- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040820347
作品紹介・あらすじ
いま、わたしたちは、徹底的に生きのびさせられている。生きのびさせられるために、暴力をふるわれつづけてきた。そろそろ、この支配のための暴力を拒否したっていいはずだ。あえて現代社会で暴力を肯定しなおす!!
感想・レビュー・書評
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社会
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2016.7.29「本嫁の会」で紹介。
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関東大震災の際に憲兵隊に虐殺されたアナキスト、大杉栄の研究者による暴力論。
なかなかに刺激的な内容です。
冒頭、いきなり、「暴力を肯定しなおす」
目次はこんな感じ。
第一章 国家の暴力 我々は奴隷根性を植えつけられた
第二章 征服装置としての原子力 生きることを負債化される
ときて、最後は
おわりに わたしたちはいつだって暴動を生きている
濃い内容の割に文章は平易で分かりやすいんですが、何を狙ってかひらがなを多用してて、かなり読みづらい(^_^;)
内容が面白いだけにとても残念です。 -
文章自体はところどころわざとひらがなが混じった間抜けなものだが、言っている内容はかなりクレイジーでキレッキレ。すごい。「民衆は国家の奴隷」「道徳は奴隷のための規範」「結婚は奴隷制」などなど、アナキストとしての主張が全開。「はたらかないで、たらふく食べたい」は個人向けだったが、こちらはどちらかというとアナキストの歴史と社会構造を簡単にまとめた内容になっていて、おもしろさ的には劣るが、刺激的な一冊。ほんとうに人間はくそだな!
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暴力はいけない。そう思っているのに、しびれるように美しく思うことがあるのはなぜだろう。拳や足蹴りを見ながら、胸が熱くなるのはなぜだろう。美しい暴力とそうでない暴力があるのはなぜか。そもそも暴力とはなにか。
暴力とは、自分の人生を自分でかたちづくることであり、自律的に生きていこうとすること。
誰かが何かから解放されようとして暴れる力を目にすると美しく思い、押さえつけ縛りつけるために行使される力を醜く思う。
「ひとのことたたいちゃダメっていうくせに、なんでお母さんはそういうえいがが大すきなの?」といつか聞かれたとしても、これでちゃんと胸張って答えられる。
自分が自分に正直に生きるために暴れる力。「暴力はいけない」?自発的に生きるだけで人はみんな暴力をふるっている。自覚すること。自覚して意識的に生きていけば面白いんじゃないか。だって毎日毎日みんな息を詰めて、なんなんだ、と思う。人生の手綱を他人に預けて、「生き延びさせられている」。他人の押し付けるモラルを守って従順に生きることは自分に不誠実ではないのか。そして第4章には泣かされた。伊藤野枝は凄い女性だな。
栗原さんの本、バカだなーと思いつつ(いきなり「はだしのゲン」の雑なあらすじを7頁に渡って話し始めたのには堪えきれずに爆笑した)すごく共感してしまうんだけど、このままいくとわたしはアナキズム研究会の講演とかに足を運ぶことになってしまうかもしれない。……それはそれでいいか。