アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

制作 : 永峯 涼 
  • 角川書店
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レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040800042

作品紹介・あらすじ

古代から存在はしたが、2000年代、ウォール街で金融商品の開発に活用されたことで一気に進歩したアルゴリズム。映画や音楽のヒット予測に限らない、今や私たちの生活のあらゆる場面に進出しているのだ――。

感想・レビュー・書評

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  • アルゴリズムに関しては詳しくない。本を読んだのも初めてだ。
    本書ではアルゴリズムそのもの技術的解説ではなく、アルゴリズムがどういう影響を与えてきたか、どんな風に現代社会に染み入りつつあるか、そしてどんな職業を駆逐しつつあるか、という話が語られている。

    アルゴリズムによる現場の分析や、未来予測。どんなデータアナリシスの分野であってもアルゴリズムが入り込む余地があるのだろう。

    学部にいる頃から、これからのデザイナーはプログラミングができないといけないと確信を持っていたが、今やそれはデザイナーだけの話ではない。全ての職業は潜在的に駆逐される可能性を持っているとも考えられる。アルゴリズムや人工知能には得手不得手があって時間に差があるのは確かだが、自分が生きている間に自分の仕事が駆逐されないとも限らない。
    碌々と働くだけでは駄目なのかもしれない。プログラムが書ける人にはなれなくとも、プログラムで何ができるかを一層理解せなばな、と思わされた。


    未来はアルゴリズムとそのクリエイターのもの。プログラムを書ける人間にとって、未来の可能性は無限にある。複雑なアルゴリズムを理解し組み立てることができればなお良い。世界を征服できる可能性がある。ただし、ボットが先にやっていなければの話だが。(本書より引用)

  • 本書ではアルゴリズムとは何か、どのように発展し広がってきたのかが豊富な実用例を持ち出して分かりやすく述べられている。誰が何に着目しアルゴリズムを組み立て、その結果何ができるようになり社会にどんな影響があったのか。技術的詳細は省かれており、社会にアルゴリズムのもたらした影響の大きさが一般読者にもはっきりと分かるように構成されている。人工知能が話題になり、情報工学が生活にもたらす恩恵と弊害について多少なりとも知らないとまずいのではという危機感が湧いて本書を手にとったが、インパクトは想像以上であった。門外漢の人が日常生活と情報工学の関係を知るのに丁度良い本だと思う。

    アルゴリズムの本質は物事を極限まで二者択一の選択肢に分解することにあるという。したがって、アルゴリズムを構築することは、ほとんどの人間が半ば漠然と行っている思考プロセスをYes/Noで分かれる厳密な論理のネットワークに分解することと同じである。人間の思考がすべて二者択一に分解できるとはにわかに信じがたいが、0/1の二進数で動作する機械が人間と同じ処理を次々とできるようになっているということはその証明でもあろう。しかし、俳句の作成や音楽の作曲といった芸術分野でも人間と同等のものが作れるようになっていることには本当に驚いた。アルゴリズムを構築することが人間の活動の原理を明らかにすることに繋がっているのは非常に面白いと思う。アルゴリズムというテクノロジーは文明だけでなくサイエンスも発展させる可能性を秘めているわけだ。本当に画期的な技術だと感心した。

    そんな画期的な技術であるアルゴリズムが、最初は金融取引でより効率的に儲けるための手段として発達したというのはなんだが残念な気持ちもした。「結局カネのためかよ」という……。でもそれが現在ではこれだけの生活の向上をもたらしているのだから、世の中わからないものだ。アルゴリズムに関しては人間の欲望を上手く発展につなげた資本主義の成功の一例といえるのかもしれない。
    しかし負の側面も少なからずあるわけで、例えば職が減るという問題がある。その解決策としてプログラミングを教育課程にもっと取り入れるべきとの主張がなされており、それは効果的だと私も思う。だが、こういった技術と人間の競合は今後も新たに発生するだろうし、イタチごっこになるのは避けられないのではないか。

