池上彰の世界から見る平成史 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 227
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821689

作品紹介・あらすじ

平成31年を迎える2019年から新しい元号を用いることが決まり、激動の平成時代が、ほぼ30年で終わりを迎えることになった。そこで、池上彰氏に、世界の中の日本・平成時代を読み解いていただく。「知らないと恥をかく世界の大問題」シリーズの特別版でもある。
バブルの頂点から始まった平成時代は、その後、バブルの崩壊、失われた20年を迎えることになる。くしくも平成のスタートは、東西冷戦終結とも重なり、新たな対立構造、グローバル社会と歩みを同じくする。日本の大きな分岐点となった激動の平成時代を世界との関わりから読み解く。全面2色展開とし、写真や図表、イラスト図解などを多用する池上「平成」解説講義。

感想・レビュー・書評

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  • 今年は平成30年。来年5月から新しい元号になります。
    だから夏生まれの私にとって、平成31年の誕生日はありません。

    平成の始まったとき、世界は冷戦の終結。
    人、モノ、カネ、情報が国境を越えて自由に行き来できるようになりました。
    目に見えない壁が取り払われたことが、現在の日本の閉塞感に大きく関係している、と池上さんは言われます。

    この本で、平成という時代の世界史日本史を学べます。
    とても面白かったです。

  • 非常に読みやすい本。一つ一つの内容は薄いが、平成に起こった出来事が、過去と繋げてわかりやすく説明されている。
    これから深く勉強していく事前知識としていいのではないか。

  • 2024/02/18

  • 現在は過去から繋がっている。平成を知るためには昭和をある程度理解しておく必要がある。

    第二次世界大戦終了間際のヤルタ会議で、アメリカ、ソ連、イギリスが戦後処理について話し合ったのに、ソ連が約束を破る。東ヨーロッパからの壁になるように、ポーランド、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、チェコスロバキアを占領。ソ連寄りの社会主義国たちは「鉄のカーテン」となった。これが、東側(ソ連寄りの社会主義国)VS西側(アメリカ寄りの資本主義国)の東西冷戦時代の始まりだ。

    歴史はすべて地続き。
    アフガニスタンにソ連が進行したとき、サウジアラビアから来て戦ったのはビンラディン。当時のアメリカはビンラディンたちを支援し、ソ連は撤退。これがソ連崩壊の一因となった。その後ビンラディンは湾岸戦争時に、サウジアラビアに駐留したアメリカ軍に反発、反アメリカとなり9.11テロ事件を起こす。

    北朝鮮もソ連によって作られた社会主義国で、朝鮮戦争は東西冷戦の代理戦争だ。ソ連のスターリン同様、金一族を崇拝させている。
    同じように社会主義国だったはずの中国は世界情勢に合わせてうまく立ち振る舞い、アメリカに次ぐ大国となっていくが、北朝鮮はいまも社会主義を貫いて過剰に武装をしている。

    2022年のロシアによるウクライナ侵攻の要因は、第二次世界大戦が終わる前から現れていたことがわかる。1991年のソ連崩壊、2014年のクリミア半島のロシア併合など、すべてが繋がっている。

    令和の時代の出来事は平成、昭和と繋がっている。

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    世界情勢だけでなく、日本国内の政治や事件についての説明も多く、勉強になる本だった。

    日教組と文部省の対立問題の解説がとても興味深い。
    「教え子を再び戦場に送るな」というスローガンの下、平和運動を促進する日教組と、それらの活動を「反米路線」と捉えた右翼団体。日の丸や君が代をめぐっても争いが続き、政府は「国旗国歌法」をつくることになったとのこと。

    なんとなくわかってるつもりだった出来事も、こうやって勉強すると今までぜんぜん理解していなかったことに気づく。もっと勉強したい。

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    巻末に載っている主要参考文献のほとんどが、池上さんの本だということはなかなか興味深い事実だ。

  • 記録

  • 2021I115 201.77/I
    配架場所:A1 東工大の先生の本

  • 令和も3年目だから
    平成を振り返りたくなって読んでみた。
    それまでの歴史を振り返れるし
    これからの日本について
    考えようと思える一冊。
    過去を知ることで今がわかるけど
    今を把握して過去を見ることも
    大切だと思う。

