路地裏の民主主義 (角川新書)

  • KADOKAWA (2017年5月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784040821238

作品紹介・あらすじ

世界の様相は、予想を上回るスピードで変化している。グローバリズムに対する揺り戻しがくるとすれば、それは再分配に配慮した国民国家の再生に向けての動きであり、同時に、ナショナリズム的な復古主義が勃興してくる危険性も懸念された。簡単に言ってしまえば、左からの揺り戻しと、右からの揺り戻しがあるということだ。経済も、政治も、環境も、個人がコントロール可能なスケール(ヒューマン・スケール)を超えて肥大化しており、わたしたちの予想を超えたスピードで変化している。しかし、だからと言って、不公正や横暴がまかり通ることや、戦争への危険を手をこまねいて見ているわけにはいかない。 思想的拠点は存在しなくとも、わたしたちには生活の拠点がある。息の長い、実感の伴った生活の場から、今の状況を見つめ直すことはできるからだ。人が生きていく上で本当に大切なものは、変わらない、路地裏を歩けば、忘れてはならないものが見えてくる。オリンピック問題、カジノ法案、憲法改正論議、グローバル教育、権力とメディアなど、市井の思想家が日本社会の違和感について考察していく。

第1章:路地裏から民主主義を考える
第2章:路地裏のメディア論
第3章:路地裏の記憶を歩く
第4章:路地裏の読書、ときどき映画
第5章:人間のための経済学
終章:民主主義について語るために、わたしたちは生まれた町に帰ってきた

みんなの感想まとめ

現代のグローバリズムに対する違和感を掘り下げ、私たちの生活に根ざした民主主義のあり方を考察する作品です。路地裏のような身近な場所から、経済や政治の現実を見つめ直し、数字だけでは捉えきれない人間の感情や...

感想・レビュー・書評

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  • ■メインテーマ
    グローバルの違和感とは何か?

    ■感想
    グローバリズムの波によって、信用、他者とのつながりの場であった仕事の役割が、単なるお金を稼ぐ手段・レバレッジ・合理性の追求を追い求めるものになった。

  •  中盤以降、内容紹介と本の内容が合っていないように感じました。政治や経済の話を期待していたのに、途中から著者のエッセイや昔の記憶などの自分語りが中心となって、読み進める興味が薄れてしまいました。

     政治、経済について書かれている前半部については、意見は概ね妥当というか、納得できるものでした。特に経済分野は共感できるところが多かったです。労働者の変化や都市化の弊害などもそうなのですが、経済成長の話が一番面白かった。

     アベノミクスの時の経済成長の話を聞いて、「そんなの絵に描いた餅じゃないか?」と強い違和感を覚えたのですが、その違和感の原因をズバリと言い当ててくれたように思います。

     自衛隊派遣や放送の自律の話や、電波法なども意見自体は同意できるものだったのですが、ここにきて語りが嫌みったらしくなるというか、急に姑感がでてきたのがちょっと違和感がありました。

     読んでいて、怒っていることが伝わってくるのですが、正直批判的な文章から怒りの感情を感じると白けてしまいます。

     内容自体は間違っていないとは思います。でも、その語り口のせいで読んでいて引いてしまったというか、「この人は政権批判したいから、この内容の話を選んだのかな?」と勘ぐってしまいます。政権批判が目的化してしまっているというか……。

     ここで著者の態度に疑問を持った後に、政治とは関係ない自分語りが始まってしまうので、そこで本の内容に入っていけなくなりました。

     元々様々な紙面で発表したコラムを一冊に集めたらしいのですが、それならば内容紹介やタイトルはもうちょっと気を使ってほしかったように思います。

     一番始めにこの本に興味を持ったきっかけは、タイトルの「路地裏」というキーワードでした。また内容紹介でも「路地裏を歩けば」と書いてあるため、路地裏の市井のことを紹介しながら、政治のことを考察するのか、と思ったのですが、結局は著者の主張だけです。そこも、違和感がありました。

     主張自体は間違っていないし、うなずけることも多かったのですが、引っかかるところがあまりに多かったのが、印象として残っています。

  • 東2法経図・6F開架:304A/H64r//K

  • ★★★2019年5月レビュー★★★


    鳥取県中部の「汽水空港」という本屋で購入。
    人々の生活の息遣いが聞こえる路地裏のような場所から、日本の民主主義を語る。
    「株価」や「GDP」といった、現場の感覚とは程遠い数値ではなく、羽田、大田区界隈を歩きながら日本の現実を語る。


    印象に残った内容を少し紹介したい
    ①「学び」について
    ・・・「学び」とは、目標設定があって、最速でたどり着くのを目的にしたものではない。大学で学ぶという事は、自らを社会の『異物』として選び取ること。

    ②オリンピックの本質
    ・・・経済効果?都市開発?
    これはオリンピックの本質と関係があるのか?
    オリンピックがナチス・ドイツの国威発揚の場として利用された過去を忘れてはいけない。

    ③国家にも必要な最低限の品性
    ・・・カジノはマッチポンプ式。
    「カジノで経済成長を」というのは「ヒロポンで活力を」というのと同じ響きをもっている。


    また、「家族の崩壊」ということについて、本のあちこちで語っているのも興味深かった。核家族化が進むと同時に、生活の仕組み、街の仕組みが変わっていったのか。決して古い家族制度を礼賛するわけではないが、何となく寂しさを感じる。

  • 読了。文章がなんとなく優しく感じる。銀河英雄伝説に通じると思う。

  • <目次>
    第1章   路地裏から資本主義を考える
    第2章   路地裏のメディア論
    第3章   路地裏の記憶を歩く
    第4章   路地裏の読書、ときどき映画
    第5章   人間のための経済学
    終章    民主主義について考えるために、わたしたちは
          生まれた町に帰ってきた

    <内容>
    毎日新聞や『MOKU』などに連載したり、寄稿したものをまとめたもの。主に政治的な部分を書いているが、書評や映画評なども混じる。
    著者が言っている「小商い」(右肩上がりの成長を欲する経営ではなく、固定客を大事にしながら、地道に事業を継続させていく)をベースに考えられている。日本経済は、もはやかつての成長はありえず(ありえないという著者の考えに賛成)、日本の課題としている少子高齢化に対し、これに適合する制度を構築し、ジャンプすることなく、コツコツと経済活動を進めるべし、読むべきは株価でなく、例えばエンゲル係数などだとする。他にマスコミ論なども大いに賛成できるものでした。
    逗子市立図書館

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著者プロフィール

平川克美(ひらかわ・かつみ)
1950年東京生まれ。早稲田大学理工学部機械工学科卒業。文筆家。「隣町珈琲」店主。空手道場辛夷会指導員。著書に『小商いのすすめ』『21世紀の楕円幻想論』『共有地をつくる』(以上、ミシマ社)『俺に似たひと』(医学書院)『移行期的混乱』(筑摩書房)『言葉が鍛えられる場所』(大和書房)『ひとが詩人になるとき』(ミツイパブリッシング)『マル』(集英社インターナショナル)など多数。

「2025年 『三歩あるけば、旅の空』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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