冴えない彼女の育てかた Girls Side3 (ファンタジア文庫)
- KADOKAWA (2017年6月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040723389
作品紹介・あらすじ
フラットで感情表現が適当。そう言われていた少女はもういない。ここにいるのはメインヒロインの座を決して譲らない冴えない彼女――加藤恵。倫也のあの決断の裏側を描く、少女たちだけのギャルゲー制作。
感想・レビュー・書評
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13巻に記載。
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FDの頃はまだ番外編といった空気が有ったけど、本当にGSは本編の裏話どころか本編を理解する上で必須の話となっているのを改めて感じさせた
ということで今回は12巻のサイドストーリー。本編を読んだ時にはどうしても「倫也が自分のサークルを顧みず暴走している」という印象がどうにも強かったんだけど、第十二・六・五話における詩羽の分析を読んだ時に色々倫也の行動が腑に落ちてしまった。そっか、以前サークルが崩壊しかけた時とは体制が大きく異なるもんなぁ。そして以前よりも絆を強くした加藤がサークルに居てくれる状況で且つそこまで締め切りギリギリでもないとなれば、あの暴走もそれなりに理解できるかも
次の13巻で完結してしまうということも有ってか、選ばれなかったヒロインたちへのフォローも感じさせるような内容になっていたのは良かった。普通のラノベなら主人公がメインヒロイン以外を選ばないことに何らかのフォローを行う描写も有ったりするんだけど、甲斐性なしの倫也じゃそれを期待できない。
そのためかヒロイン同士でフォローさせ合うのは本作ならではの描写。特にサークル脱退以降に絆を深めた英梨々と詩羽の話はとても良かったなぁ。思わず12巻を読み返してしまうほどだった
英梨々と詩羽は第一巻から登場してきたヒロインで彼女達がメインとなる話もとても多く描かれてきた。そんな二人の恋愛面での決着が描かれた今回のGSは何年にも渡って本作に付き合ってきた私として心に響き渡る内容に感じられた
そして今回のメインとも言える第十二・七・五話。普段はそのフラットなスタンスが加藤恵の真髄とされ、他方では腹黒キャラとしてもキャラとしても確立してきた。そんな彼女の内面が描かれた話はこれまで殆どなかったから、描かれないまま完結してしまうのかと思いきや……
第12巻で示された倫也のメールが、自分たちの関係に対する感情の総決算であったなら、今回語られた加藤の内面は関係性どころかシリーズ総決算とも呼べるんじゃないだろうか。正直、加藤への尋問や独白が続くあの辺りの描写を読みながら何度も過去の巻を開いてしまった。この巻の内容を踏まえた上でシリーズを最初から読み直したら加藤への印象がだいぶ変わりそうだ -
最高の女子会。泣いても笑っても、次が最後ですよ。震えて待つ。