鳴かぬ緋鳥の恋唄 (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 44
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040739915

作品紹介・あらすじ

戦国の世、とある島に一人の少女が流れ着いた。声と記憶を失くした彼女は島の頭領・千早に「ひな」という名を与えられ、しばし島で暮らすことに。ひなは千早にこれ以上迷惑をかけまいと自立しようとするのだが……。

感想・レビュー・書評

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  • ひなと千早が少しづつ心通わせ心開いていく様がよかった。
    島の住民も1人除いてとてもいい人ばかりであたたかい。
    表紙とタイトルからひなは歌う子なんだとばかり思ってたけど唄は出てこなかった。

  • 舞台が自分も馴染み深い海だったことに、嬉しさを覚えつつ。
    村上水軍(村上海賊)でのお話かな。
    しかも良心的な方の。

    声も記憶もなくした状態で、しかも自分が生まれ育った場所ではない所に流れ着いた少女のハードモードさときたら。
    生まれ育った場所も、彼女にとって決して戻れる場所ではなかったのだけれども。
    ただでさえ自分の居場所が定まらないのに、声も記憶もないのは、確かに自身のアイデンティティの崩壊を招きかねない事態だったと思う。

    幸い流れ着いた先がよくて、周りの人たちは面倒見がよく、彼女に優しい人が多かった。
    その点は本当に救われていたと思う。
    島全体が「家族」みたいな雰囲気で、居心地がいい。
    勿論、いい人ばかりではないのだけれど、この島でどう生きていくかをそれなりにゆっくり見定める時間が持てたことは、彼女にとってはよかったのではないだろうか。
    現状に甘んじず、声のないハンディキャップも抱えつつも、必死になって自分にできることを見つけようとする姿が、本当にいい子過ぎて。
    最初料理はからっきしみたいだったけど。
    どんな料理していたんだろう。

    そんな彼女を素直に受け止めきれなかったのが千早。
    彼はこの島全体を背負っている立場ということもあって、彼女がどんなにいい子だろうと、余所者としての警戒が解けない。
    ゆえに常に色眼鏡がかかった状態で彼女を見ている。
    何と難儀な立場で性格だろうと。
    もうとっくに惹かれていただろうに。
    過去に自分が犯した過ちを自身で許すことができず、自分で自分の首を絞めている状態。
    そんな彼を救ってくれたのは、彼女の存在ではなかっただろうか。
    一生懸命、居場所を作ろうと頑張っている、素直な彼女の存在が。
    自分の弱音もちゃんと受け止めてくれる、そんな彼女の存在が。

    色眼鏡がなくなってからの彼は、恋愛初心者かというくらい初々しくて、微笑ましくて。
    彼女のピンチには駆けつけてくれるし(但し、凄まじい状態ではあったが)
    両片思いの状態が、これまたもどかしくも愛おしくてたまらない。

    ただ彼女の血筋がまた色々とややこしく、彼女が抱えている「力」の件も、この話だけで解決するという訳でもない。
    目に見えた発露も今回はなかったけれど、お話が続くなら、今後火種になりそうな気はする。
    七夜が少し心配していた通り(彼がまた美味しいキャラで、推しキャラである)果たして汚れなき白のままいられるのか、緋色に染まることが起きるのか。
    でも今は、ラストの白い花のように、純粋であれと願ってやまない。
    あの場面も本当に堪らないのだ。
    不器用男子の初心な恋愛って感じで、堪らないのだ。

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