「なんとかする」子どもの貧困 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821733

作品紹介・あらすじ

ある「こども食堂」での話。
今日は鍋にしようと、大人たちが鍋料理を作ったところ、高校生の女の子が「みんなで鍋をつつくって、本当にあるんだね」と言った。彼女には、その経験がなかった。みんなで鍋をつつくというのは、テレビの中でだけ起こるフィクションだと思っていた。スーパーマンが空を飛ぶように。
同様の話を、よく聞く。大学生のボランティアに会った中三生が「大学生って、本当にいるんだね」、簡単なクリスマスパーティをしたら「これって現実なのかなぁ」。中三生でも「偏差値」という言葉を知らない。高校生がテスト中に先生を呼び止めて「『氏名』ってなんて読むの?」と聞く。
「あたりまえ」の経験や知識が欠如している子どもたちが増えている。
この子たちが世の中を回すようになったとき、世の中はどうなるんだろうか?

このような状況に腐らず、諦めず、1ミリでも対策を進める人たちが、まだこの国にはたくさんいる!
「あの子はラッキー」で終わらせない。

1ミリを動かすどんな試みが巷に溢れているか。その諸相を紹介していく。
そこには、状況の厳しさと同時に、それに立ち向かう希望が示されるだろう。
子どもの貧困は減らせる。私たちの社会は、私たちの手で変えていける。
それは、たった1ミリに敬意を払う、私たち自身の姿勢から始まるはずだ。
貧困問題の第一人者が取材した、「解決」の最前線!

感想・レビュー・書評

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  • 貧困と格差の問題は理屈は理解できても感情的に腹落ちしてない人は多いのではないだろうか。ただ子どもの貧困は大人の貧困よりは理解が得られやすく、子ども食堂の広がりは、それと関係があるかもしれない。子どもが課題を抱えているというのは、その家族、地域、社会が何かしらの課題を抱えているということである。地域の縁が薄くなり、孤立している子どもが増えてきた。それは子どもだけか。高齢者や大人もそうではないだろうか。子どもの貧困対策は地域の再生、つまり誰もが生きやすい街づくりにつながる。本書は著者の思いを抑えつつ、全国、各地の取り組みをルポのように紹介し、私たちはこれからどうすればいいかを考える希望の種を著したものだと思う。

  • 貧困問題に立ち向かう社会活動家の湯浅誠氏の著書。1mmでも物事を前に進めていくことが重要という力強いメッセージが全編を通じて書かれている。貧困問題に関心が今までなかった人も、子どもの貧困というテーマであれば、なんとかしなければと感じることが多いと思う。今、日本の子どもたちに何が起きているのか知っておくことは大人の責務であると思う。そしてこの本はそのための本になりえている。

  • 「昔のほうが大変だった」論者への説得の仕方とか、読んでてしんどい。でもあとがきを読むと、「貧困があるかないか」の話になる不毛な議論に10年前からつきあってきた人だとわかり、一歩でも貧困対策を前に進めるための選択であるとわかる。
    貧困を自己責任とか、本当はないんじゃないかとか、そういってしまえばなにもアクションをおこさなくていいし、楽なんだと思う。テレビに出た相対的貧困の女子高生とか。
    でも実際にそこにあり、一歩でも前に進めるための活動をしている人の記録。

    アプローチがさまざまで、子ども食堂や公の政策から、子ども食堂、キャリア教育のNPO(キーパーソン21)、風俗出身の夫婦がはじめた子どもや女性へのサポート、先端研のDO-ITやROCKET、はみ出している子どもや福祉から漏れた人を受け入れる環境をそれぞれの目線から作ることで、選別されて落とされる子どもを減らしたい。

  • 子どもの貧困に対して具体的なアプローチを行なっている各人へのインタビューが多いので、とても参考になった。

  • さすが実践家の本ですね。
    参考になることが多いです。
    正直なところ僕が生保をやってた頃はきっとこの人とは相入れないやろうなと勝手に思ってました。
    でも福祉から離れて自分のやりたいことをもう一度見つめ直すとやはり先人として実践されているなという思いが先に立ちます。

    子供の貧困をなんとかしたいと
    自分のライフワークやと
    そう思っている自分が実際やってる方の話を聞いて奮い立ちました。

    さあこれからどうするか。
    何をするか。
    自問自答して行こうと思います。
    まだ始まってもいないのでd(^_^o)

  • 116ページ「個性を認めなきゃって言いながら、けなしてる大人。117ページの2行目「子どもがここの大学行ってくれたら鼻高々だわ」って思う自分がこっそりいたりする。って、思い当たるなぁ〜、悲しい。それからミヒャエル・エンデの「モモ」の一節の引用「将来の役に立つってことさ」これも痛いなぁ〜。ついそういう価値観に引きずられちゃんうんだよな、僕は。そして湯浅さんの「1ミリを動かす」「それは、たった1ミリに敬意を払う、私たち自身の姿勢から始まる」そうだよなぁ〜僕も、そんな気持ちにならなければ。

  • 湯浅誠さんがネットニュースに書き連ねた文章をまとめた内容だけに、雑多なテーマが並んでいます。
    これを一貫性がないと受け取るのか、バラエティに富んでいると見るのか、そこで評価が分かれると思いますが、私としては問題を表沙汰にすること自体に意味があると思うだけに、湯浅さんにはがんばってほしいです。

  • 20171029 たまたま体験農園でも子供食堂への食材のおすそ分け活動があり、孤食の事実を知った。この日本で東京都区内でも貧困はあるのだという事実。高齢化社会に向かい貧困の質が変わって来る可能性もあるのでできる事から始めたいと思っていた。この本もそんな気持ちから読んで見た。特別な人だけがなにかをできるわけではなく普通の人が目的意識からする行動が評価される世の中になるべきだと感じ、自分でできる事から始めてみようという気持ちを押してもらえた気がする。

  • 東2法経図・開架 369.4A/Y96n//K

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著者プロフィール

社会活動家・法政大学教授。1969年東京都生まれ。日本の貧困問題に携わる。2008年末の年越し派遣村村長を経て、09~12年内閣府参与(通算2年3ヶ月)。政策決定の現場に携わったことで、官民協働とともに、日本社会を前に進めるために民主主義の成熟が重要と痛感する。著書に『ヒーローを待っていても世界は変わらない』(朝日文庫)、『反貧困』(岩波新書、第8回大佛次郎論壇賞ならびに第14回平和・協同ジャーナリスト基金賞受賞)、『正社員が没落する』(角川新書、堤未果氏との共著)など多数。

「2017年 『「なんとかする」子どもの貧困』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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