- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040721576
作品紹介・あらすじ
日本は自己増殖する<横浜駅>に支配されていた。脳に埋め込んだSuikaで管理されるエキナカ社会。その外で廃棄物を頼りに暮らすヒロトは、エキナカを追放されたある男から人類の未来を担う“使命”を課され……
感想・レビュー・書評
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確かに神奈川県特に横浜市では、崎陽軒は増殖している。
今日は買わないって思っていても帰路の其処彼処で小さいテナントで網を張っている。
根負けして購入してしまう。
そしてどこのテナントも売れている。
横浜駅中央通路のテナントは、それほど大きくないのに店員さんがみっちり。
近くの商店街にできた中規模のテナントでは、シューマイグッズも揃えている。
シューマイ弁当 クッション
シューマイ弁当 ハンドタオル
シューマイ弁当 ポーチ
と こちらも増殖中。
3月15日は、ラヴクラフトの邪神忌だった。クトゥルフ神話の短編集を借りていたのだが、やっぱり相性が悪く、読めない。みーんな同じ話に思えてしまうのだ。
過去へのSFを諦め、横浜駅SF。
JR統合地整体により増殖を続ける横浜駅。
そこに横浜駅の増殖を阻止しようとする人間。
本州を覆う横浜駅になったら、便利かなと思っていたけど、方向性が違った。もしかしたら、歩く歩道でかなりどこでも行けるのかしらという甘い未来ではなかった。
優秀なSFはいろんな方向に増殖していく。星新一しかり、小松左京しかり、クトゥルフしかり。
この作品もコミック化が進行中。この世界観を絵で見れるのは興味あり。 -
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2023/11/03
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2023/11/03
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ということで一Qさんドハマリの柞刈湯葉さんを初読
まずは、デビュー作『崎陽軒SF』です
シュウマイ弁当販売を繰り返す〈崎陽軒の売店〉が、ついに自己増殖を開始。
それから数百年ーーー横浜駅の99%が崎陽軒化した。
〜巻末のあらすじより抜粋〜
まぁ、あくまでこれはSFですのでね
特に関東圏でお住まいでない方が誤解するといけませんので補足すると
実際には崎陽軒の売り場面積は横浜駅全体の20%、横浜市全体の3%にすぎません
まぁ、よく言う「聞くと見るとは大友康平」ってやつですね
それにしても柞刈湯葉さん
ものすごい妄想力です
みなさんも経験ありませんかね〜
小さい頃のひとり遊びで目の前にあるこれは実は超巨大ロボットに変形してとか、目の前のこの人は実はスパイでみたいに妄想して楽しんだこと
そして妄想が妄想を呼び次々といろんな設定がくっついて妄想世界が際限なく広がって気が付いたら電車に自分しか乗ってなかった!みたいなこと
(幸いにも自分の産まれた町は終点でしたw)
この『崎陽軒SF』はそれのものすごいバージョンだと思うんです
そして柞刈湯葉さんはそれを極めたすごい人なんじゃないかなと思うんですね
他の作品も読んでみたいと思いましたよ
そして最後まで『崎陽軒SF』で通したわしもすごい(なわけあるか!)-
2023/04/25
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あ、なんかその頃はパチプロの友人宅に半居候状態で飲んだくれるかパチンコ屋で生ける屍と化してるか、徹マンか徹ドラクエの日々だったのでまとにお給...あ、なんかその頃はパチプロの友人宅に半居候状態で飲んだくれるかパチンコ屋で生ける屍と化してるか、徹マンか徹ドラクエの日々だったのでまとにお給料というものを貰ってなかったかもしれんw
だからバブル未経験なのかも2023/04/25 -
2023/04/25
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最近、お気に入り作家の柞刈湯葉さんです!
『まず牛を球とします。』『未来職安』と読んで湯葉さんの発想力が凄すぎる!
デビュー作である本作の発想もまた凄い!
横浜駅は大正四年に誕生してから百年以上に渡り一度たりとも工事が終わったことが無い(あとがきより)
そんな改築工事を繰り返す『横浜駅』がついに自己増殖を開始!
