払暁 男装魔術師と金の騎士 (上、) (富士見L文庫)

  • KADOKAWA (2022年3月15日発売)
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040744674

作品紹介・あらすじ

戦場で瀕死の騎士を助けた男装の魔術師のハルカ。死を望む騎士を叱り飛ばし、お前が生き残ったら一生を拾ってやると伝える。しかしその戯れ言を本気にした男は、戦後ハルカを訪ねてきて強引に主従の契約を結び――。

感想・レビュー・書評

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  • 旅先で帰路娯楽本が枯渇しそうだったので、途中目についた古書店のワゴンセールに上下でゴミ値段だったのを拾ってきた。どっこい、コスパ非常によろしく、ヴォリュームもちょうどぴったり帰宅最寄り駅に着く直前に読み終わるというすばらしさ。
     普段、いわゆるラノベの転生無双モノを好んで読んでいるので、”女性向け”と言われる富士見Lの異世界転生はどうやろか、とドキドキしながら読み始めたが、テイストがかなり違うのに戸惑いはあれ、面白く読んだ。身を守るために男装(男装というよりは魔法で変装なので、素っ裸になっても男性ではある)で、戦場にでている、イチトセ・ハルカ(ハルカ・グラーク。前線で大手柄を立て、たくさんの負傷兵を救い、ほぼ呪いといっていい美形のリカルドの外傷と心を救ってしまって、そのまま懐かれる。ある意味リカルドのポンコツっぷりがすばらしい。

  • 23歳になったとはいえ、一方的にこの世界に呼び出された元女子高生が辿るにしては、何と歩み辛い道だろう。
    異世界人であることを隠し、性別を隠し、望まず英雄と呼ばれるようになってしまっても、敢えて平穏を選ばず立ち上がったその姿は、某キャラたちが言うように脆い。
    それでも、彼女は立つのだ。
    そんな彼女を主として契約した彼のためにも。

    セラフィーナ嬢の「侮られないためには、全てを捨てなければなりませんでしたか。そこまでしなければ、この国は守れないものですか」「私の大切な友人がありのままでいられないなら、この国に価値などありません」という台詞が忘れられない。
    異世界人の元少女に背負わせるには、あまりにも、あまりにも重すぎる。
    この重責を無事に下ろせる未来はあるのだろうか。

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