。もっと市井の人々、ミールで生活する人々の生活をしっかり描いてくれたら面白いものになったろうに。これがライトノベルの限界か。

  • 千年にわたり永遠の雪原をただ歩き続ける異形の巨人ミール。人間の世界のすべては、巨人の背の上に作り上げられた都市だった。どこへ向かうのか、知る者はいない。ミールの研究を続ける“変人教授”ディエーニンの助手オーリャは、ミールの外ーーすなわち人の住めぬ雪原でひとりの少女を拾う。「外」からやってきた彼女との出会いは、終末へと向かう世界に何をもたらすのか。そして巨人の歩みの果てに待つ光景とは……。ファンタジー史に残る傑作、著者全面加筆のうえ復刊!(裏表紙より)

    「かつては太陽が…」とあるから、遠い未来のお話なのかな?こういう世界観の話、すごく好きです。どこに向かっているのかわからないが、千年間歩き続けている巨人と、その背中の上に作られた街に住む人たちの物語です。結局空の上で出会った少女も、巨人も、雪が降り続いている理由も、世界の全容は全くの謎だらけですが、いろいろわからないほうが想像が掻き立てられていいと思います。

  • 千年にわたり永遠の雪原をただ歩き続ける異形の巨人ミール。人間の世界の全ては、巨人の背の上に作り上げられた都市だった。
    ミールとは何なのか、どこへ向かうのか、知る者はいない。
    ミールの研究を続ける変人教授・ディエーニンの助手オーリャは、ミールの外ーすなわち人の住めぬ雪原でひとりの少女を拾う。
    「外」からやってきた彼女との出会いは、終末へと向かう世界に何をもたらすのか。そして巨人の歩みの果てに待つ光景とは…!

    太陽がもはや伝説扱いされるほどの、氷河期な世界。雪原を歩き続ける巨人の背に街を作って暮らす人間たち。ともかく世界観がすごかった。
    どうやって動いてる巨人の背で暮らすのかとか思ったけど、予想以上に本格的に都市を作り上げていて驚く。
    主人公のオーリャは、ちょっとぼんやりしてて生返事な部分が多いけど、予想以上に優秀。あとジェーニャが天真爛漫な感じで可愛らしかったので、そこにレーナという謎の少女が飛び込んできてどうなることかとハラハラした。最後はうまい感じに収まった感じだけど、結局レーナとは何だったのか、とかミールとは何だったのか、とか細かい説明が無かったのは残念。なかなか感動的な最後だったけど、ちょっと駆け足気味な気もした。もう少し苦労するかと思っていたので。
    人間たちによって背にどんどん重荷を背負わされていったミールの姿を想像すると、何だか切ない気持ちになる。短いけれど一冊で綺麗にまとまっていて、世界観もしっかりしていてよい作品でした。

  • 再販だと知らずに読んでました。やはりちょっと古臭いかなという気はする。

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著者プロフィール

第2回電撃ゲーム小説大賞<大賞>受賞。『ブラックロッド』(電撃文庫)でデビュー。著書多数。

「2017年 『ある日、爆弾がおちてきて 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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