アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女 (ファンタジア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/富士見書房
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本棚登録 : 168
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040708171

作品紹介・あらすじ

貴族のみが化物と戦う力・マナを持つ世界。青年クーファは、公爵家に生まれながら無才の少女メリダの才能を見出すため、家庭教師として派遣される。彼女に才能がなければ、暗殺――という、裏の任務を負って……。

感想・レビュー・書評

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  • 「第28回ファンタジア大賞『大賞』受賞作!」
    ――と聞いて、正直不安しかなかった。なぜならここ数年(以下略。)
     しかし読了後、久々に心躍る物語に出会えて、眠気もブッ飛んだ。
     本当に――それこそ数年ぶりに「大賞受賞」の名に恥じない、非常に完成度の高い素晴らしい物語でした。
     特に「努力、成長、勝利」というテーマが丁寧に描かれているのが好印象。最近流行の「最弱だけど最強」というのとは違い、ヒロインは生まれつき持っているはずの力(マナ)を発現させることができず、周囲から「無能少女」と呼ばれ、蔑まれ――そんな中、主人公の鬼畜教師(クーファ)は彼女の出自を疑う者たちの依頼を受け、彼女を成長させるか、あるいはその出自に偽りありと認められた場合速やかに暗殺せよ――という依頼を受けるのだが、はてさて……という内容。
     そういった状況、流れ、各キャラクターの思惑、行動、そして心理描写が秀逸で素直に物語に引き込まれました。
     唯一難癖を付けるのであれば「ファンタジア文庫」というより「ビーズログ文庫(男性向け)」を読んでいるような、そんな印象を受けました。
     それこそ「教師と教え子のファンタジー・ロマンス・ストーリー」ですし。一応「いやーん」な場面(ぱんつ)もありますが、その辺り(対象読者層のズレ)は気になりましたが、面白いものは面白い。
     オススメの作品です! 次回作に期待!

  • アニメ放送期間中に購入した筈なのに、読み始めるのが随分遅くなってしまった……

    小道具とふとももに満ちた表紙に目を引きつけられる本作の特徴は後書きでも述べられている通り、クーファとメリダの教師と生徒という関係性を中心に据えつつの独特な世界観で繰り広げられるどん底からの逆転劇と言った様相

    特殊な世界観であるために冒頭から専門用語が山のように出てくる。その為に読み始めて幾らかの頃はちょっと作中世界に没入するのが難しかったのは事実
    けれど、その認識が覆り徐々に作中に没頭するようになっていくのはクーファがメリダに魅了され始めてからの展開だね
    マナを纏うことすら出来ず無能才女と呼び蔑まれるメリダ。最下級のランカンスロープであるパンプキンヘッドにすら良いように弄ばれる。だというのに決して諦めず助けも呼ばず。ただ、自分がアンジェル家の娘だと世間に認めさせる為に夜の世界で一人戦い続ける少女
    クーファが何故メリダに魅了されてしまったのかはこの時点では判然としない。けれど、彼はメリダの望みを叶えるために自身の命を懸けると決めてしまった
    そこからの展開は目を引くようなものばかりだね

    クーファに拠る実践的な授業。授業成果による効果を最大限のものとするため試合までマナの使用を禁止するなどの小技、メリダのメンタルを鍛えるためにわざと厳しい言葉を放ってみたり
    他には……いやまあ、メリダのマナ器官に異常がないか調べるために何度もスカート捲りする場面とか大笑してしまったけどさ!あれを大真面目に続けるクーファの精神は男子中学生かと言いたくなる(笑)

    序盤の苦境、中盤の修行で貯めに貯めたメリダの修行成果。それをいじめっ子であるネルヴァに対して思う存分振るったメリダの活躍の素晴らしいことったら無い
    おまけにメリダを教え育てたクーファすら驚かせる技を土壇場で放って見せたのだから驚くしか無いね

    そうしてメリダの成長を十二分に描いてみせたのだから、終盤で発生する誘拐事件に対しメリダが勇気ある行動と類まれな意思の強さを見せるのも納得というもの
    以前から絶望的な境遇に対して諦めずに挑戦し続けていた彼女だからこそ、ランカンスロープの力を持つ包帯男にも立ち向かっていけるし、幼い頃のようにエリーゼを守るために彼女の手を奔ることが出来る

    まあ、結局はクーファが全て片付けるのだけど
    その辺りは仕方ないけれど、ちょっと勿体ない気がしてしまう

    それにしてもこのクーファという主人公はなかなかの曲者だね
    17歳という若さで暗殺業に身をやつしているというだけでも驚きのプロフィールなのに、戦闘能力は高く教師役としても従者としても申し分のない働きをしている
    それでいてラストには更に驚きの正体が明かされるのだから要素盛りだくさんと言った所
    その反面、女生徒に囲まれるとおどおどしてししまったりとか、焦った場面では年相応のモノローグを見せていたりもするのは有る種のギャップか

    そういった面にはちょっと微笑ましい目を向けたくなるのだけど、それらの年相応の部分は教え子であるメリダには一切見せない。だからメリダは到底手が届かない憧れの存在としてクーファに焦がれることが出来る

    教師と生徒、暗殺者と暗殺対象。表と裏の関係性に拠って織り成される運命共同体的在り方
    メリダは最終的にクーファを殺せるような強者と成ってしまうのか、他の関係性を見いだせるのか。気になる所だね

  • ライトノベル

  • おもしろい世界観やった。
    もうちょっと訓練シーンがあればアツい感じになったかもな。

  • 主人公最強と暗殺者という自分のストライクゾーンをばっちり捉えた作品。ヒロインの性格も良い。

  • 2016/06/01

  • なかなか面白かった。主人公最強設定で教師ものは、ネタとしてはよくあるタイプだけれど、主人公を表に出す頻度が絶妙で、底まで嫌味っぽくなく、素直に生徒の成長に注目しながら読み進められる。情景描写もデビュー作とは思えないほどこなれていてよかった。でもあのイラストの服装センスはもうちょっとなんとかならなかったのか。

  • メリダがなんの障害もなくクーファルートにのるだけじゃなくて、クーファもがっつりメリダに魅了されていた。鬼畜イケメンがハマっていく泥沼が意外な方向。そんな中でも奇跡なんて頼りにならないという状況はシビアで良かったけど、どうにも最終的には奇跡が起こってしまいそうな、変な意味でのハラハラ感をは新しい。

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著者プロフィール

「暗殺教師に純潔を-アサシンズプライド-」で第28回ファンタジア大賞<大賞>を受賞し、デビュー。

「2021年 『アサシンズプライド13 暗殺教師と廻天導地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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