こんな街に「家」を買ってはいけない (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040820828

作品紹介・あらすじ

住民の高齢化、崩壊する生活基盤、空き家の増加。今、郊外の住宅街は破綻の危機にある。この現実を前にできることは何か。家を買った人も買う予定の人も知って欲しい、住宅街が抱える問題と対策を明らかにした1冊。

感想・レビュー・書評

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  • ぼくはあと3年で定年。そのあと研究室を確保するためにアパートを借りようかと思っているが、友人で退職した人がアパートを買ったと聞くと、そういう方法もあるのかと思ってマンションの広告が出れば色気がでてしまう。しかし、妻からは買ったあとどうするのか、売れればいいが、売れなければよけいやっかいだと迫られる。そんなときにふと目にしたのが本書。本書はかつてみんなのあこがれだった一戸建てが今では逆に子どもたちのお荷物になっていること、かつてのニュータウンがオールドタウンになっていることをはじめ、家が決して財産にならず、逆に相続などでお荷物になることを指摘する。合わせて、家を手に入れるには家だけでなく、その住環境、つまり街をも見なくてはいけないと言う。つまり、家を買うにしても、家だけ見ていてはだめなのである。著者の友人には生涯借家という人もいるし、自分は借家でマンションは利殖のために買って貸すという人もいる。家をもてば万歳の時代はもう終わりをつげようとしているのである。

  • 2018/12/11何となくワンパターンで最後の方は飽きてきた。郊外ニュータウン批判。★3

  • 住宅評論家の牧野氏が、文字通り田舎の一戸建ての家を買うことに異を唱える一冊。

    話が分かりやすくかつ具体的で、とても参考になった。

  • 30年、40年前の郊外分譲地ブームだったところが今はスラム化しており、都心から電車で1時間、さらにバスにのらないと通勤できない分譲地は価値がなくなっている。買うのなら覚悟をもて、ということか。

  • やっぱり家を買うなんて正気の沙汰じゃないな

  • 近未来の日本を予測する牧野友弘さんの一冊ですが、住宅問題をえぐっている割には都心部での賃貸を勧めるのでは、もうけたがりのセレブだけしか得にならないと言っているのと同じだけに、ガッカリです。
    やはり、どれだけ精確な分析ができても、そこからめざすべき方向がどちらを向いているのかが肝要です。

  • かつて住宅は資産であり、子どもに相続するものだったが、核家族化によって主を失った親の家は空き家となり、固定資産税や管理費がかかる負担にさえなっている。時代が移っても新たな世代が住み続ける地域を選ぶ視点が必要との指摘は正鵠を射ている。住宅がコモディティ化したという時代を迎えたからには、住まい方を考え直さなければならない。

    1996年頃に共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、現在は62:38になっている。1997年には容積率の緩和などの大都市法が改正されるなどしたこともあり、住宅の選択は、駅からバス便の郊外から、都心部のタワーマンションへと変化した。

    著者が勤めていた三井不動産が開発した緑園都市や山手台(西が丘、領家)は、1990年前後入社の社員の目標でもあったが、すでに売却してタワーマンションに移っている。現在の緑園都市の中古住宅の価格は4000万円台。

    住宅地の将来は、人の出入りで評価できる。人の出入りがあることで平均年齢と経済活動が維持され、各年代が均等化される。1970年代につくられた佐倉市のユーカリが丘は、長期にわたって少しずつ分譲したため、若い家族が購入し、人口も年々増加している。

  • ①東京までの通勤時間が1時間を超える
    ②1970年代から80年代にかけて開発された
    ③駅からバス便である
    ④丘陵地などにあり、住宅地内の傾斜がきつい
    ⑤近隣に観光地など人の集まる場所がない
    ⑥地域内にめぼしい産業がない
     これらが、タイトルに対する答えである。今からこんな土地に家を買う人は少なそうだから、「こんな街に「家」を買ってはいけなかった」が正しいかも(ちなみに義実家はほぼすべて当てはまる…)。

     今は住宅をじっくり選別し、自信が本当に気に入った住宅を選択する時代。持ち家が絶対ではない。「みんなと同じように行動する」という行動様式からの脱却や、国の住宅購入推進に踊らされないことが大切。

  • これから家を買う人を対象にしているかのようなタイトルですが、どっちかって言うと、バブル期に通勤圏ぎりぎりのバスでしか行けないような新興住宅地に家を買った人に「終活」の方法を提示している本、という印象でした。
    だって、別にこの本を読まなくても、これから家を買う人は、ここでやり玉に挙げられているような場所に家を買ったりしないと思う。だからこそ「売れない」んだし。
    でも、ほんとに読むべき層(家の処分について考えるべき層)はこのタイトルの本を読むかな?と疑問に思いました。

    実家を思い浮かべて、この著者が述べているケースに当てはまる人は、親御さんにプレゼントするのもいいかも。

  • 「家」を買うということへの価値観の崩れる一冊。確かにその通りだと感じる点は多い。

    街の「新陳代謝」。家は「地域」全体をみて買うのが正しい選択。地域全体で魅力づくりをしていくのが不動産価値の維持・向上につながる。というのは納得。

    住宅は「財産」ではないという考え方の転換。これからの未来を、この視点で考え直すことは必要。過去の価値観にとらわれず、どのようなライフスタイルで生きたいのかということを考え直さねばならない。

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著者プロフィール

牧野知弘

1959年生まれ。オラガ総研株式会社代表取締役。東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現:みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て、89年三井不動産入社。数多くの不動産買収、開発、証券化業務を手がけたのち、三井不動産ホテルマネジメントに出向し、ホテルリノベーション、経営企画、収益分析、コスト削減、新規開発業務に従事する。2006年日本コマーシャル投資法人執行役員に就任しJ-REIT(不動産投資信託)市場に上場。09年株式会社オフィス・牧野設立およびオラガHSC株式会社を設立、代表取締役に就任。15年オラガ総研株式会社設立、以降現職。著書に『なぜ、街の不動産屋はつぶれないのか』『空き家問題』『民泊ビジネス』(いずれも祥伝社新書)『老いる東京、甦る地方』(PHPビジネス新書)『こんな街に「家」を買ってはいけない』(角川新書)『2020年マンション大崩壊』『2040年全ビジネスモデル消滅』(ともに文春新書)など。テレビ、新聞などメディア出演多数。

「2019年 『街間格差』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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