  • 約30年間の「平成」の時代がどのような時代であったのかをふり返った本。

    バブル経済のピーク期に始まり、グローバル社会を経て世界の分断が見え始める時期までが、「平成」の約30年間の歴史です。

    平成で起こった出来事について、背景となる出来事も含めてわかりやすく解説しています。

  • 読んでいく中で点として捉えていたニュースが線としてつながっていった。

  • わかりやすい。さらっと平成の振り返りが出来て読みやすい。

  • ⑳自分の働き盛りとダブルので、いろいろな絵が浮かんでくる。世界との関連で書かれていて素晴らしい。座右に置きたい。

  • 昭和から平成に変わる時は、内向きな昭和史を
    振り返って「次の時代は?」と言う論調であった
    と記憶しています。

    平成から令和への時代の移り変わりは、もっと
    加速度的に世の中が変わっていくであろうと
    著者は予測しています。

    平成はどんな時代であって、令和はどんな時代
    になるのかを学べる一冊です。

  • 「あ~、あったね、そういうこと…」
    などと思い出しながら読み進めた。
    ひとつひとつのトピックスが短くまとめられているので、空いた時間に気軽な気分で読むことができた。短い分、簡略にまとめられていて掘り下げは足りない。が、「平成」という時代に何が起こったのか、どんな潮流が流れていて、世界は、日本は、私たちは、どうふるまったのか、を象徴的に読み取ることはできると思う。

    昭和ほど遠くなく、令和ほど新しく仕立て上げられたばかりの服のように馴染んでいないわけでもない。
    令和の時代の始まりに読むには、「平成」は実にちょうどいい距離感を携えている。
    やがて時が進み、平成が歴史になってしまうまえに読めてよかったな、と思う。

    本といつ出逢うのかなんて自分で決められそうでいて、案外そうでもない。
    令和2年の初めにこの本を手に取って「平成」を振り返られてよかった。

    巻末の「主要参考文献」リストは、池上さんの著作ばかりのようなので、執筆にあたって著者が参考にしましたよ、というものではなく、この本でとりあげた話題をさらに知りたいようでしたらこちらもどうぞ、くらいの意味合いなのかしら?

  • youtube大学見ればいいかも (笑)

  • いいね!よくわかる

  • 平成時代をザクッと知ることができる。普段は年号なんてなしにして、西暦だけでいいじゃないかと思いがちだけれど、「区切る」ことによって、ひとまとまりにして考えることができるし、改元前後の浮足立っている感じ、たまにはそういうのもいいじゃないかと思えてくる、平成最後の日でした。そういう意味でいうと、昔、災いのあと改元していた理由も納得できる。いつ頃から「昭和時代」「平成時代」という言い方は「馴染んだ感じ」になるのだろうか。そう考えると、江戸時代とか明治時代とか大正時代とかも、今は普通に使うけれど、次の元号に変わって暫くの間は「時代」をつける言い方に違和感があった時期があったのかも知れないと思えた。関係ないけれど、この紙質と2色刷りは必要だったのかな。

  • 平成の30年間のなかで世界で起こった重大ニュースを簡潔に解説している本です。
    先だって読んだ『平成論 生きづらさの30年を考える』という書籍で述べていた部分と重複する部分もありましたし、「わかりやすく」「簡潔に」紹介することに主眼が置かれているためか、物足りないと感じることが多かったです。
    それぞれの事件の背景や結果について、より深い考察がなされていると読みごたえがあったと思いますし、著者の「感想」のような部分についても詳細な分析を踏まえて論述して欲しかったとも感じます。
    例えば、小泉政権下の「郵政民営化」についても、賛成派・反対派のそれぞれの主張は紹介されているものの、「では、結局民営化が国民に支持された理由はなんなのか」ということについての分析などはなされておらず、肩透かしを食った様な読後感の章もありました。

    一方で、51の重大ニュースが2~4ページにコンパクトにまとめられていますし、年表やコラムなども充実しているので、大まかなイメージをつかんだり、ざっと平成をふりかえったりするために使う本としては有効かもしれません。

  • プロローグ 東西冷戦終結と平成の始まり―東西冷戦の歴史と世界の関係を理解しておこう(「平成」じゃない平成がスタート
    すべてはスターリンの“裏切り”から始まった
    ベルリンの壁は、恥ずかしい壁?
    冷戦への決定打「トルーマン・ドクトリン」 ほか)
    世界から見る平成史(昭和天皇崩御の裏で…
    いまの選挙制度につながる事件
    消費税は平成の幕開けとともに
    劉暁波と天安門事件 ほか)

  • ファクトがよくまとまった平成史。

    欲をいえば、
    カテゴリ別(政治・経済・外交など)にわけ、
    サマリーを付けた上での解説であると、
    より理解が進んだと思う。

  • 平成も残すところあとわずか。さすがの池上さん大変わかりやすい平成の歴史。消費税にせよ、郵政民営化にせよ、なんかしてやられた感はあるわけで。平成の30年で首相は18人。都知事は6人変わっていて、対するアメリカは6人。そもそも比較するのがナンセンスにしても、変わりすぎだよねー。これが普通の会社なら、経営陣がコロコロ変わるってどういうこと?ってなるわけで。次の時代はどうなるのかねぇ。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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