目的なき人生を生きる (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 63
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821344

作品紹介・あらすじ

人生を意味だらけだと思うと、「つまずきの石」につまずく。
死ぬまで競争? 勘弁して。自己実現など、小賢しい。終活、就活、余計なお世話。
それでも世間はやかましい。
社会に煽られ、急かされ続ける人生を、一体いつまで過ごせばいいのか。
「それは何のためだ、何の役に立つ?」世間は「目的を持て!」とうるさい。
しかし、人は生まれる前にその問いを立てたのか、死ぬ直前にその問いを立てるのか??
「人生に目的はない」。そう考えた方が豊かな人生を過ごせると、反倫理を倫理学者が真面目に提示する。

『小さな倫理学』を唱える著者が贈る、解放の哲学

■人生の答えはありそうだが、ないという形式でしか存在し得ない
■目的論と、その手下としての合理主義や功利主義
■「幸せ」とは道路標識のようなものでしかない
■人生に目的があったら、生きる必要などない。「なぜ」なしに元気を出せることが大事
■劣等感という城壁の中に閉じこもる限り、<私>という迷宮の中から出られない
■権力好きの本質は、他者から評価されること、褒められることや意識されることを何よりも求めることである
■弱みから目をそらせるのに効果的なのが戦いという作戦なのである
■意味がないというのは答えではなくて、出発点なのだ
■人生論にしても幸福論にしても、一枚からなる決定版の処方箋を求めようとしてしまう。そんなものはない、いやあっては困るのだ。
■後ろ向きに後ずさりしながら未来に向かおうとする
■<私>とは、光源ではなく、奈落、根底、暗闇、深淵なのだ
■友達の多い人は他人を攻撃することも得意な人だ
■現世において成功している者を来世においても成功させるために、つまり現実世界を二倍化するために宗教はあるのではない
■「全力」や「がんばる」ということは、人間を誤らせやすい。
■強すぎる感情は依存症だ。
■幸福な死に方をしなければ、幸福な生き方をしたことにはならないのか
■目的がないとは、予めないということであって、最初から最後まで、現実化しないということではない。目的は最後に現れるのである。
■倫理学は自分を見つけるための視点を得ることによって自分を作ることだ。
■目的は存在しない。目的は作るものだから。
■人生は評価されるためにあるのではない。それが「尊厳」ということの意味である

感想・レビュー・書評

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  • 新聞書評欄によると
    生きる目的や悪に対峙(たいじ)する正義などを求めがちな私たちの心性は、どこかへエスカレートしていく危うさを秘めている。がんばらず、ぐずぐずに生きるのもありではないか。〈人生は意味だらけだと考えることが、足元をつまずきの石だらけにする〉〈「目的のなさ」とは、欠如や空虚ということよりも、むしろ自由な空間ということであり、器の大きさでもある〉と著者は説いているらしい。
    人生にやたら生き甲斐を求める風潮に対し、ただ「ここに居る」という存在だけで充分であるということか。在ることは奇跡に近いのかも・・・。
    硬く読みにくいのが難点。

  • 人生に目的はない、というより目的は後から付いてくる、根底にあるのは欲望、ということだと思うのだけど、判然としない書き方で読むのが辛かった

  • TVのお笑い番組は権力を学ぶ為の家庭内学習、宿題みたいなもの。集団の中で1番大きな声で笑う者は1番権力を持っている者。

    今ここにいて歩いている「私」は何者かの社、容器なのだろうか。社である以上、豪勢で威風を払うような容器であることを人は求める。人間は一人一人が神社みたいなもの。

    目が利くが故に見誤る人が人生において少なくない。顕微鏡や望遠鏡の様に倍率を誤ると見えるモノも見えなくなってしまう。

    人生の目的は何か?1つしか目的がなければ、多くの個体をこの世に増殖させる必要はない。次々と新しい個体がこの世に現れ出てくることだけで目的が1つしかないことを否定するし、目的がないということを論理的に含蓄している。
    人生において目的は分散し、迷い、見失う者が多くいなければならない。人生の答えはありそうだが、ないという形でしか存在し得ない。多様性というのが唯一の答え。

    人間とは過つ者。失敗して価値が減るのはある特定の「役割」に関してであって、人間としてではない。

  • 倫理学の本。
    東洋から西洋・イスラム思想まで、セネカから新海誠まで(特にスピノザに重きを置き)、縦横無尽に行来しながら「目的」「目標」に追い詰められない生き方について考える。

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プロフィール

山内 志朗
1957年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学文学部教授。専門は、中世哲学。『普遍論争』(平凡社ライブラリー、2008年)、『存在の一義性を求めて――ドゥンス・スコトゥスと13世紀の〈知〉の革命』(岩波書店、2011年)など。

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