蜘蛛ですが、なにか? 2巻 限定キャラクターデザイン集同梱パック (カドカワBOOKS)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 4
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040739311

作品紹介・あらすじ

1巻同梱パックに付随する「限定小冊子その1」と、2巻同梱パックに付随する「限定小冊子その2」は別のキャラクターデザインが収録されます。
限定小冊子その2の内容は、フィリメス、ユーゴー、ユーリーン、スーレシア、エルローゲネラッシュ(タツノオトシゴ)、エルローゲネセブン(ナマズ)のデザイン掲載を予定しております。
小冊子の内容は予告なく変更となる場合がございますので、ご了承いただきますようお願いいたします。

感想・レビュー・書評

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  • 読み方を編むという試み。

    海外人気も高い異彩の作品『蜘蛛ですが、なにか?』ですが、今は諸般の事情から長い準備期間を余儀なくされつつもアニメ放映開始まで一週間を切った頃合いですね。本商品は同様のコンセプトで発売された一巻のセットと同じく、新規読者層に向けたスターターキットとばかりにお出しされたおまけつき原作小説となります。

    一巻セットの方で申し上げたことの繰り返しになりますが、本編小説の内容自体は通常版と変わりはありません。
    通常版の方で私個人としての紹介レビューも書かせていただきましたのでご興味とお時間が許せば合わせて読んでいただければ光栄ですが、まぁそれはそれ。

    それでは先に本商品に付属するおまけの16P小冊子「限定キャラクターデザイン集」について触れてみます。
    商品説明にも載っていることですし、内訳を開示するくらいはネタバレの範疇として許されるでしょう。
    ちなみに構成は一巻セットに付属したものと同様になっているので悪しからず。
    やはり原作とアニメのデザインを対比する形、2P×7(人or匹)=14P+2Pで構成されています。

    と、その前に諸注意などについて再度喚起しておきましょう。
    原作側のカラー画、設定画としては同梱されている原作小説ならびに、主としてはこのパックと同時発売の『蜘蛛ですが、なにか? EX』に収録されているものと被ります。

    とはいえ『EX』は新規読者向けの紙面構成ではなく、既読者向けの読本になっているため切り離してお考え下さい。補足するなら『EX』は最低でも九巻まで読んだ方向けの読本です。
    ひるがえってこちらはキャラクターや魔物たちのイメージをアニメに先駆けて要点をいち早く掴む上では申し分ないのでしょう。けれど原作小説におまけがついた程度、その辺に留めていただくのが適切かと存じます。
     
    それでは前置きはこのくらいにして内容について触れていきますね。
    今回のアニメはキャラクターデザイン担当者が人間+主人公を担当しつつ、序盤に主人公が対峙することになる数々のモンスターデザインを三人のデザイナーが分担する形になっているようです。

    この巻では「木村博美」氏&「鈴木正彦」氏が手掛けたものが載っていますが、愛嬌を持たせる狙いがある一方で、片や硬質かつシャープなデザイン、と……多様だったり異質だったするモンスターの生態系を描き出す上で申し分ない試みであると感じました。

    なお、今回収録されたキャラクターは「フィリメス」、「ユーゴ―」、「ユーリーン」、「スーレシア」の四名。作品前半部の半分を占める「S編」側の主人公「シュン」を取り巻く学友たち+妹からなるレギュラー陣がこれで網羅されたことになります。

    あとは一巻セットの際に触れようとして忘れた部分を言っておきます。
    こちら「S編」のレギュラー陣、原作小説版の服装は一張羅だったり戦闘服だったり中、アニメ版は学園の制服で統一されています。あえて飾り気をなくすことで見えてくるものもあるのではないでしょうか。

    原作の「輝竜司」先生画を元にしながらもアニメ向けに線を絞ることで、瞳など、彼ら彼女らそれぞれの特徴が強調され、ぐっと掴みやすくなった既読者も多いかもしれません。
    個人的にはユーリーンの印象が一筋縄ではいかないものに化けましたね。

    モンスター勢については「タツノオトシゴ(エルローゲネラッシュ)」、「ナマズ(エルローゲネセブン)」、「地龍アラバ」を収録です。緊迫の地形下において登場する前者二種に関しては思わず和んでしまうような一面も強調されています。

    そして表紙絵を飾ることも多く、作品のもう一つの顔とも言える「アラバ」に関しては作画媒体が気になるようですが、原作の宝石に彩られた勇壮な龍というべき、細かい線を極力残したデザインを採用したようです。
    いざ縦横無尽と駆け回る姿を目の当たりにできる日が楽しみですね。

    内容としては以上のため、おまけ小冊子目当てとして既に既刊ををお持ちいただいている方向けではないでしょう。あくまでアニメでこれからこのコンテンツに入られる方向けといった体となっています。

    客層が違うというだけなので本編の評価を星五つから揺るがせるつもりはありませんが、コレクターアイテムとしてお考えの方は一応ご留意ください。おまけの分量の小冊子ということをお忘れなく。
    アニメ版の資料にしても本格的なものがリリースされる前の先出し段階と察することができます。

    なお、この同梱パックは二巻までといささか半端な切り方になっています。
    理由については一巻の同梱パックでも仮説の一つを申し上げましたが……。
    付け加えるとするならば主人公が最弱の生まれから知恵と工夫と運を駆使して成長していく当初の基本路線はここまででしっかり提示される点が挙げられるでしょうか。

    また、当初は何の説明もなく読者に向けて投げかけられた主人公視点の「本編」とシュン視点の「S編」が並立している謎、徐々に読者にも悟らせる世界の「謎」。
    この辺で読み進めていくうちに浮上する細かいところの疑問相手には答えをその都度提示しつつ、根幹部分の全貌を見せる気はしない、いい意味で先を読ませる工夫が光るから――などと言ってみます。

    すべてが深読みであり徒労に終わるのでは……? という危惧が働くかもしれませんが、流石に言い切ることまではしません。悩むことも楽しみの一つですから。とりあえず申し上げておくと一巻と二巻はネタバレを抜きにした『蜘蛛ですが、なにか?』の対外向け宣伝には一番合致する章であったりします。

    ここで肩慣らしをしてからどうか自分なりのイメージを見つけに行くのがいいかもしれません。
    明確に公式からアナウンスがされているわけではないのですが、本作はおおよそ三巻区切りで章が切り替わり、章の移行につれてがらりと雰囲気が変わる作品であったりします。二巻まではいわば氷山の一角。

    それでいて淡水から海水に一気に移るというより汽水域を設けて気付いた時には徐々に移り変わっていたと悟らせない感じになっていたりもするのですが、その辺は詳しい説明は避けていきましょうか。というわけで三巻(奇数)区切りで満足するより、ある意味半端ですが二巻(偶数)ごとに読んでいくスタイルは理に適っている。
    もしかしたら、先の先まで読んでもらえるよう公式が読み方を提示した――というのはそれこそ考え過ぎですね。

    なんにしても、読むタイミングは万人それぞれ。
    一応アニメと連携したタイミングの出し直しなのでなんらかの意味はあると思いますが、どうかこの煙に巻くようなレビューのことはさておいて。どうか、悩むことを楽しみながら読み進まれるのがよろしいかと存じます。

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著者プロフィール

小説投稿サイト「小説家になろう」に2015年5月より『蜘蛛ですが、なにか?』を投稿開始。初投稿作品だったが一躍人気作になり、本作で書籍化デビュー。アニメ化も決定しており、WEB版はPV数4億6000万を超えるヒット作となっている。(2019年9月現在)

「2021年 『蜘蛛ですが、なにか? 14 ドラマCD付き特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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