語彙力こそが教養である (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 231
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040820125

作品紹介・あらすじ

ビジネスでワンランク上の世界にいくために欠かせない語彙力は、あなたの知的生活をも豊かにする。読書術のほか、テレビやネットの活用法など、すぐ役立つ方法が満載!読むだけでも語彙力が上がる実践的な一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 久々に齋藤孝先生の本。これもブックオフ100円購入のストック本。
    自分にとっては、齋藤先生は活きた国語の先生的存在だ。毎度のことながら、こうして読書を通じて受ける齋藤先生の国語の講義(と自分は捉えている)は、非常に楽しくて啓発的。

    どうして楽しくて啓発を受けるのかというと、やはり齋藤先生の読書量が豊富で読んだことのない本のことを興味深く紹介してくださること、齋藤先生の読書に対する思いが強く伝わってくること、そして話がわかりやすいからだろう。

    本書の構成
    第1章 教養は言葉の端々に表れる
    第2章 語彙力アップには名著が近道
    第3章 テレビやネットでも言葉は磨ける
    第4章 8つの訓練で「使える語彙」にする
    第5章 洗練された言葉づかいを身につける

    第1章は、「すごい」とか「やばい」とかそんな言葉ばかりでも生活していけるが、もっと自分の表現の幅が広がれば、周りの信頼も得られるし、何より自分の見える世界が変わるということを言われる。

    第2章は、王道、読書のススメですが、語彙力アップの最短コースとして、次の6点がオススメだった。
    ・「ドストエフスキー」
    ・「ミステリー
    ・「三国志」
    ・「論語」
    ・「仏教」
    ・「シェイクスピア」

    第3章は方法論。次の7点を推奨。
    ・「歌詞」
     →歌詞の中の「言葉」に注目するとは想定外でした。
    ・「インターネッと」の活用
    ・「アマゾンレビュー」
     →読者のレビューに秀逸がある。
    ・「テレビ」
     →よい番組をセレクトして収録し、後から倍速で見る
    ・「ドラマの脚本」
    ・「映画の字幕」
    ・ツールの活用(電子辞書、タブレット端末)

    第4章の「8つの訓練」が何をさすのか、まとめられていなかったように思う。読み損ねたかもしれないが、自分なりに次の8つかなと整理(間違っていたらゴメンナサイ)。
    ①オウム返しでインプット&アウトプット
     →会話中の相手から出た言葉をオウム返しに使って瞬間的に自分のものとする
    ②アウトプット5回の法則
     →覚えた新しい表現を現場で5回以上使ってみる
    ③セレクト音読
     →名作の名シーンなどを切り取って声を出して読んで見る。
    ④登場人物や語り手になりきって音読
    ⑤小説、古典、名著の素読
     →精読(意味をじっくり考えて読む)前に、文豪の表現をまるごとインプットするイメージ(日本人では漱石、ドイツ人ではルター、ゲーテが著者の推奨)。
    ⑥落語や漫才から「笑いの語彙」をコピーする
    ⑦パートナーを見つけて難しい語彙をひたすら交わす
    ⑧四コマ漫画で要約力を身につける

    第5章 プラスアルファ。
    自伝を読むことや、譬喩で表現してみること、言葉が時代とともに変化するということなどについて述べられていた。

  • 今まであまり深く語彙に目を向けることがなかったがこの本を読んで思った事は、私は自分の人生の中で大損をしてきたということが素直な感想だ。
    今、気がついてよかったと思う。

    自分が普段、何気なく使っている言葉を純粋に心から見直していきたい。
    現在34歳の私がこれからどれだけの本を読んでいけるかはわからないけれど、1冊でも多くの本を読んで、その知識を1つでも多く自分のものにしていきたいと心の底から思った。
    人から馬鹿にされることのない、一目置かれる存在になっていきたい。

  • タイトルに惹かれて読んでいたら、まさかの彼女の大学の教授だと言うことが判明。不思議なご縁もあるものです。

    語彙力。大学一年の頃、ゼミの教授に「君はもっと言葉に気をつけたほうがいい」と言われてからずっと、つけたいなって思ってました。だいぶ時間はたってしまったけど、今より早い日はないということで、読みました。

    語彙力を鍛えるぞ! そんな熱い気持ちがページをめくるたびに湧き上がってきました。普段自分が触れない文学やテレビに触れているのも新鮮でした。自分がいいと思ったものを見極めて、語彙力を鍛えていこうと思います。
    まずは素読と音読、やってみよう。あと落語も見てみたいと思いました。

    ちなみにこの本のベストレビューの方が、内容をとても分かりやすく包括しているので、気になった方は見てみるといいと思いました。

  • 生活する上での語彙力の重要さが伝わった。
    仕事をする上でも語彙力は問われるし、会話の面白さも語彙力によって広がる。
    語彙力の伸ばし方を読書、ニュース、映画等ジャンルごとに説明していて興味がわいた。
    特に読書では過去の名著と呼ばれる本の素晴らしさが説明されていた。
    教養の一貫として触れてみたいと思った。

  • 短期間の帰省中に本書を手にすることができたのはこれまたブクログの効能。読みたいリストに放り込んだのもブクログでの書評がきっかけだったのでまさに。

    斎藤氏の「今どきコトバ」に対する見解は自身の考えに限りなく一致し、むしろ自身が考えをまとめるに至るほど努力していなかった部分を代行してもらった感あり。

    併せて最近の語学に対する自身の怠慢ぶりも頭にちらついた。「語彙を増やして教養を増大させる」という命題の重要性に気づくとそれが複数言語に渡ればその難行への道程は何倍にも膨らむということが明確になる。願わくば斎藤氏の語る上向きの螺旋が働き出すところまでたどり着いてみたいものだ。

    さて、第三(以降)言語習得への道、始動なるか!?