  • 越谷図書館

  • IT化が進むにつれて、エンジニアの重要性が高まって
    いるが、ビジネスに活かせる人が少ない印象。
    プログラムを覚えるのは時間と労力が必要なので
    周囲の人達は企画はあるけど作れないという人が多い。
    成功してる人は労力が掛かることと周囲の反対を気に
    していない。

  • 面白い内容だが、多岐に渡っているため冗長に感じた。

  • 同僚が絶賛していて面白そうだったので読んでみたが、これは大当たり。
    最初はウォール街にアルゴリズムによる取引を導入した先駆者のエピソード。
    ブラック=ショールズ、金融工学、デリバティブと、リーマンショック前のエスカレートした頃の話は今までにもよく耳にしてきたが、黎明期に無理やり端末を原始的な方法でハッキングして、そこからアルゴリズムに基づいた取引を強引に仕掛けていった話は痛快。

    音楽の世界に入り込んだアルゴリズムも読んでいてワクワクさせる。
    ヒット曲の法則を見つけるアルゴリズムは、まさにいま盛り上がっている機械学習の考え方そのものだし、フーリエ変換を使ってビートルズのハードデイズナイトのイントロの秘密を解く箇所などは唸ってしまった。
    確かにフーリエ変換はぴったりハマるけど、その先の突っ込み方もなかなかだ。
    しかし、インマイライフの真の作者を突き止めるために、グラフ理論を応用するなんて誰が思いつくのだろうか!

    この手の話では外すことの出来ないディープブルーやワトソンに触れるも、これらが太刀打ち出来ないポーカーに勝つアルゴリズム開発が、テロの脅威と戦うためのアルゴリズムに応用されたり、ゲーム理論の応用アルゴリズムがCIAに採用されたり。
    はたまた恋愛分析(マッチング)に使われたアルゴリズムが、臓器移植マッチングや最適な進学先の選択、NASAの宇宙飛行士組合せに用いられたり、コールセンターで最も満足感を得られる応対に相手を探し出したり、、、

    と驚くべき実用例がこれでもかというくらいに次から次へと紹介されている。
    これがとてつもなく面白く、知的好奇心をくすぐるのだが、終盤に少々、警句的な内容へと収斂する。

    今ある専門的な職業が、この技術でどれだけ職を奪われることになるのか。
    たしかに本当に飛び抜けた専門能力を有していないと、日常的な用事はすべてアルゴリズムで済んでしまう状況になりかねない。
    以前に読んだ「機械との競争:Race Against The Machine」の言っていること、そのものだと思っていたら、著者もこの本に言及していた。

    今後はどうすれば良いのか、についても著者は述べている。
    アルゴリズムを駆使するボットに慣れ親しみ、自分で改良できるようになることだと。
    そのためには優秀な人材を理数系にできるだけ送り込め、多くの学生に若いうちからプログラミングを叩き込めと主張しているのだが、それは職を奪われる人たちを減らす根本的な解決にはならない気がする。
    アルゴリズムは一度、書いてしまえば何度でも使えるのだから、やはり必要とされる専門家の数は減らざるうえない。
    産業革命が起きた時のラッダイト運動を興した人たちの恐れが、ついに専門家の領域にまで現実に近づいてきたということなのか。

  • ◯現代の経済活動において、今もこれからも必要不可欠な人は、コードやアルゴリズムを構築し、メンテナンスし、改良することができる人だ。(343p)

    ★既に現実になりつつあるが、コンピューターに仕事を奪われる時代が来る。

  • するわけない。

  • アルゴリズムの発展と功績について書かれている本。アルゴリズムが、作曲などクリエイティブな分野でも活躍していたことに驚き。
    医療など、人の役に立つ方向に発展すること、そして自分がアルゴリズムを使う立場でいれることを願う。

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