文脈力こそが知性である (角川新書)

著者 : 齋藤孝
  • KADOKAWA (2017年2月10日発売)
3.62
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  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821290

作品紹介

現代における頭のよさとは、瞬時に的確に対応できること。
そのためには、場や空気、時代の文脈を読み取る力が欠かせない。
そして、その力は会話や思考といった知的生産を高めることに直結する。
知性を磨くための「文脈力」向上講義。

文脈力こそが知性である (角川新書)の感想・レビュー・書評

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  • 『語彙力こそが教養である』 久米宏 妖艶なる書店員の壇蜜さん 「『彙』の字でゲシュタルト崩壊が起きそう…」 その涼やかな口調 語彙が豊かになると、見える世界が多彩になります。 語彙力を輝かせるもの、それは「文脈力」です。 文脈=コンテキスト 「文脈力」という概念をアップデートして再提起したいと考えました 上梓じょうし 「意味の織物」 誰もが当意即妙にレスポンスすることを求められるようになった今の時代 欠如に気付かない あなたは普段から虎の尾を踏んでしまっているかもしれません 中身を端折って尻切れとんぼで終わり 門外漢な人にも興味を持てるように 頭の良さの本質とは知識の集積にあるのではなく、集積された知識に基づいて何ができるのかにあるというのが私の考えです。 デカルト知の体系整理 万学の祖 ニュートン 万有引力の法則 アインシュタイン 質量×高速の二乗 近代的自我の萌芽 光明が差してくる アポロ計画 話の内容が、膨らんでいかない 自分の専門テリトリーから出てこようとせず ある枠の中でグルグルしているだけ 固着している 一つの主義に拘泥するなかれ 「是々非々」のスタンス 臨機応変な判断力 池谷裕二『自分では気づかない、ココロの盲点』 ロシア語の同時通訳者として活躍されていた故米原万里さん 「ある世界にはまる」 語彙の一本釣りをするのではなく、その世界観の中で一網打尽にしてしまうのです。 「引用」するということは、他の人の知性を媒介にして自分の思っていることを表現できるようになるということです。 武蔵に私淑する精神上の弟子 甚だ見て心持ちがいい 青磁の皿に盛られた青い練り羊羹 パンとサーカス 喝破 教養が端々に現れる言葉使い 儒教の教えや漢籍 語彙力が身につくことの良さは何かといえば、言葉を手に入れることによって、物事を明晰に認識できるようになること。その状況を対象化して捉えられるようになること。その結果、強くなれることです。 主賓として挨拶する 悪行暴露 感情の機微 行状 慇懃無礼 対岸の火事 当意即妙な切り返しができる あげく「意味含有率の高い話をどれだけ続けられるか」というテーマで喫茶店で延々と話したこともありました 喋りの基礎体力 複眼的思考 投げ散らかしたような散漫な話 だらだら間延びした話 因果関係は「きっちり」掴む、全体構造は「ざっくり」掴む 因果関係に対する把握が曖昧模糊としている キーワードを図化 一家言を持っている その人の経験知をうまく引き出す会話 浦沢直樹 屈指のストーリーテラー 単独無酸素登頂を目指したい人 俳優の加瀬亮さんが「自分の映画との出会いは、ジョン・カサヴェテスの『こわれゆく女』だ」という話を聞いて「なるほど」と納得してしまいました。 孫子の兵法 架神恭介『仁義なきキリスト教史』 世阿弥 メキシコ人にとって死とは「生の象徴」 出汁 豚骨 戒律を破って ハラール 井上陽水『つめたい部屋の世界地図』 私は只管暗さに沈潜したかったのです 自己肯定感の土台が割と頑丈だった 別文脈を生きる先人達の思考に精神を支えられていた 「精神の系譜」 私淑する 傲岸不遜な態度 溌剌と タモリさんの弔辞 「私もあなたの数多くの作品の一つです」 他人行儀な雰囲気 山伏 勧進帳 お祈りメール その相関を瞬時に読み取り 水野敬也 大家 離見の見 心の屋台骨

