水平京物語 すみれの水都に雨降りにけり (富士見L文庫)

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  • KADOKAWA (2025年3月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784040757674

作品紹介・あらすじ

水龍を祀る都、水平京。

疫病が蔓延する市井で治療に携わるすみれは、美しい貴族の青年・貴月を助け見いだされる。
疫病は水龍が悪神に入れ替わったせいだが、神に相まみえるのは帝の一族だけ。
悪神を討つために東宮妃選びの儀式でその座を勝ち取れというのだ。

疫病の母を救いたい一心で、すみれは貴月を護衛に宮中へ。
しかし国中の貴族の姫が集まる中、肝心の東宮が姿を消し、「見つけた者を妃とする」と告げられる。

名家の姫君・鶯、
家の復興を誓う菖蒲、
臆病だが目的を秘めた卯の花。
誇りをかけた争奪戦の行方は……。

==登場人物==

すみれ
市井で病人を治療する庶民。
貴族の養女と偽り、東宮妃選びの儀式に参加する。

貴月《たかつき》
すみれの護衛。
美しく不遜な青年で、目的のためなら手段を選ばない。

鶯《うぐいす》
名家の姫君で、最も有力な東宮妃候補。
凜とした振る舞いで、他の参加者からも一目置かれている。

冬嗣《ふゆつぐ》
鶯の護衛。
宮廷で有名な歌人。

菖蒲《しょうぶ》
父の罪で没落した家の復興を目指し、流刑地から舞い戻った。
豪胆な性格。

赤朽葉《あかくちば》
菖蒲の護衛。
菖蒲に心酔する女性。

卯の花《うのはな》
生家は元は名家だったが、勢力争いに敗れ力を失いつつある。
非常に臆病。

火丸《ひまる》
卯の花の護衛。
血気盛んな少年で、卯の花とは幼なじみ。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えてみると、ラスボスというか最終的に誰を止めなきゃいけないのかは分かったし、貴月の正体バレもあったし、すみれと他の東宮妃候補たちとの絆はある程度結べもした、すみれの母の病状が回復傾向になったのだが、一つの物語としては全く完結しなかったなという印象。
    止めるべき存在はまだ止められていないし、すみれと貴月の仲もまだこれから。
    都の疫病を止められていないし、すみれはこれから再び宮中に上がって諸々のことのリベンジというところで終わっている。
    「私たちの物語はこれからだ」エンドというか。
    終盤もすみれより血縁者の方が目立っていたせいもあって、あまりすっきりした読後感にはならなかった。

  • 熾烈な東宮妃選別戦かと思いきや、本筋は物の怪(悪神)退治。
    複雑な人物相関、不協和音な主人公とその護衛の、バディになるまでの長い道程と歩み寄り。

    読み応えはありますが、悪神との前哨戦的な作品。
    伏線も多く残っているし、解決もしないため続編待ち。

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