蜘蛛ですが、なにか? (2) (カドカワBOOKS)

著者 :
制作 : 輝竜 司 
  • KADOKAWA/富士見書房
3.96
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本棚登録 : 58
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040708492

作品紹介・あらすじ

韋駄天の俊足と蜘蛛糸の罠を駆使して魔物を倒せるようになった「私」。調子に乗って、脱ダンジョン!と新たなエリアへ飛び出したはいいけど……そこは蜘蛛糸の天敵、炎に覆われ火竜が闊歩するマグマの土地だった!

感想・レビュー・書評

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  • 異世界に「蜘蛛」として転生しちまった鋼メンタル女子高生によるダンジョン探索紀行の第2弾ですが、なにか?

    死にもの狂いのサバイバルを通して徐々に成長・進化し、ようやく物語が安定してきたかなーと思いきや。今回の舞台は蜘蛛の苦手な火属性のフィールドで。常に敵が自分の弱点属性を突いてくるという縛りプレイになっています。おお、マゾいマゾい。

    それでもめげずに必死こいて戦う蜘蛛子ちゃんが健気に素敵。昨今の少年漫画やラノベではあまり見られなくなった「修行」パートって感じがして、読んでいて楽しかったです。

  • 「未知」の前では誰もが不自由、だからこそ選択が映えるのだろうけど。

    上から下へ行ったり来たりの一巻と打って変わり、主人公は溶岩地帯である迷宮中層での戦いに明け暮れる第二巻です。
    二巻分の話(主人公視点)は漫画版の四~五巻までで大体網羅できますので、そちらも併せてどうぞ。

    この巻は出来ることが一挙に増え、ステータスも向上しつつある、戦いという意味では試行錯誤が一番楽しくなってくる巻です。
    大罪スキル「傲慢」の取得によってブーストがかかったこともあり、さらに目に見えるようになった成長の喜びが身に染みます。

    魔法や邪眼の解禁によって中長距離戦への対応が可能になり、ハイリスクハイリターンの「腐蝕攻撃」や優秀過ぎるサポートスキル「探知」「忍耐」など、その向上は目覚ましいものがあります。

    そして、話し相手が無機質なシステムメッセージしかいない時代との脱却。
    あれはあれでノリツッコミが楽しくて嫌いではないのですが、なんと! 今後キーとなるスキル「並列意思」との間で一人漫才をすることが可能になりました!

    しかし、一番大きなポイントは敵を選べるようになったということではないでしょうか?
    索敵によって強敵もしくは美味しい敵の早期発見が可能になり、順を追って敵の強さが上がっていくことに説得力が生まれています。

    本当に何が出てくるかわからなかった魔窟状態に比べると、読者としても主人公としても次は何が出てくるか予想が付きやすくなったのは相当の安心感かもしれませんね。
    それでいて、突然のインシデント、強敵との遭遇から苦戦しての撃破というのはエンタメの基本なのかも。

    私、打てるだけの手を打って順当に準備をしてきた人が勝つってパターンが大好きなのですよ。

    一方、狭い迷宮からいきなり世界観が見え隠れしはじめます。システムの陰に隠れた「管理者」そして「D」の存在が早くも示唆されます。
    現時点では全体像が全く見えないと思いますが、そういった意味では暗中模索、明るい舞台と主人公の性格とは裏腹に、結構怖い頃合いなのかもしれませんね。

    そんな世界観を補完するという意味では「S」編はメインメンバーが学園に入学するなど、あくまで平和に推移しているように見えます。

    けれど、こちらで語られる世界情勢も不穏な方へ――。
    かつてのクラスメートや先生の変容など、どこか先行きの暗さと思わせるものになっています。
    本編の答え合わせに留まらず、リンクが徐々に結ばれてきていますよ。さて「魔王」は誰なのでしょうか?

    「勇者」は身内にいて知っているだけに、これも怖い。

    ちなみに、少し先のネタばらしをしてしまうと「S」編の主人公であるシュンは入ってくる情報が制限される立場にあり、本人の性格が穏健で善良であることは疑いようがないのですが、色んな意味で視野は狭いのです。

    今後の彼は選べる立場におらず、器量も追いつかないのに関わらず、苦渋の決断を強いられる羽目に陥ります。
    その辺が、最善を目指すしか選択の余地がなかった主人公との対比になっていて面白いなと。
    「選ばせる者」と「選ばされた者」、もしくはその逆。
    たった今考えたフレーズですけど、わりと上手くハマっていると思います。

    さて。Web版と比較すると(ほぼ)新キャラとして追加された漆原さん(フェイルーン)が光ります。
    「S」編はしがらみに絡め取られている人が多い中で、彼女、人外に転生した仲間ということで行動はともかく結構自由に考えています。

    あと全体を俯瞰して、冷静にツッコミも入れることが出来ますし。基本、真面目な中で和ませ役になりつつ、価値観が微妙にズレているので、シビアな役もこなせる器用さがあります。
    新キャラというメタな都合は置いといても、人間社会に人外に転生した仲間ってことで主人公サイドに感情移入している読者との橋渡し役は彼女なんじゃないかな? と思うのです。
    個人的に結構好きなキャラということもありますが。

    そんなわけで、主人公に話を戻しますと、先に述べた通り、戦略の幅が広がりました、
    同時にそれは一匹の蜘蛛であるからこそ取れる戦略との別れが近づいていることを意味しています。

    もちろん、「糸」というこれまでの彼女を支えてきた武器から早々にさよならするという意味ではありません。
    彼女が最終的にどこに辿り着くのか気になりませんか?
    なぜならば、見えた時点で「未知」は「道」に変わっていくのですから。

  • 蜘蛛モンスターに転生しちゃった主人公が頑張るシリーズ第二弾
    この巻から多分次巻半ばくらいまではwebコミックで読んでるあたり
    幕間に語られてきた人間サイドが結構なことになってきてこちらも気になるところ
    転生した時期自体がずれているのか、それともこの魔王とやらがやはり蜘蛛子なのか、このあたりがかかわる展開が楽しみです

  • 2巻にて、主人公が蜘蛛として地の底を這いずりまわる本編と、リア充たちが人間の生を謳歌する人界編との対立構造が明らかになった感じ。2編の間には大幅な時間のズレもありそうで、伏線の回収がどうなっていくか、ここからどうつながっていくのか楽しみ。

  • 蜘蛛の魔物である『私』がギリギリの戦いを勝ち抜いてスキルを得、進化し、世界の謎に気づく、読み応えあり。
    頻繁に挿入される転生組や勇者の様子、魔王軍の様子、ネットでこの先を読んでると分かる構成力の高さには感心します。
    『私』の正体も、時世も、推理小説みたいに分かった人はすごいし、分からなくとも楽しめるストーリーに仕上げる作者には実力を感じます。

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著者プロフィール

小説投稿サイト「小説家になろう」に2015年5月より『蜘蛛ですが、なにか?』を投稿開始。初投稿作品だったが一躍人気作になり、本作で書籍化デビュー。

「2018年 『蜘蛛ですが、なにか? 9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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