蜘蛛ですが、なにか? 4 (カドカワBOOKS)

著者 :
制作 : 輝竜 司 
  • KADOKAWA
3.83
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本棚登録 : 53
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040720623

作品紹介・あらすじ

遂に魔物だらけの危険なエルロー大迷宮を脱出し、人間のいる世界へ! けれど地上で待ち受けていたのは、龍すら凌駕する蜘蛛種の女王、「私」の生みの母で……。マザーとの苛烈なる死闘を書き下ろした第四章開演!

感想・レビュー・書評

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  • 思惑の意図が交差する、彼女たちの巣の上に言葉は乗らない。

    誇りとは何か? その問いと答えを教えてくれた地龍アラバに続き、はじまりの相手マザーと戦い、決着となる第四巻です。
    魂は自前と言えども現世であまりにも脆弱な肉体を提供してくれやがった、あまりにも強大な母。
    真の意味で自由になるためにも、主人公は彼女の支配を断ち切ろうと裏技を用いて攻めつつ、逃げ回ります。え?

    つまり、正攻法では絶対に勝てない敵相手には毒(比喩)を盛ってから逃げ回れということで、戦法自体は一巻からの延長線にあったりします。
    勝負が成り立つまでステータスを伸ばそうにも、敵はこっちの成長を悠長に待ってくれやしませんし。脅威が育つ前に全力で叩き潰しに来るに決まっています。

    手駒を用いて包囲網を張りつつ自身も大怪獣もかくやな地形を激変させる大追撃に出るマザー、この辺映画か!? うわああああああ、って初見でなりましたもの。
    そして、御大将自らにもご出陣願うということで、満を持して蜘蛛の頂点にして最強の個たる「魔王」本編出演です。
    加えて、今後まさかのレギュラー格に昇格する人形蜘蛛の大動員、彼女たちも小回りの利く動きで主人公を攻め立てます。

    これら三種の、性質が異なる敵が同時並行で襲い掛かってくる最大の危機にあって、主人公は敵を分断しつつの各個撃破を狙います。
    逆説的ですが、ここまで真っ向勝負を強いられてきた主人公も、逆境を強いられる中であっても危ない橋を避けて立ち回ることができるようになったということになります。
    地力をつけるというのは何もステータスだけではなく、機知にもあてはまるということです。

    スキルとはつまり「何が出来るか?」という能力の可視化に他なりません。
    けれど、出来ることは字面だけとは限らないのですよ。
    ここまではスキルの組み合わせで勝ってきた主人公はスキルの文面に留まらず、そこから読み取れない柔軟な発想からえげつないハメ技をいくつも開発します。

    神の目からすれば、ゲームの駒に過ぎないキャラクターがプレイヤーとして動き出したわけでそりゃあ嬉しいでしょうね。主人公は気づきましたが、この「人生」ならぬ「蜘蛛生」、強くならないと詰むのはもちろん、その先を目指さないともいけないんです。

    さて、S編も情報を握る先生がすべてではないですが語ってくれたことで、いよいよ情報が出揃ってきました。
    何者かの思惑は未だにヴェールを被ったかのように隠れていますが、本編とのリンクもとうとう明らかにされました。巻末では年表も公開されました。ソフィアをはじめキャラデザが一気に公開され、人間成分がようやく補給されました。

    読者の多くはここに来て、見えているのに見えていないネタバレを踏まされていた気分を味わっているのではないでしょうか? しかも、年表は起きたことの羅列に過ぎないわけです。
    予想を組み立ててきた読者の方々はパズルのピースがハマる快感を感じつつも、これからも予想外の展開にハメられる驚愕を楽しんでいただけるかなと思ったり、そうでなかったり。

    とはいえ、そろそろ主人公が誰か? 何を目指しているのかの輪郭が見えてきた頃合いですが、一応の解答は次なる五巻をお待ちください。そこも物語の転回点でありますので。
    時に、そろそろ主人公も安心モードに入って、生来のお気楽な性格が表に出だし、逆の意味でハラハラし出した読者の皆さま。
    ご安心ください、心配しなくても主人公を輝かせる晴れ舞台=逆境は向こうから勝手にやってきます。成長の喜びはまだまだ残されています。

    一体何度、絶望を見ましたか?
    ここ書籍において「マザー」は間違いなく成長の糧であると同時に「殺すべき親」であり、「言葉なき師」でありました。主人公が瀬戸際において何を学び取ったかについて、ここで語るは無粋でしょう。
    無言を貫くという意味では似た者母娘でしたが、今度こそ世界に飛び出す主人公は無口ではいられません。心は雄弁というのは置いといて、その口で何を語るのかは今も気になって仕方がありません。
    けれど同時に、戦場において言葉というものは不要なのかもしれない。それでこそ伝わるものもあるのかもしれないと、そんなことを思ったりもしたのです。

  • 前回でも言ってたけども、今回ではっきりと年表まで出て時系列がはっきりしたわー

    それはともかく本編
    パペットタラテクト怖ぇぇ・・・
    普通にゲームで遭遇したとしてもビビりそう

    前回地龍に挑むときも「並列意思マザーに行っちゃてるのに挑むのかー」と思ってたけど今回それを越した無謀な挑み方ですごい違和感を感じた
    でもまぁその並列意思がいないからこそ油断した考えのままいっちゃったのかな
    物語的には盛り上がったけども!

    そして助けたりやっちゃったりと蜘蛛子的道徳はなんなのか
    やはり向こうの出方次第か
    前回はマイホーム燃やされてたしなぁ
    蜘蛛子視点で展開するいつものも好きですが、人間視点で見た蜘蛛子も新鮮で良かった
    気になる終わり方で次巻が楽しみ

  • 事情を少しずつ明らかにする演出も巧いけれど、話の筋自体が細かに作り込まれているのを端々から感じる。登場人物それぞれの発言に、さり気なく齟齬が発生している部分も、これから回収されるだろうと思うと読んでいて面白い。
    主人公が異世界の言語を未だに理解できていないというのもなかなかリアルで、地味ながら読ませるところだと思う。

  • なんか色々違う気がする、と思ったら九割がた書き下ろしだとか。いいと思います!

  • 異世界に蜘蛛として転生しちまった廃神メンタルのJKが、とうとう母殺しに挑むことになる第4巻ですが、なにか?

    さらには母=クイーンタラテクトより強い「魔王」なる存在も敵として登場したりして。蜘蛛子も随分と強くなったと思ったら、上には上がいると思い知らせてくれますね。とまれ、そういう力押しでは倒せない「スペックとして格上」の相手に対し、罠や毒や呪いなどを駆使してどうにかこうにか闘う蜘蛛子のスタンスが素敵です。頭脳チートとでも呼ぶべきか。

    ラストの展開も衝撃的でしたね。WEB版で補完できなくなってきたので、続きがとても気になります。

  • 表紙は主人公の蜘蛛と転生吸血鬼ソフィア。
    相変わらず面白いし主人公が蜘蛛なのにコミカライズ、凄いです。
    蜘蛛的にはマザーのクイーンタラテクトとの対決巻だが、マザーより強い存在に目をつけられて危機に…。
    そして、転生したクラスメートの勇者一行は危険なエルロー迷宮からエルフの里へ…。

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著者プロフィール

小説投稿サイト「小説家になろう」に2015年5月より『蜘蛛ですが、なにか?』を投稿開始。初投稿作品だったが一躍人気作になり、本作で書籍化デビュー。

「2018年 『蜘蛛ですが、なにか? 9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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