自己増殖!?
どーいうこと(・・?
勝手に成長していくんです!
(エレベータも自販機も勝手にあっちこちに生えてくるんですよw)
自己増殖を開始してから数百年・・・、JR北日本・JR福岡の2社が独自技術で防衛戦を続けるが、本州の99%が横浜駅化した!
ここで本作の横浜駅情報のプチ紹介
・5772156番通路がある
・頭上の案内板には横須賀まで12000m(150分)の案内
・横浜駅の主要な観光地は、富士山のほかに、岩手の巨大堤防、三重の伊勢神宮、古代都市名古屋の遺跡などがある
・42番出口は構造遺伝界を持つ壁で覆われて出入り口がないから、絶対にたどり着けない
(構造遺伝界って何?絶対にたどり着けないって…)
そして、この42番出口が本作の重要ポイントに!
横浜駅の外側で暮らすヒロトの人類の未来を懸けた、横浜駅構内5日間400キロの旅がはじまる!
さぁ、みなさんも柞刈湯葉さんの世界に飛び込んでみよう!ε≡≡ヘ( ´Д`)ノゴー-
ほん3さん、待ってますよー!
しかし、柞刈さんにドはまりしてしまいました!w
うちの図書館にある柞刈さんの小説は三作品だけなのでもうないです...ほん3さん、待ってますよー!
しかし、柞刈さんにドはまりしてしまいました!w
うちの図書館にある柞刈さんの小説は三作品だけなのでもうないです…
残念_| ̄|○
あと、旅行エッセイ本が置いてあったのでまた読んでみたいと思います^_^2023/03/12 -
土瓶師匠、何番通路の何番出口に行ってしまったんですか?w
横浜駅は北は青森、南(西かな?)は山口までありますよw土瓶師匠、何番通路の何番出口に行ってしまったんですか?w
横浜駅は北は青森、南(西かな?)は山口までありますよw2023/03/12 -
カメラ屋(ヨドバシかな?)の近くの出口を目指してたのに、なぜかぐるぐるまわって、やたらと崎陽軒のシュウマイ弁当売ってるとこにばっかり出てたな...カメラ屋(ヨドバシかな?)の近くの出口を目指してたのに、なぜかぐるぐるまわって、やたらと崎陽軒のシュウマイ弁当売ってるとこにばっかり出てたな(笑)
なので(?)師匠ではないっす~|ω・)ココハドコ?2023/03/12
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面白かった。作者のペンネームが良いですね。二葉亭四迷的な駄洒落名は好物です、ただ、ちょいチョイスがダークにアイロニックな印象はある。先日、某買い物サイトにて、本作が”あなたにおすすめ”と出てきたので、ちょっと気になり始め、その後、古書屋で超激安叩き売りだったので、回収してきた。
これは、ラノベというよりは、普通のSF。普通のSFと言うと、おもろない感じだが、そうではなくて、ハXカワとかで出版されているような、一般向けというか、妙に目の大きい女性イラストなしのブツ。病院とかの待合室で堂々とカバーつけずに読んでて大丈夫なやつ(笑)。細かい設定が非常時刺さってくる感じがたまらない。イラストも素晴らしい。
化学兵器により、擬似生命体的な増えるトランスフォーマーズみたいになった横浜駅が増殖して、日本列島を覆っていく世界で、JR北海道とJR福岡がかろうじてもちこたえているという状態。アポカリプティックというか、終末ものにカテゴライズされる系統だと思う。そこに、さしてそこらへんのややこしい情勢には関与していない、ヒロト君が「ぽちっとな」という感じで、終止符を打つ。
まあ、一番怖いのは人間じゃわ。
この作家の本、ほかのも読みたいと思う。 -
AIの暴走する未来の世界を描いたSF、といえばよくある設定なのだが、なんと暴走しているのは横浜駅。自己増殖する横浜駅が本州のほとんどを覆い尽くし、青函トンネルと関門海峡ではそれぞれJR北日本とJR福岡が徹底抗戦中(四国は陥落)(JRはJapan Rulersの略)。翔んで埼玉…ほどのご当地ネタはないまでも、身近な、あまりにも身近な題材で形作られるとんでもSFはパワーワードの嵐。
