ブラックボランティア (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 82
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821924

作品紹介・あらすじ

(目次)
はじめに 酷暑下で展開される未曾有の「やりがい搾取」

第1章 10万人以上のボランティアをタダで使役
無償ボランティアの根拠は何か
なりふり構わぬ学徒動員計画
驚愕の「中高生枠」
薬剤師も無償で調達で大騒ぎに
高齢者は募集対象外?
半世紀以上前に否定されていた夏季開催
19年ラグビーWCまでも無償ボランティアで
長野五輪のボランティア

第2章  史上空前の商業イベント
商業化は84年のロサンゼルス五輪から
IOCと五輪貴族を支えるスポンサーシステム
一業種1社の原則を捨てた東京五輪
組織委の不明朗な体質
パブリックビューイングを開けない「スポンサーファースト」

第3章 ボランティアの定義と相容れない東京五輪
そもそも「タダ」という意味ではない
五輪運営費の内訳に対する疑念
巨額のスポンサー料をなぜ開示しないのか

第4章  東京五輪、搾取の構造
無償ボランティアがオリンピック貴族に貢ぐ構図
「やりがいPR」で再び炎上
無償ボランティアになるためにカネを払う?
さまざまな有償ボランティア

第5章 なぜやりがい搾取が報道されないのか
「全国紙全紙が五輪スポンサー」の異常
組織委の「核心的利益」を追及しないメディア
メディアの東京五輪報道は原発プロパガンダと同根である
電通を批判できないメディア

第6章 問題を伝え続けること
5万人がリツイートした無償ボランティア批判
大学で講義をしてみると

終章  21世紀の「インパール作戦」
東京五輪とインパール作戦の相似性
外国人観光客の熱中症で病院はパニックに
組織委はボランティア全員を有償とせよ

おわりに

感想・レビュー・書評

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  • オリンピックのボランティア募集のニュースを見るたびに、商業イベントなのになぜ無償なのか?と疑問に思っていたので読んでいました。

    読後の感想ですですが、やはり無償というのはていの良い労基法のがれ、残業し放題、労災回避ではないかという思いを改めて強く持ちました。それにこれって明らかなやる気詐欺ですし。

    マスメディアがスポンサーになってしまったがゆえに、大政翼賛会的になってしまっているのも別の問題を孕んでいると思います。

    しかも、資金の使われ方が不透明、かつオリンピックと全く関係のないところに予算が使われていたりして、意味不明な状態になっているというのが感想です。

    願わくば、2020年が冷夏であってほしいです。2018年のような酷暑であると、死人が出そうな気がします。

  • 四国の山々に囲まれた
    小さな村に行く機会があった
    その日は
    ケニアのキベラ・スラムで30年間もの間、
    そのスラムに暮らす人たちと遺書に支援活動を
    されている方のLIVE&トークの会であった

    感動的なお話しが終わった後
    質問の時間があり
    その中の質問の一つに
    「アフリカに国が54か国もあるなんて
     全く知りませんでした」
    そのあと
    「二年後に東京でオリンピックがありますが、
    できるだけたくさんの国が参加できたら
    いいな、と思います」
    と 結構な年配の女性がお話になった。

    こんな風に無邪気に
    おっしゃる善意の人たちに
    「(東京に限らず)オリンピック」って
    とんでもない問題を抱えているのだけれど…
    と 伝えるのは
    ものすごく 難しい

    それでも
    理不尽なことは理不尽である!
    と 言える国でありたい

  • 2020年東京五輪は無償ボランティアを11万人募集
    感動詐欺、やりがい搾取と批判されている

    ボランティアは、自発性、非営利性、公共性などが本来の意味であり、そこに無償という意味は含まれていない。

    近年の五輪はスポンサー企業から多額の協賛金を得ているので、非営利性ではない。一方、災害ボランティアは人命救助などなので非営利性である。

    東京の真夏の過酷な日程での開催こそ、スポンサー企業の意向を重要視した金満組織の本性である。

  • メディア・リテラシーの授業にもってこいの教材である。オーディエンスと組織(送り手)と表象の問題が扱える。

  • 災害ボランティアは緊急性を要し、人道的にも崇高な精神の発露だが、
    五輪ボランティアには利益を最大限に得ようとする主催者の意地汚い面が直感で垣間見えてしまう。


    ちゃんとお金を払ってやれよ。

  • 東2法経図・6F開架 780.6A/H85b//K

  • 多少の誇張はあるかもしれないが、スポンサーがついているにも関わらず、ボランティア=無償を募るということのおかしさに初めて気が付いた。そうか、無償じゃなくてもいいんだ。組織委がいうように「感動を共有する」と言われれば、そうかと思って参加してしまう市民は絶対にいると思う。利益を手にしている人がいる反面、自腹を切ってボランティアをすることにおかしいとさえ気がつかなかった。たぶん、日本ってそういう風に教育されているんだろうな。

  • 2018年7月読了。
    交通費も宿泊費もない「タダボラ」ゆえに「Tokyoインパール2020」と揶揄される。
    金がないのならば正しく理論で武装して我が身と我の周囲の人の身を守るべし。

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著者プロフィール

1962年生まれ。著述家。1989年、博報堂に入社。2006年に退社するまで営業を担当。その経験をもとに、広告が政治や社会に与える影響、メディアとの癒着などについて追及。原発安全神話がいかにできあがったのかを一連の書籍で明らかにした。最近は、憲法改正の国民投票法に与える広告の影響力について調べ、発表している。著書に『原発広告』『原発広告と地方紙』(ともに亜紀書房)、『原発プロパガンダ』(岩波新書)、『メディアに操作される憲法改正国民投票』(岩波ブックレット)、『広告が憲法を殺す日』(集英社新書、共著)ほか。

「2018年 『ブラックボランティア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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