  • 知識が断片的に存在しているのではなく、それらがつながっていって文脈となってこそ知性となる。それを意識的に行うことの意義が書かれている。意識的に行う=つなげていこうとすることで、知識は知性となって、物を考える豊かな力の元となり、現実の問題を解決しようとするような大きな力になりうる。それこそが文脈であり、そして文脈とならないと物事は見えてこないものだ。他人のそれらや、古典、お笑い、どんなものでも「つなげる意識」で貪欲に柔軟にとりこめる状態になれば、知性はどんどん拡張し、新しい発想を生み出すことにもつながるという、その「つなげる意識」の重要さが説かれている。

  • 「語彙力こそが教養である」が良かったのでこちらも読んでみました。結論から言うと、本当に読む価値がある本だと思います。ここでいう文脈とは会話や文章における文脈だけでなく、"他者との出会いも文脈、自分が生きてきた個人史も文脈、その背景にある「精神の系譜」も文脈、「この国にいま生きているというのも文脈"なのです。一見自分に関係のないように思えることにも自分を関わらせることでそれらを咀嚼し、知識や教養の土台を作りたいと思いました。

    p25
    頭のよさの本質は知識の集積にあるのではなく、集積された知識に基づいて何ができるのかにある

    大事なのは、知性を磨いて自分はどうなりたいのか。

    やはり、新しいアイデアや新しい意味を生み出せるようになることだと思う

    p29
    つながっていないものをどうつなげて考えることができるか。ーそれを探究することこそが、知性の根源的なあり方だと思います。

    p33
    多くのことに関心がもてる人は、人生で味わえる喜びや楽しみのタネも増えます。

    社会で起きている出来事に対して、自分を関わらせるという意識をもつと、だんだん身近なものになり、それ自体が関心事になっていきます。

    p50
    心に響いた言葉は、引用という方法で積極的にアウトプットするクセをつけましょう。

    p57
    パンとサーカス=食糧と娯楽
    ガラスの天井=少数派であるがゆえに阻まれてること

    p89
    「しゃべくり勉強法」
    それぞれが覚えたことを相手に話すという方法

    p93
    最初は15秒で一つのネタの話。
    次に30秒で二つのネタをつなげて話す。
    さらに、時間を1分にして三つ以上のネタをつなげて話す。

    p95
    「キーワードをつなげて話せるようにする」

    p97
    キーワードがどういうつながりをもっているかの把握ができると、そんなに全体の理解は困難なものではないわけです。

    p98
    複数のキーワードから七つを選んで、ある時代の一つの歴史状況

    p99
    三題噺
    話を面白くつなげていくコツは、「沿いつつずらす」こと

    p123
    その人の経験知をうまく引き出す会話ができる人からは、知性を感じます。
    例)何かをするにあたって大事にしたこと
    How〜?

    p148
    先人たちの知恵を「いまを生き抜くためのヒント」として、自分の日々の生活や思考に活かしていくような読み方をしてみてください。
    先人たちの叡智の泉に自分もつながりを見出すことができるか、自分の現実とすり合わせてみて、古典のなかにある普遍的な真理を汲み取ることができるか。
    古典を味わう妙味はそこにあります。

    p187
    私たちは社会のなかで生きています。活躍の場というのは、さまざまな出会いのなかで人から与えられるもの。文脈とは、多くは世の中のほうが握っていて、その文脈にどう乗るかが大切です。
    「自分がやりたいこと」ではなく、「人から求められていることにどう応えるか」が大事だという意識をもったほうが道は開けていきます。

    p189
    文脈が自分のほうに流れてくる、仕事の流れが来るようになるというのは、自分で文脈をつくるというよりは、流れを引き込みやすくすることなのだと思います。

    p193
    他者との出会いも文脈、自分が生きてきた個人史も文脈、その背景にある「精神の系譜」も文脈、「この国にいま生きているというのも文脈……、すべて文脈に基づいています。
    自分の力でなんとかできるように思うから、「どうしてうまくいかないんだ」「こんなはずではないのに」と悩むことになるのです。生きていくということは自分一人の力などではないんだと気づくことができると、自分の力を過信することもなくなります。

  • 文脈力こそが知性である
    斎藤孝
    2017年2月10日初版発行
    2017年6月29日読了

    「語彙力こそが教養である」の姉妹本。
    語彙が豊かになると見える世界が多彩になり自分が豊潤になっていく実感とともに人生の楽しみが増していく。と著者は語ります。
    語彙が増えるのは良いこと。でも語彙も文脈の中で使わないと効果を発揮しない。「場」に合っているかどうか。意味もなく難しい言葉を使っても知性を感じさせることは出来ないと。
    自分のなかに蓄積された語彙や知識を、「文脈に即して、すぐに的確に使える」ようにするにはどうすべきか。が本書のテーマでその手法について書いてありました。
    池上彰とはまた違った分かりやすさ読み易さがありました。

