一回半ひねりの働き方 反戦略的ビジネスのすすめ (角川新書)

  • KADOKAWA (2016年2月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784040820798

作品紹介・あらすじ

経済のグローバル化で新自由主義的な思考が跋扈するなか、競争的戦略思考や利益至上主義はそんなに重要なファクターなのか。ビジネスとは敵を出し抜き、追い落とすための戦争なのか。日米で会社経営の経験を持つ著者が、会社や組織、働く理由や評価、仕事におけるプロセスとゴールについてなどを通して、「戦略に踊らされてはいけない」と説く啓蒙の書。

みんなの感想まとめ

ビジネスの常識を問い直す内容が特徴的で、従来の競争主義や利益至上主義に対する新たな視点を提供しています。著者は、戦略に依存せず、曖昧さや信用、プロセスの重要性を説いており、これまでのビジネス書とは一線...

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス書が嫌い。条件が異なる他人の成功体験を押付けられ、できるはずない人や未来の管理をさせられ、戦えと言われるから。
    この本は二項対立より曖昧さに、勝ち負けより信用に、効率よりプロセスに依拠する。若い頃に読めたらよかった。でもその頃にこれは腹に落ちなかったかも。会社員だったから。

  • 序章でいきなり「ビジネス書は面白くない(短期的な成功の秘訣については書かれていても、長期的な成功の意味については目を瞑っている)から読まない」と言い切る平川さんの歯に衣着せぬ言葉が心に刺さる。
    私にとって大切なビジネス本の一つになりました。

  •  平川氏というと実業家であり、現在は隣町珈琲店という喫茶店を営んでおられるとか。内田樹氏の小学校からの親友で、その関係で俺も本を手に取るようになった。

     何冊か読んではいるんだけど、内田氏ほど「おぉ」と感心する派手さはないと思っていたんだけどね。

     今回読んだ本書は、「おぉ」といろいろ考えさせられるところが多かった。

     感心した話の例としては、ロレックスの時計の話がある。

     ロレックスの時計を、仮に300万円とする。

     でも時計としての機能を考えれば、一万円でも今は高いくらいだろう。

     機能の分を一万円とするなら、のこりの299万円は何の価値になるんだろう、という話。

     いくつかの見方があるんだけど、本書後半で内田氏が出てきて往復書簡(メール)として議論していた。

     その299万円の価値とは、なにか。

     それがわかった瞬間、その商品はその299万円の価値をうしなうのではないか。

     なんで、そんなに高いの?そう人に思わせるところに、その価値はあるのだ、と。

     おぉ、なるほど。

     そういう見方はたしかにあるかもしれない。

     なんとなくこういう価値なんじゃないか、というイメージはあるだろう。でもそれは人によって違う。その違うなかで、でもある程度納得している微妙なラインにその価値はあるのかもしれない。

     言いおほせてなにかはある、なんて言葉を昔聞いた気がするなぁ、なんて感心した。

  • 著者の第一作である『反戦略的ビジネスのすすめ』(2004年、洋泉社)の新版です。

    「まえがき」には、「一生のうちで1冊だけ書くつもりで書いた本なので、あれやこれや考えめぐらし、脳みそが汗をかくほど無い知恵を絞り、逡巡し、戸惑いながら書きすすめることになった」とあり、「本書の文体が、直線的、論理的、断定的とはならず、絶えず揺れ動き、表現が回りくどく、読者に辛抱を強要するような悪文になったのはそのせいもある」と述べられています。たしかにその後数多く刊行されることになる著者の他の著作にくらべると、一筋縄ではいかない行論についていくことを読者に要求するという意味では、やや敷居の高い内容ではあります。しかしながら、著者の基本的な考えかたは当然のことながら他の著作の内容とつながっており、また著者の盟友である内田樹の思想に呼応するような考えかたも随所に見られるので、それらの本になじんでいる読者にとってはそれほどストレスを感じることなく読めるのではないかと思います。

    著者の基本的な立場は、グローバリズムの平板なビジネス観にあらがい、本書のタイトルにあるような「一回半ひねり」のスタンスでビジネスを見なおそうとするものといってよいでしょう。ビジネスにたずさわる者は、自分の技術に対する誇りや顧客に対する気持ち、あるいはおなじ会社に勤める仲間たちに対する信頼といったものに裏打ちされたコミュニケーションを志向しつつ、かならず商品と貨幣というものを媒介とすることでしかこうしたコミュニケーションを遂行できないと著者は考えており、こうした「一回半ひねりのコミュニケーション」という関係を、回り道をしながらも粘り強く説いています。

    なお巻末には「付章」として、著者と内田樹のメールによる対話が収録されています。

  • ☆☆☆2019年9月☆☆☆


    少し難しい本だった。ビジネスに戦略はいらない。平川氏の著作としては、実用書に近いのかな?と思った。

  • とてもいい内容の本だったと思います。
    著者の第1作である『反戦略的ビジネスのすすめ』の
    改訂版的な内容です。
    2004年の本だそうですが、今の課題や世間的な
    問題もそのままあたっているし、なんといっても
    ビジネスマンとして、リーダーとして非常に大事な
    矜持がかかれてあると思います。
    私自身もしんどくなると、流されてしまうようなことがら
    に対して、丁寧に反論が書かれてあって、反省するところが多くあります。
    これから会社に勤める人、リーダになる人、部課長、
    仕事を勘違いしているような人たちにとって、
    とてもためになる内容だと思います。
    新入社員や新任リーダーに読んでほしい内容でした。
    私としては、非常に自分の考え方のベースとなってくれる
    ような内容です。

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著者プロフィール

平川克美(ひらかわ・かつみ)
1950年東京生まれ。早稲田大学理工学部機械工学科卒業。文筆家。「隣町珈琲」店主。空手道場辛夷会指導員。著書に『小商いのすすめ』『21世紀の楕円幻想論』『共有地をつくる』(以上、ミシマ社)『俺に似たひと』(医学書院)『移行期的混乱』(筑摩書房)『言葉が鍛えられる場所』(大和書房)『ひとが詩人になるとき』(ミツイパブリッシング)『マル』(集英社インターナショナル)など多数。

「2025年 『三歩あるけば、旅の空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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