グランクレスト・リプレイ かけだし君主の魔王修業 (1) (富士見ドラゴンブック)

著者 :
  • KADOKAWA/富士見書房
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本棚登録 : 29
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040705590

作品紹介・あらすじ

命を狙われ、君主エルザは魔法師ジェイドと領地を出奔する。途中、ゴブリン退治を請け負うが、ゴブリンに人を襲わねばならない理由があることを知った二人は――。PC1に声優・藤井ゆきよを迎え、新シリーズ開幕!

感想・レビュー・書評

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  • blog(2015-05-24)から転記

    グランクレストは今ひとつノリが掴みづらくて苦手意識を持っていたんですが、この作品はTRPG初心者をPC1に迎えることで視点を下げ気味にした形なので、比較的読みやすかったです。
    シナリオ自体はオーソドックスなはずなんですが、PC1を担当した藤井ゆきよさん(声優・ログホラの てとらとか)の意思決定で進行していく中でダイナミックにシナリオから外れていく様が面白かったです。やにおGMのリカバリ力もすごい。
    終盤にはほろりとさせられる展開もあって、満足度は高かったです。

  • プレイヤー主体ではあるけれど
    君主のかりすまが良く描けている一冊
    グランクレストリプレイ3冊読んでいるはずなのに
    未だ設定のみこめていないが
    魔物といってもソードワールドとかと比べ亜人くらいにしか見えない
    けれど設定たくさん積めば良いというものでもないか
    有るほど背景白さが気になりずらいけれど
    この作品設定だと国民や周囲の村に色が付くほど面白そう
    戦闘配置図と村の地図に同じ1ページ使うのはもっと工夫して欲しい

  • 号泣である。
    もともと人外キャラに感情移入しがちな自分としては、「弱い魔物たちが身を寄せ合って作った隠れ場所」という、この「はぐれの森」の設定はドのつくツボだった。
    さらに、藤井ゆきよさん演じる主人公・エルザのキャラがとにかく良い。
    まさに「器の大きい君主」そのもの。他者・弱者を助けることに一切の躊躇も気取りもない。あのロールプレイは、そういう信念がライフパスで決まったからというだけではないだろう。
    あとがきに「エルザのプレイヤーは視点が高い(物語の展開がどうしたら面白くなるか、を考えてプレイしている)」という表現があったので、その発言のすべてが実際ノータイムで出てきたものではないのだろうが、それでも、すげえなあ、とただただ感服するばかり。
    さらに、まわりを固める歴戦のプレイヤー陣が、それぞれの視点を持ってエルザを盛り立ててくれている。特にエルザの従者兼パートナーである魔法師・ジェイドの知的な迷いロールが、エルザのともすれば猪突猛進になりそうなプレイングをきりりと引き締めていた。さすが矢野さん。

    これからどうなってゆくのか。エルザの行動でNPCも一枚岩でなくなり、ピンチにさらなるドラマの予感がたぎる!
    早く2巻を手に入れなければ……。

  • タイトルが最近のラノベっぽくて、そんなに期待せずに買ったのだけれど、すごく面白かった!
    GMやベテランのプレイヤーの安定感はさるものながら、初心者枠のPC1がすごい。涙腺に来っぱなしだった。

  • 父王の仇を探して旅する少女君主が、小さな村を救って、紆余曲折あって…魔王になっておりました、と。

    中村やにおさんのDX3リプレイ・メビウスが超好きでして、購入。

    さて。書き出しの通り、初心者君主(プレイヤーも初心者)がいきなり魔王になってしまうというリプレイ。
    そもそもグランクレスト初心者向けに「王様(君主)のロールプレイとは?」を例示するのが目的だった企画のはず。それがどうしてこうなった…。

    とはいえ。
    「王になる事を目指して王になる」のではなく、「請われて王になる」のも一つの形。
    迫害され、困窮している者ならば、迷わず手を差し伸べる。例えそれが人間ではない、魔物であっても。ただそれだけの事を繰り返しているうちに、一つ国が出来、魔物の国の王になってしまった…それが「魔王」の正体。

    非常に軽~く選択肢を判断している主人公の君主(PC1)・エルザですが、絶対にブレない軸をもって決断しているのでむしろ安心感さえ覚えます。

    そう、このエルザがグイグイ話を進めるので全く中だるみしません。単にポジティブというだけでなく、いかに面白くするか、物語を作っていくかという目標に向かって突き進む感じが非常に好印象。
    それに巻き込まれていく他PCやNPCも実に楽しそうに巻き込まれていきます。

    特にツンデレ…を目指していたPC3の邪紋使い(アーティスト)・ナギのチョロさといったらもう…w
    いや、反目していたキャラがエルザに惹かれていくというシチュは確かに熱いのですが、あまりに早すぎるw 出会う前からデレてるとか、ツンデレとしての矜持がどーのこーのと説教したくなるほどですw

    その辺のチョロ可愛さを含めて面白可愛いですけれどもね。

    あと、(プレイヤーがあの人なので)相変わらず妙なキャラのデブ猫妖精・ニャンスロット、そしてエルザの相棒であり大事な幼馴染の魔法師・ジェイドの心配症な所もいいスパイスになっています。

    とにかく、予想外の展開ばかりが起きるこのリプレイ。アドリブ力が存分に発揮されていますが、これこそTRPGの醍醐味というやつで。
    この先、魔王の国がどうなっていくのか、目が離せません。


    しかし……クレバー先生は相変わらずキャラに命の危機を背負わせるなぁ…(苦笑)

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著者プロフィール

フリーライター。ドラゴンブックでは「ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・アカデミア」シリーズや「ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・メビウス」シリーズを手掛けた。プレイヤーの扱いがうまさや、魅力的なNPCを登場させて世界観を演出する手腕に定評がある。

「2015年 『グランクレスト・リプレイ かけだし君主の魔王修業(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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