「なんとかする」子どもの貧困 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 161
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821733

作品紹介・あらすじ

ある「こども食堂」での話。
今日は鍋にしようと、大人たちが鍋料理を作ったところ、高校生の女の子が「みんなで鍋をつつくって、本当にあるんだね」と言った。彼女には、その経験がなかった。みんなで鍋をつつくというのは、テレビの中でだけ起こるフィクションだと思っていた。スーパーマンが空を飛ぶように。
同様の話を、よく聞く。大学生のボランティアに会った中三生が「大学生って、本当にいるんだね」、簡単なクリスマスパーティをしたら「これって現実なのかなぁ」。中三生でも「偏差値」という言葉を知らない。高校生がテスト中に先生を呼び止めて「『氏名』ってなんて読むの?」と聞く。
「あたりまえ」の経験や知識が欠如している子どもたちが増えている。
この子たちが世の中を回すようになったとき、世の中はどうなるんだろうか?

このような状況に腐らず、諦めず、1ミリでも対策を進める人たちが、まだこの国にはたくさんいる!
「あの子はラッキー」で終わらせない。

1ミリを動かすどんな試みが巷に溢れているか。その諸相を紹介していく。
そこには、状況の厳しさと同時に、それに立ち向かう希望が示されるだろう。
子どもの貧困は減らせる。私たちの社会は、私たちの手で変えていける。
それは、たった1ミリに敬意を払う、私たち自身の姿勢から始まるはずだ。
貧困問題の第一人者が取材した、「解決」の最前線!

感想・レビュー・書評

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  • 退屈は、何の希望も意欲ももたない状態では、人は退屈だと感じない。何かをやるエネルギーが自分の中に生まれているのに、何もやることがないとき、人は退屈だと感じることができる。

  • 読了。貧困をどうするのかと前に進む話だったので希望が持てて、明るい気持ちになった。

  • 子どもの貧困に立ち向かう仕事をしていて、心が折れかけたときに勇気をもらいました。
    これだけたくさんの人が、真剣にとりくんでいる。
    コップを1cm動かすところからはじめよう。
    正解なんてないのだから。

  • 貧困に対しどのようにアプローチするのか
    事例に沿って説明されている。
    口語で書かれている部分が割と多い。

  • 自己責任論と社会システム論を考える上で様々な取り組みが紹介されている。ほんのちょっとでも自分にできることを考え、行動するきっかけになる良書です。

  • 貧困と格差の問題は理屈は理解できても感情的に腹落ちしてない人は多いのではないだろうか。ただ子どもの貧困は大人の貧困よりは理解が得られやすく、子ども食堂の広がりは、それと関係があるかもしれない。子どもが課題を抱えているというのは、その家族、地域、社会が何かしらの課題を抱えているということである。地域の縁が薄くなり、孤立している子どもが増えてきた。それは子どもだけか。高齢者や大人もそうではないだろうか。子どもの貧困対策は地域の再生、つまり誰もが生きやすい街づくりにつながる。本書は著者の思いを抑えつつ、全国、各地の取り組みをルポのように紹介し、私たちはこれからどうすればいいかを考える希望の種を著したものだと思う。

  • 貧困問題に立ち向かう社会活動家の湯浅誠氏の著書。1mmでも物事を前に進めていくことが重要という力強いメッセージが全編を通じて書かれている。貧困問題に関心が今までなかった人も、子どもの貧困というテーマであれば、なんとかしなければと感じることが多いと思う。今、日本の子どもたちに何が起きているのか知っておくことは大人の責務であると思う。そしてこの本はそのための本になりえている。

  • 「昔のほうが大変だった」論者への説得の仕方とか、読んでてしんどい。でもあとがきを読むと、「貧困があるかないか」の話になる不毛な議論に10年前からつきあってきた人だとわかり、一歩でも貧困対策を前に進めるための選択であるとわかる。
    貧困を自己責任とか、本当はないんじゃないかとか、そういってしまえばなにもアクションをおこさなくていいし、楽なんだと思う。テレビに出た相対的貧困の女子高生とか。
    でも実際にそこにあり、一歩でも前に進めるための活動をしている人の記録。

    アプローチがさまざまで、子ども食堂や公の政策から、子ども食堂、キャリア教育のNPO(キーパーソン21)、風俗出身の夫婦がはじめた子どもや女性へのサポート、先端研のDO-ITやROCKET、はみ出している子どもや福祉から漏れた人を受け入れる環境をそれぞれの目線から作ることで、選別されて落とされる子どもを減らしたい。

  • さすが実践家の本ですね。
    参考になることが多いです。
    正直なところ僕が生保をやってた頃はきっとこの人とは相入れないやろうなと勝手に思ってました。
    でも福祉から離れて自分のやりたいことをもう一度見つめ直すとやはり先人として実践されているなという思いが先に立ちます。

    子供の貧困をなんとかしたいと
    自分のライフワークやと
    そう思っている自分が実際やってる方の話を聞いて奮い立ちました。

    さあこれからどうするか。
    何をするか。
    自問自答して行こうと思います。
    まだ始まってもいないのでd(^_^o)

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著者プロフィール

社会活動家・法政大学教授。1969年東京都生まれ。日本の貧困問題に携わる。2008年末の年越し派遣村村長を経て、09~12年内閣府参与(通算2年3ヶ月)。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。著書に『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(朝日文庫)、『反貧困』(岩波新書、第8回大佛次郎論壇賞ならびに第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)、『正社員が没落する』(角川新書、堤未果氏との共著)など多数。

「2017年 『「なんとかする」子どもの貧困』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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