うぐいす浄土逗留記 (富士見L文庫)

  • KADOKAWA (2020年12月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784040739137

作品紹介・あらすじ

 民話や伝承を好む大学生・綿良瀬伊緒は、二十歳の誕生日を境に見知らぬ異郷“うぐいす浄土”へと誘われる。どこか懐かしい、山奥の寒村を思わせるその里で、色白な青年・七郎と出会う伊緒。彼曰く、ここは人ではないものが住まう隠れ里で、元いた場所に帰る方法はわからない――。
 たまらず飛び出す伊緒だったが、危険な妖怪に襲われ、助けるために力を使った七郎が傷ついてしまう。彼もまた人ではない、里を護る白蛇の化身だったのだ。
 救われた恩を返すため、伊緒の昔話のような異郷生活が始まる。

みんなの感想まとめ

異郷の不思議な空間に迷い込んだ主人公の成長と出会いが描かれた物語は、ほのぼのとした雰囲気を持ちながらも、時折緊張感を伴う展開が魅力です。主人公は、異世界で出会った白蛇の化身・七郎と共に、彼の里を守るた...

感想・レビュー・書評

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  • 昔話の民俗学と著者の得意な妖怪ものが上手く混ざって、面白い作品でした。

    何故、主人公は隠里に行かなくてならなかったのか? ということを探していくミステリ風味な所もよかったです。

    このような昔話の民俗学は何冊か、研究書も読んでいるので、次の作品も楽しみです(^^)

  • 主人公が隠れ里に紛れ込んだ必然的な理由が終盤まで見えてこないので、随分とやきもきした。
    一方でヒーローは序盤で彼女を守って片目を失うので、代償が大きい。
    (彼は気にするなと延々繰り返しているけれど、そりゃ気にするよ……)
    主人公もヒーローもお互い人がいいからなあ。

    小さい頃に触れて以来忘れ去っていた昔話が多数登場するので、読んでいて随分懐かしかった。
    『うしかたと山んば』とか、もう本当に懐かしすぎて涙が出た。
    ヒーローの元ネタの話も印象的な話で覚えていたので、まさかこんなところで再会することになるとはと驚きもした。

    隠れ里であやかしも登場し、命が狙われるような場面もあるにはあるが、全体的には主役二人がまったりしていることもあり、優しさ漂う話だったと思う。
    殺伐とした話もあるけれど、危機感をあまり覚えなかったというか。
    主人公の実家での扱いを考えると、ほのぼので済ませていい話でもないのだけれど、やはり主役二人の性格の影響は大きかったように思う。
    お蔭で、ほっこり読めた気がする。

    しかし、この主人公はほんわかしてはいるが、やるときはやる行動派でもあるので、ラストの展開には別の意味で驚かされた。
    続きそうな雰囲気でもあり、このまま「めでたし、めでたし」で終わるハッピーエンドでもいける気がする。
    ラスト後を想像するのは野暮だろうか。
    でも、彼女も折角居場所を手に入れたことだし、新しく与えられた役目を果たすところも見てみたい。
    続編出ないかなあ……

  • よかった。
    話もわかりやすいし。
    まぁ、ドキドキハラハラみたいなのは少ないけど、その分安心して読める。どちらかと言えばほのぼの系?
    最初の主人公はウザめだったけど、いや、途中もなんか融通のきかないウザさがあったけど、尾を引かないからまぁ良かったかな。

  • 「隠れ里の客人」
    見覚えのない場所。
    何も分からない場所で泊まる怖さはあるだろうが、それよりも不審な者たちが活発になるであろう夜に飛び出すのは悪手だろ。

    「見るなの座敷」
    開けてはいけない。
    帰ることが出来ないのならば馴染んでいくしかないが、積極的に探し回ることをしていなければ物語を知っていても無理だろう。

    「山の叫び声」
    迷い込んできた人。
    家族に心配されてるだけでなくニュースにもなっているというのに、戻りたいという意思が日に日に落ち着いてるのは疑問だな。

    「渡り人の夜」
    呪詛に蝕まれた体。
    声を聞かずとも想いが伝わってくるのは、時に便利だろうが余計なことまで知ってしまったら苦しむことになってしまうだろう。

    「人の恩返し」
    隠し事はおしまい。
    どれだけ小さなものだったとしても相手がいる限り、安易に大切な家族の未来を奪うような約束をしてしまうのは危険すぎるな。

  • 伊緒も七郎さんも穏やかで不器用でとてもかわいい。
    語り部が存在することで、この里がまたにぎやかになったりするのかな?
    何にせよ、ハッピーエンドでよかった。知恵をめぐらせていいとこどり、最高です。

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著者プロフィール

小説家。1981年生まれ、滋賀県在住。第14回電撃小説大賞〈大賞〉受賞作『ほうかご百物語』で2008年にデビューし、妖怪や伝承を扱った作品を多く手がける。主な著作に『絶対城先輩の妖怪学講座』『少年泉鏡花の明治奇談録』『小泉八雲先生の「怪談」蒐集記』『ゲゲゲの鬼太郎(TVアニメ第6期ノベライズ)』『最後の陰陽師とその妻』など。滋賀県や石川県の妖怪伝承の収集活動も行っている。

「2025年 『滋賀県妖怪事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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