・スイカ=人体埋め込み式のID認証チップ。横浜駅(エキナカ)に住む六歳以上の人間はこれが無いと自動改札によって強制退出させられる。名称は「誰何」に由来する。
・直交座標偽装システム Imitation of Coordinate in Cartesian space: ICoCa=エキナカの人間は常にスイカによって位置情報を発信させられているが、「キセル同盟」のリーダーはそれを偽装することのできるシステムを作った。
・海底古代都市名古屋=横浜駅主要観光地のひとつ。西暦末期に起こった「冬戦争」で重力攻撃を受けた名古屋は海底に沈んだ。皮肉なことにそのおかげで、横浜駅時代になった今でもかつての姿を留めている。横浜駅は海水で隔てられた地には進出できないためである。
…などなど。駅構内で聞き覚えのあるアナウンスも効果的に差し挟まれ、笑ってしまう。海外作品や古典作品もいいけど、これぞ同時代の同じ国の小説を読む楽しみだ。
二〇一六年第一回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞受賞作で、加筆修正して書籍化されたとのことだが、その後半は続編に収められているらしい。遠からず読もう。 -
>横浜駅が増殖をはじめてから200年あまり、もはや自然の山は本州にほとんど残っていない。
横浜駅がいつも工事中なのをネタにして面白SF設定を作ったら面白すぎて連続ツイート→カクヨム投稿→大賞受賞から書籍化となった柞刈湯葉デビュー作。当時は大学教員だったとのこと。
ということでカクヨムで一通り読んでいたのだけど縁あって今更書籍を手に取ったらいや、これは本当に面白い。
出オチと言われればまあそうなんですけど、横浜駅が本州を覆いつくしたら社会は、人間の生活はどうなるのかというのを微に入り細を穿って書いていて、ハードSFかくあるべしという一冊に仕上がっています。
山は全面エスカレータに覆われていて、
谷は横浜駅が「流れ込んで」積層都市になっている。
北海道と九州は、JR各社による横浜駅のお仕返しに成功して津軽海峡と関門海峡で対横浜駅戦線を長いこと維持していて、四国は失敗して無政府状態に陥っている。
本州の住人は脳内にsuicaを埋め込まれて管理されているが、横浜駅の各種資源で結構快適に暮らしている。
主人公は鎌倉近くの「横浜駅外」の小さい岬に住んでいて、ある時「18きっぷ」なる機械を手に入れエキナカへ旅立つ、というお話。
主人公は山を登ったり谷を降りたりしてますが、ストーリーの起伏はあんまりない。普通の小説だと思って読むとその辺物足りないかもしれない。
でも世界設定が読みたいハードSFファンにとってはこれがズバリ面白いのです。
こういう舞台ならこうなるよね、そしたらこっちはこうなってるのね、というのが面白いのです。
子どもが6歳になるまでにsuica入手のための50万ミリエンを貯めないと駅外に放り出されてしまうの怖い。
JR統合知性体とか構造遺伝界とかsuica認証とか冬戦争とか、そういう用語センス好きですよ!! -
いやー面白かった。
良く知るSFのようであってそうでない。
何故ならこのSFはScience FictionでもSpeculative Fictionでも、はたまたSukoshi Fushigiの略でもなくStation Fableの略だからだ。
駅の寓話なのである。
横浜駅Station Fableだから、「横浜駅・駅の寓話」で駅が重なっちゃうけど。
まぁそんなことはどうでもよくて、とても良くできたエンタメ小説として楽しめた。現実のJRに絡めた小ネタもクスリとさせられた。
読後には描かれなかったあれやこれやが気になる。続刊の全国編には描かれているんだろうか。早く読みたい。 -
SFは苦手なのに・・・なぜか借りて読んでみてしまった。
基本地図とか鉄道とか好きだし。
本を手にしてみて驚く、本州中が横浜駅になってることに!
私の頭じゃついて行けないほどの想像を絶する展開。
好きな人は好きなんだろうな~
注意!注意!
注意!注意!