    テーマの1つとして「知性」とは「物事をつなげていく力」と言っています。
    知性の高い、教養ある人は集積された知識や経験をさっと色々な文脈の中で使えるのです。
    それには、ある「場」の中(講義でも会話でもメールでもその時々の文脈)で話ししている内容と別の表現をつなげて会話できる人が1つ要素としてあると。
    その例として「引用」がある。例えば、「後悔するような結果にしたくないので、全力でがんばります」と言うのと、「我、事において後悔せず」という宮本武蔵の心意気でやります。
    というのではインパクトが違ってくる。後者には宮本武蔵の言葉の力が加味されグッと表現に価値が増す。など。
    まあその為には、幅広く知識をためて、普段からアウトプット=何かに繋げられないかな?と意識することが重要なんですよね。
    他にも色々な語彙力の使い方や斎藤さんがさんが勧める書籍、思考法、読書法などが載っていました。
    200ページくらいのサクッと読める本ですが、内容のある一冊ですね。
    後半には、30過ぎまで目が出ない斎藤さんの暗黒時代の話なんかも興味深かったです。結構苦労人なんですね。あと、「心」と「精神」の違いなど。

  • 単発にその事だけではなく、繋げること。それができるようになるには、日々、繋げて話す訓練が必要。何事にも興味を持ち、繋げる幅を増やすことが大事!

  • めも
    話変わるけど、えーとは、文脈力のない人。極力言わない。話を折らない。
    蓄積している知を文脈に即して適切に的確に使えるように。
    途中から話に加わるには、カットインして突入するのではなく、頷き傾聴の姿勢を示して、その後入っても大丈夫そうだなら、共感同調を示す。自分が入るべきでなさそうなら立ち去る。

  • 伝える力は場に合ってることも一因ということですね。

  •  著者のベストセラー『語彙力こそが教養である』の姉妹本に位置する「文脈力」について述べた新書。文章とはその一文一文がつながりをもつ「意味の織物」であり、その連なる意味を的確につかまえる力を著者は「文脈力」と定義している。ただしそれは文章内に限定されたことではなく、他者との会話や場所、時代にも、そこに確実に脈打つ「意味の流れ」が存在し、それをつかまえる力も文脈力として捉えている。この文脈力を意識して生活することで知性は磨ける、発揮できると著者は述べる。

     全七章で200ページほどあるのだが、本書の要となる部分は第二章までの80ページほど。文脈力や知性についての著者独自の理論がとても興味深く勉強になる。特に第一章の「4段階の頭の良さ」は、教育関係者は肝に銘じておきたい。頭の良さをAランクからDランクまで定義しているのだが、Dランク「記憶したことを再現できる」は日本の高校の多くの授業や試験がこの域を出ていないのだ。実際に、Dランクまでしかさせてこなかった学校教育の問題点が指摘され、昨今の大学入試改革へと繋がっていく。よくよく考えてみると、これまでの多くの大学入試問題もDランクレベルである。これらが改革によりBランク「知識や情報を組み合わせて、そこからアイデアを出せる」レベルを求める入試が主流になるのだろう。(なってほしい)それに合わせて高校の授業内容も変革していくのだろうが、授業者である教員が生徒に身につけさせるべき能力を整理して理解しておくことが必須である。この「4段階の頭の良さ」は一つの指針となるのではないか。全教員がこのランクを意識して授業を作れないものか。しかし現実は自身がDランク止まりの教員が多い。そのこと自体が喫緊の問題なのかもしれない。
     第三章以降は「文脈力」という言葉の定義を生活レベルに広げてその重要性が展開されるが、本来の「文脈」という意味から離れすぎて対人関係や生き方論となっている感が否めない。話を広げて一冊の本としてまとめるためには必要なことだとは思うが、やはり重要なことは第二章までで語り終えているような気がする。
     しかしそれを差し引いても読む価値のある本だと思う。著者の語彙力の高さが、様々な場面の指針となる概念をピタッと定義してくれる。そして著者の文脈力の高さが、そこに説得力と新たな知識への刺激をもたらす。読んで損はない一冊。

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