  • さくっと読める新書である。齋藤先生の本は初めて読んだが、先生の授業を聞いているようで非常に良く頭に入ってきた。
    確かに大人として語彙の乏しい人や間違った言い回しをしている人は教養が無いなと感じてしまう。
    齋藤先生がこの本で言うようにいつも四文字熟語や故事成語を並べ立てている人はちょっと敬遠するけど、そのような言葉を常にインプットし、頭の中で理解しておくことは重要だと思う。
    この本ではあまり触れられていないけど、「アウフヘーベン」とか訳解らない専門用語の外来語をいかにも解ってますよ的に使う大人って、ちょっとどうなのかなとは感じる。

  •  率直に言えば、あまり共感できなかった。語彙力が教養に結び付くということ自体は納得できる。が、古典から引用したような語彙力を、日常的に使用することは必ずしも必須ではないと考える。自分に語彙力がないゆえの考えかもしれないが、難しいことをいかにシンプルに言い換えるかの能力の方が私は欲しい。(といいつつ、もし、本書にあるような引用を耳にした場合は理解する教養が欲しいというわがままな気もある)

  • 「語彙とは教養そのものである」をテーマに、いかにして語彙力を身に付けていくのかを、著者の経験をもとに紹介する1冊。

    語彙をインプットする手段としては毎日の読書、特に名著の音読を薦めています。
    小学生と6時間かけて『坊っちゃん』の音読をした、という取り組みがおもしろい!
    読破したあとに小学生に感想を聞いてみると、『坊っちゃん』そのものの文体で答えが返ってくるそうです。
    私もブクログに感想を書いているときに、その著者の文体や使っている言葉に影響されること多々なので、小学生たちの気持ちがわかるな~。
    本だけでなく、ドラマや映画、アマゾンレビューまでインプットの手段になるというのも意外だけれど頷けました。

    語彙を自分のものにするにはアウトプットも大事。
    練習をした上で自分の語彙として使いはじめる、というプロセスをちゃんと踏もうと思いました。
    なんとなく口にした言葉はなかなか身にならないことは何度となく経験済みなので、まずは「これは練習なんだ」と意識しながら使ってみようと思います。

    わたしも名著にもっと親しまないと!
    読書のモチベーションアップにもつながりました。

    • nejidonさん
      すずめさん、こんにちは♪
      この本を読まれたのですね!
      タイトルだけ聞くとハードルが高そうなのに、身近な例をあげて読みやすく
      話をすすめ...
      すずめさん、こんにちは♪
      この本を読まれたのですね!
      タイトルだけ聞くとハードルが高そうなのに、身近な例をあげて読みやすく
      話をすすめていくのは、さすがの斎藤さんだと思いました。
      簡単なことを、いかにも難しそうに述べる人も多いのに。笑
      私も語彙力というものを少し意識して暮らしていこうかと考え中です。
      すぐ忘れてしまうんですけどね・・
      2017/05/18
  • 語彙力。教養。
    この単語を聞いただけで耳が痛くなる人もいるかもしれない。

    さすが、大学教授であり、様々な分野で活躍されているだけあって、どこも説教じみておらず、すんなりと受け止められる。

    何故、語彙力が乏しいと損をするのかということが、冷静に記され、またその具体例、改善例、成功例が示される。

    では、どうすれば語彙力の向上に繋がるのかという答えも、しっかりと分かりやすく説明されており、非常に生活に役立つ内容でした。

    本を読み慣れない方が、なぜ疲れるのか、活字離れするのかも、納得できるご説明でした。

    著者と全く同様の考え方を自分自身も持ち合わせていたが、他者への説明の仕方が大変に物腰が柔らかく耳馴染みが良い。とても、参考になりました。
    人の振り見て我が振り直せとは言ったものです。
    自分の下手さを知りました。

    ありがとうございました。

  • この本を読んでいると、早く古典に触れたい、名作を読み返したい、そんな気持ちになってくる。どんどんインプットして語彙を増やし、実戦で使いたくなる。中学校の頃、暗記した四字熟語の意味をたどってみたくなる。村上春樹の比喩に浸りたくなってくる。自分が好きなラグビー、バスケ、野球をいろんな角度から見て、人に伝えたくなってくる。人の角度を自分の中に入れることで、多角的に物事が見たくなる。そんな本だ。

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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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