正直者ばかりバカを見る (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 34
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821580

作品紹介・あらすじ

なぜ「認知症」なる病気が急に増えたのか。なぜ科学的事実を装ったウソがまかり通るのか。なぜ医療用大麻の有効性が無視されるのか――。
社会には、どう考えても理屈にあわない制度や風潮が、「正義の顔」をして厳然と横たわっている。過激リバタリアンを自称する著者が、老い先短い気楽さで、弱者や正直者ばかりバカをみる世の理不尽に物申す。バカバカしくも深くてためになる、秀逸なエッセイ。

1 不寛容な社会を生きる 
認知症の老人が起こしたJR事故の最高裁判決/若い人の自殺について/アホな法律は国民を不幸にする/自業自得論と弱者バッシング

2 科学と行政のペテン
小保方氏を擁護する人々/責任を取るという人がいない国/「種の保存法」という名の「標本破壊促進法」/日本のエネルギーを考える 1/日本のエネルギーを考える 2

3 日々是雑感
最新のがん治療薬は国家財政を破綻させる/病名を付けるのはいいことなのか/戦争はなぜ起こるのか/友が亡くなって思うこと/言葉はコミュニケーションを阻害する

4 生命と病気の不思議
人間は1000兆個の腸内細菌と生きている/狂犬病の秘密/昆虫食はエコロジカル/咽頭炎に罹る/動物の眠り、ヒトの眠り

5 富と自由と亡国と
イギリスのEU離脱と沖縄独立/グローバリズムと国民国家の狭間で/人はなぜ教育を受けるのか 1/人はなぜ教育を受けるのか 2/トランプのアメリカ

感想・レビュー・書評

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  • 生物学者による社会評論エッセイ。最近、生物学者や物理学者、医学者、数学者などの理系学者が社会に物申す的な文書を発表することが目立つ。物事に白黒をはっきりつける理系イズムが今の世の中にマッチしているんだろう。ぼやけた意見でみんなの賛同を得るなんてことは、もはや一昔前の流行だ。

    で、著者の池田清彦氏による人生これからの若い人向けの提言と社会批判。原発や大麻、ガン治療、沖縄問題など、世間で賛否両論渦巻く物事について、バッサリと自分の結論を語って、気持ちがいい。タイトルの「正直者」とはマスコミや多数派の意見を鵜呑みにする人たちだ。

  • 風刺のきいた池田節が炸裂した感じだ.どの話も落ちがあって楽しめた.腸内細菌,狂犬病,昆虫食の話は専門分野だと思うが,分かりやすく解説してある.エネルギーの話も理路整然としており楽しめた.

  • 備忘録めも
    ・昆虫食→スズメバチの幼虫
    ・原発→ミトコンドリアがんばれ

  • 私は常々「正直者ばかりバカを見る」と感じているので、この本を読んでみました。私が思っていた内容とは違っていましたが、おもしろく感じました。思っていたことをはっきり言う(言ってくれているのを聞く)のって、スッキリしますね!

    「私はもうすぐ死ぬのでどうでもいいのだが、騙されている若い人は気の毒だ。いずれにせよ日本は遠からず潰れると思う。安倍を支持している人たちは自業自得だけれど、それ以外の人たちも巻き込まれるところが腹立たしいね。」というフレーズがよく出てくるのだけども、同感。

  • いつもの感じでかかれたエッセイのような読み物思いがけないことが原因でなくなること。運命なのでしょう。

  • 相変わらず面白い

  • Twitterを見ていたら賛否あるなー。
    でも、この人のふとした時の発言や姿勢が結構好きなんだよね、てことで読了。

    タイトルから想像もつかないくらい「アホ」が連呼されている……(笑)
    なんでタイトルこれにしたんだろう。

    小保方斬りは酷いけれど、科学と信頼についての語りは面白い。

    「いくつかの政策は科学的事実に基づいて行われることも多いし、人々の福祉に役立つことも多いが、一度始めてしまった政策が、新たに判明した科学的事実に整合的でないことが分かったとしても、この政策は、なかなか廃絶されないのだ。」

    自分の直感で小保方擁護に回ることと、科学的事実の間には何ら関係がない、それは当たり前で。
    ただ、そういう声が大多数になった時、妙な力を帯びることが人の怖さなのかもしれない。

    また、言葉・概念と現象についての話も、自分の中においておきたい。
    養老孟司の黒ペンで「赤」と書く、導入のエピソード、思わず調べたよ。

    「個々の個物としてのイヌは現象として実在するが、イヌ一般は実在しない概念なのだ。」
    「名は常に不変の同一性を孕むのである。しかし、すべての現象は不変ではありえず、従って不変の同一性を孕む名によって表される概念もまた実在しない。」

    だが、池田清彦の言う言葉で、私たちは見えもしないものを信じ、時にその為に命をかける。
    前に読んだ本で、日本にとって「お国」という言葉は曖昧で、帰属意識を煽られる響きを持つ反面、それが何であるかを明らかに出来ず、むしろアンタッチャブルな面さえ持ち合わせている。

    そんな得体の知れなさを感じながらも、ここを生まれ故郷として足場に出来るのは何故か。
    と考えると、これまた背筋がゾッとする。
    結局、自分が信頼出来るのは見えること、あり得た日本であって、それは今ではないようにも思う。
    更にあり得た日本とは、今の「日本」では勿論なく、存在したのはその時間を生きていた人の群れ、でしかないんだろうな。
    (ちょっとまとまりなくて、すいません。。。)

    あとは虫を食べる話とか。
    チンパンジーやゴリラの話とか。
    教育はもはや介護と一緒という話とか(笑)

    とりあえず自分もアホと一括りにされるんだろな、と思うと笑えて、彼が亡くなる前に一度は生でお会いしたいなと感じるのだった。

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著者プロフィール

1947年生。生物学者。早稲田大学国際教養学部教授。構造主義生物学の立場から科学論、社会評論等の執筆も行う。カミキリムシの収集家としても知られる。『ほんとうの環境白書』『不思議な生き物』『オスは生きてるムダなのか』『生物にとって時間とは何か』『初歩から学ぶ生物学』『やがて消えゆく我が身なら』など著書多数。

「2018年 『いい加減くらいが丁度いい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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