アサシンズプライド (3) 暗殺教師と運命法廷 (ファンタジア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/富士見書房
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本棚登録 : 99
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040709727

作品紹介・あらすじ

革新派――国家転覆を図る一派が目をつけたのは、無能才女の存在だった。そんな中、メリダの実父を名乗る人物が学園に乱入。クーファはメリダにまつわる疑惑を払拭するため彼女にある試験を受けさせることに……。

感想・レビュー・書評

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  • 限界バトルに次ぐ限界バトルの第3巻
    黒幕と呼べそうな人物の登場に拠って益々物語に深みが出てきたような印象を覚えますよ

    ルナ・リュミエール選抜戦を潜り抜けたことで挑戦することに成った『ビブリアゴート司書官認定試験』
    本来なら2年生から受ける試験であり、1年生ながらに受験することになったメリダとエリーゼはあくまでお試し…
    なんて前フリをされたら騒動が待っていると想像するのは必然というもの。けれど、この巻で描かれる騒動は想像以上のものばかりでしたね
    オペラシオンの暗躍に拠って始まる糾弾の裁判へ至る罠。無力な生徒ばかりとなった学院を襲う黎明戯兵団。そしてメリダの父を名乗る男との対決
    どれも手に汗握り、メリダやクーファの激闘に目を離せなくなるような凄まじいものばかり
    メリダの学院1年目を締めくくるに相応しい内容だったんじゃなかろうか


    司書官認定試験では第2巻で登場したサラシャとミュールが再登場
    年若い少女4人が協力して試験に挑む描写にはほんわかした気持ちになってしまう。だからこそ、ミュールの裏切りから始まる一連の展開はインパクトが強い
    事前の偽父登場も併せれば、それらは年端も行かぬメリダを追い詰めていく必殺の罠。メリダの生まれを責める声に押され心折れてもおかしくない流れ
    けれど、ここで顔を伏せずに自身を否定する人々や環境に大声で吠えるメリダはやはり格好良い
    第1巻序盤の頃から彼女の決して諦めない力は他の追随を決して許さない代物だったわけだけど、今ではクーファによって鍛えられた実力も相まって彼女を捻じ伏せられる者など居ないのではないかと思える程に力強い存在へと成長しているように思える
    いや、本当にあの救援なんて望めないような裁判の場で「負けるもんかぁ!」と吠えたメリダからは主人公に相応しい貫禄を感じさせましたよ

    けれど、最後を締めるのはやっぱりクーファなわけで
    これはメリダの実力がまだ足りないからというわけではなくて、どうしたってメリダには手が届かない領域がある。例えば、実父との確執とか
    メリダがサムライクラスでありながら、司書官認定試験で目覚ましい成績を残したと知ってもすぐにはフェルグス公はメリダを褒めるのは難しい。だから家庭教師であるクーファが仲立ちとなってフェルグス公がメリダを認められるようになる工程が必要となる
    曾祖母にサムライクラスの縁者が居たかもなんて苦しい弁明。けれど、素直になれないフェルグス公にとっては最大限の譲歩
    ようやく得た成果と期せずして手にしていた褒美。無能才女と呼ばれたメリダにとって、学院1年目に手にしたこれらはきっと素晴らしい成績と言えるのだろうね


    それにしても3巻目にして学院の1年目は終了ですか
    かなりハイペースで進んでいるように思うのだけど、本作はどういった地点を着地点に考えているのだろうね?
    世界にメリダ・アンジェルを認めさせる瞬間か、それともクーファにメリダを一人前のレディとして認めさせる瞬間なのだろうか?

  • 立て続けに起こるピンチ。戦闘シーンも多くかなり盛り上がり面白かった。

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著者プロフィール

「暗殺教師に純潔を-アサシンズプライド-」で第28回ファンタジア大賞<大賞>を受賞し、デビュー。

「2021年 『アサシンズプライド13 暗殺教師と廻天導地』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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