龍に恋う 二 贄の乙女の幸福な身の上 (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 256
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040740584

作品紹介・あらすじ

 珠は窮地を救ってくれた男・銀市の店で健気に勤めている。
 ある偶然から、珠は以前の勤め先の華族令嬢と再会。友人と呼べる初めての関係に戸惑いながらも、珠は令嬢を通じて少女の"普通の幸せ"を知っていく。銀市はそんな少女を優しく見守り、ときに助言し、彼女の成長に寄り添っていた。
 しかし朗らかに見えた令嬢も、華族の娘ならではの哀しさと決意を抱えていた。友人として彼女を助けたいと願う珠に、銀市は――。
 同時に、華族子弟にまつわる"人ならざる者"の事件の裏で、銀市の過去に関わる闇がうごめき……。

感想・レビュー・書評

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  • 銀市が穿狼と戦うシーンは、読んでいてとても迫力がありました。

    終章の最後で、銀市の珠への想いが描かれていて少し切なくなりました。

    珠と銀市が幸せになれるといいな。

  • 趣味を見つけるってやっぱり大変ですよね。
    冴子さんとの再会も珠の心の成長に大事な事だったんですね。

  • 「普通の幸せ」とは何ぞや。
    元生贄だった珠には「普通」もそもそも「幸せ」もよく分からない。
    まあ今もあやかしまみれの生活で、全然普通の生活はしていないのだけれども。

    珠にやっとあやかしにも理解が深いお友達もできて「普通の幸せ」やら趣味やらを考える余裕が出てきたところで、そのお友達を巻き込む騒動に。
    そこで珠はお友達に頼ってもらえない寂しさと、それでも救いたいと強く願えるようになった。
    感情の起伏をどこかに置き忘れてきたような子が、ちゃんと望めるようになったし、泣けるようにもなった。
    銀市ではないけれど、それはとても喜ばしいことだと思う。
    だから銀市もつい甘やかしたくなるのだろう。
    ……今のところ、いい保護者だもの、彼。
    まだ珠に色恋沙汰に目を向けるまでの余裕はないし。

    でも、そのお友達の恋の応援が図らずも異種間の恋愛も上手くいくかもしれないという展開になっており、これはやはり銀市とのそういうフラグになっていると期待したいところ。
    彼女のお相手は今回なかなかのキーパーソンになっているので、ちょっとドジ踏んでも温かい目で見てやってほしい。
    本当にうまくいって、是非主役二人の先輩になっていただきたい。

    前作でお気に入りといった櫛の彼女は今回も健在。
    前ほどの活躍ぶりはないけれども、彼女も珠を見守ってくれているありがたい保護者。
    皆に見守られながら、お友達も見つけて、趣味も見つけた。
    まだ彼女にとっての「幸せ」は具体的には見つかっていないかもしれないけれど、少なくともその欠片は集めることができた。
    その欠片集めを、彼女がもっと幸せになっていく姿を今後も見守ることができたなら本当に嬉しい。

    という訳で、3巻も期待しております。

  • 珠は「普通の幸せ」とは何かずっと疑問に思っている。
    今回登場した冴子。この物語の時代で言うと一般的な令嬢。だから言われるがまま、自分の意思は通せない、それが当たり前の考え方。
    現代に置き換えるとそちらの方が異質な感覚も覚えてしまう。「自分の幸せ」なんて理解している人が果たしているのだろうか。
    美味しいものを食べる。好きな本を読む。そしてこの物語のように好きな人と結ばれる。
    今回は恋愛要素が強めに描かれているように思う。これからもっと発展していくのだとは思うが。
    こんなに異種間の恋愛をすんなり受け入れ、障害をあまり感じさせないのも珍しい。なんと子供も産めそうらしいし。これは珠さん、結ばれるしかないですね。
    百々目鬼とか、ドッペルゲンガーと、見せかけた狼とか(千疋皮はグリム童話か)妖怪の中でも面白いものを引っ張ってくるなと思った。次回はなにが出ましょうか。

  • 今迄「普通」が分からなかった珠
    それが銀市や瑠璃子、狂骨や元奉公先のお嬢様冴子と付人の化け狸の重田
    色んな人や妖に出会い贄としての生活ではなく「やや普通」の生活がわかってきたのかな
    友のために悲しんだり、力になりたいと思ったり
    銀市に対しホワホワと温かい気持が湧いたりと
    まだまだ何が普通で、求められたら嫌とは言えないけれど、少しづつ成長が見れて微笑ましい

  • 幸せとはなにか。
    珠が導いた答えは奇を衒ったものではないけれど、それがチープにならない構成力が凄い。
    一冊のなかに少しずつ伏線を散りばめてきちんと落とすところとか、これが一冊の読書の醍醐味だよなあと思う。物語が面白い。
    染、冴子、珠、そして瑠璃子の女性陣がそれぞれの生き方で輝こうとしていていい。
    別にわたしは「不自由な立場の女性が~」と殊更主張するわけではないんですけど、女性や時代に限らず、自分にはどうにもならない要因で生き方を定められ歪められて、それを諦めて受け入れようとするけど飲み込みきれなかったり、真っ向から反発して自分らしさを貫き通そうとしたり、そういうキラキラした命の焚火が愛しいですね。
    人外の「命短い人の子」みたいな慈しみムーブがすき。銀市さんもどうせ掌中の珠を手放せないんだから早く腹を括った方がいい。腹を括る銀市さんが見たい。

  • 珠がちょっとずつ成長して友人が増えていくのが微笑ましい。
    特に大きな事件がというより珠の成長を見守る感じ。

  • 少女時代からの境遇のせいで感情の薄いヒロイン。今回は昔勤めてた屋敷の令嬢と再会。交流を深めていくうちに、彼女の想いを知り銀市への想いを深めていくのが印象的だった。
    お嬢様でも芸者の娘に生まれても大正女性は大変だな…と切なくなったけど、最後に冴子さんが幸せになって良かったと思った。

  • 異類婚姻

  • ちょっと感情が見えるようになった珠がかわいい。そして銀市さんもそれが嬉しい。はやく結婚してください。重太と冴子さんのふたりもまたかわいく、ぜひとも幸せになってもらいたいです。

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著者プロフィール

2015年に「ドラゴンさんは友達が欲しい!(全5巻)」(アース・スターノベル)で出版デビュー。

「2020年 『アラフォー少女の異世界ぶらり漫遊記2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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