契約結婚ってありですか 利害一致から始まる恋? (富士見L文庫)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040726731

作品紹介・あらすじ

親の見合い攻撃から逃れるため結婚相談所を訪れた咲は、目の前の相談員に訴えた。年収も容姿も問わない。今すぐ結婚してくれる人で!「では、私はいかがでしょうか」って!? いきなり始まった結婚生活だけど――?

感想・レビュー・書評

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  • 親の勧める見合いから逃れるため結婚相談所に駆け込んだ美容師の咲は、目の前の相談員に訴える。
    「美容師の仕事に理解があれば年齢も容姿も問わない。書類上だけでいいからすぐ結婚してくれる人を紹介してほしい」
    「では、私ではどうでしょう」
    こうして、利害一致の契約結婚生活がスタートする。


    結婚相談所の相談員と契約結婚することになった美容師の女性の話。
    頑張り屋でおおらかだけどズボラな咲と真面目で几帳面だけどある種口下手で毒舌な玲司は、お互いのことをほとんど何も知らずに結婚し、同棲することになります。性格も正反対で生活リズムも合いませんが、喧嘩をしても納得するまで話し合いを繰りかえし、やがてそれぞれの家庭の事情も知る事になり、惹かれあっていく。

    恋愛から遠ざかっていた不器用な二人が理解しあうようになる過程は可愛らしかったです。オチも予想通りの感じではありますが、きれいに纏まっていてほんのり心温まるいい話。主人公たちの周辺も生き方として不器用だけど悪い人がいないのも良いです。

    ちなみに舞台は東京の吉祥寺・阿佐谷あたり。
    実際の店名や名物が出てきたり、咲の勤める美容院もだいたいこの辺りというのが土地勘のある人ならわかるくらいに書かれているので、巡ってみるのも楽しいかも。

    また、作者さんはゲームシナリオライターもやっているそうで、調べてみたらいくつかやったことのあるゲームがありました。いわゆる女性向けゲームではありますが、そちらもおもしろかったのでお勧め。

    ***
    お見合いと結婚相談所の職員のお話なら、こちらもおすすめ!
    『猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち』大山淳子/ 講談社文庫

  • 帰りたくない地元に戻ってこい・見合いしろという両親を振り切るために、書類上だけでもいいからと結婚相手を探すべく結婚相談所へ駆け込む美容師の咲。目の前の相談員玲司が、正論な毒舌を一通り飛ばした後に放つ「私と結婚するーーというのはいかがでしょうか?」の一言と、そこから結婚までの鮮やかすぎるスムーズな流れが楽しい。契約結婚モノではお約束のような設定や展開だけど、咲に対する玲司のツッコミ・玲司に対する咲のツッコミが清々しいほどで爽快感さえあったり、愛情が全くないところから、一緒に暮らすうちに少しずつお互いのことが分かっていって惹かれていく少しずつの過程があたたかかくて微笑ましかったりする。

  • これは、続編を想定していなかったのかな?1冊でとてもまとまっている。主人公咲がなかなかいいやつ。そして玲司のピントのズレたかんじもいい。

  • 親の見合い斡旋から逃れるために結婚相談所に言ったら、相談員と契約結婚する事になったお話

    主人公の西依咲は美容師で、両親からは仕事を辞めて地元に帰ってくるように言われ、お見合いをさせられそうになる
    そんなわけで、自分を束縛しない人なら誰でもいいので結婚相談所に飛び込んだが、該当する人はなし
    そこで、結婚相談員の成嶋玲司は上司から自分も結婚するように言われていたため、「私ではいかがでしょう」と提案をし、トントン拍子に契約結婚が成立してしまう
    お互いに利害が一致しているが性格は……

    まぁ、現実にはないわなぁ
    そもそも、結婚相談所に行くのに、ジーンズにTシャツで楳図かずおの「おろち」のプリントがされているって
    そりゃぁ玲司さんじゃなくてもツッコむよね

    ってか、結婚相談所の仲人Tさんじゃないけど、結婚したいと言いつつ不可思議な行動を取る人って結構多いんだろうな
    「異性の目を意識する」事と「自分を殺して相手に合わせる」のは同じようでちょっと違う
    自分を出した上で異性に対しての気遣いやマナーは両立し得るのではないかと

    咲の同僚の莉子なんかはその罠にハマってる


    そもそも、結婚なんて今や人生の過程の選択肢の一つであって、手段を目的にするようなものじゃないと思うんだけど
    一緒に居たい相手がいて、その人とずっと一緒にいる形式として結婚という制度があるわけで、結婚したいから相手を探すのは本末転倒だと常々思ってる

    玲司の契約結婚したい理由にイマイチ信憑性がなく(玲司の性格とかも考慮した上で)、別に理由がありそうだなぁというのは序盤から感じる

    咲さんの生活もだらしないけど、一人暮らしの女性でもこんな人結構いるのではと思っているので、結構リアルに感じる
    むしろ、玲司のきっちりした生活のほうが違和感があるかもね


    玲司の女性へのダメ出しは適確な分、かなり攻撃力があるのではなかろうか
    言い方を変えればもっと優秀な相談員になれるんだろうにね

    咲さんのお店の店長のキャラクターがオカマキャラなわけだけれども
    まぁ、美容業界には多いみたいだしねぇ
    餃子パーティーのときもそうだけど、玲司さんとは違った視点で適確な指摘というのもそういった立ち位置だからこそかな


    問題はのばら
    うーん、「お兄ちゃんどいて、そいつ殺せない」並に恐怖を感じる
    相当なこじらせっぷりではあるけど、生い立ちや容姿とか、玲司の行動の真意を知ったときにはさもありなんとも思う


    結末としては契約結婚ものの定番ではあるんだけど、そこに至るまでの説得力はそこそこあったかな

    結婚は所詮他人同士がするもので、上手くいくかどうかはしてみないとわからないという典型なお話

  • 敬語でやり取りするような距離感のある関係が良かったです。
    少しずつ互いのことを好きになっていくのに上手く表現できない所が初々しくて可愛い。

  • 契約から始まったけど。なんていうかぴったりとくる二人ですごくよかった。きっとこういうのがびびびコンってやつなんじゃないだろうか?

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