中国新興企業の正体 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 75
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821979

作品紹介・あらすじ

配車アプリ、シェア自転車、出前サイト、民泊、ネット通販……中国で誕生したニューエコノミー分野の新企業は、今や世界最大規模にまで急成長。“世界の工場”と言われた中国の面影は消え、技術力は世界トップ水準にまで達している。打倒ウーバーを目指す配車アプリ大手「滴滴出行(ディディチューシン)」、自転車シェアサービス最大手「モバイク」、日本では見かけないネット出前を広めた「餓了麼(ウーラマ)」、東京オリンピックをターゲットにする民泊中国最大手「途家(トゥージア)」、研究開発費でアップルを凌ぐ「ファーウェイ」、中国の消費革命を牽引する「アリババ」、グーグルに次ぐ世界2位の検索エンジン「百度(バイドゥ)」、フェイスブックを急追する「テンセント」、そして世界の空を舞うドローン製造の最大手「DJI」。スマホ決済を媒介に、日本人が知らない進化を遂げる中国ニュービジネスの最前線を追った。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:335.22A/Sh14c//K

  • 中国のシリコンバレーと呼ばれる「深圳」で最先端の風を感じよう!ということで行ってきました。せっかくだから少しでも事前情報をということで手にしたのがこちら。(直前に友人が薦めてくれました。)

    良いところも悪いところも包み隠さず書かれていたので、フラットに見ることができてよかった。

    一年くらい前に出版されたので、決して古くはないけど現地で話しを聞いたら既に書かれていることから再編されていたり、淘汰されていたりと本当に流れが速いことを痛感。

    でも、やっぱり百聞は一見に如かずです!

  • 本書では、滴滴出行(ディディチューシン、配車アプリ)、モバイク(自転車シェアサービス)、DJI(ドローン製造)、餓了麼(ウーラマ、ネット出前)、途家(トゥージア、民泊)、華為(ファーウェイ、通信機器)、阿里巴巴(アリババ、オンライン・マーケット)、百度(バイドウ、検索エンジン)、騰訊(テンセント、SNS)の中国新興企業9社の創業から成功に至る道のりを紹介している。

    紙、印刷術、羅針盤、火薬になぞらえて、『スマホ決済』『ネット通販』『シェア自転車』『出前アプリ』を現代中国の4大発明と言う人がいるくらい、中国には、我々の想像を絶するほどに進んだネット社会、スマホ社会が出現しているらしい。そのネット社会を支え、更に発展させているのが、これらの新興企業ということのようだ。

    終章で、日本にユニコーン企業が生まれない原因について、VC不在や科学技術力の低下、若者の内向き思考等とともに「日本における民主主義のコストは非常に高い」と指摘しているのが印象的。既得権者の頑強な抵抗、均質を尊び「出る杭は打たれる」日本の風土、いかんともしがたいのかなぁ。

  • 年収、利用者数などの数字の規模が日本とは全然違う。格差の大きい国だからこそ、成功者になる意義はとても大きくて、やりがいもあるのだろう。

  • 中国は世界の工場と呼ばれ、低賃金で労働力を確保できる大国と思っていませんか?
    この10年足らずで中国は劇的な進化を遂げ、今や世界一のIT大国になりつつあるそうです。
    乞食が物乞いするのにQRコードが使われ、現金をほぼ持たない世界が広がっており、今や日本以上の先進国だそうです。
    キーワードは「スマホ」
    そして、技術革新を用いて、飛躍的な進化を遂げたユニコーン企業が下記と言われています。
    ・取引高でアマゾンを圧倒し世界最大手ネット通販「アリババ」
    ・グーグルに次ぐ世界2位の検索エンジン「百度(バイドゥ)」
    ・研究開発費でアップルを凌ぎ、移動通信設備の出荷数世界一の通信機器メーカー「ファーウェイ」
    ・フェイスブックを超える勢いの10億人ユーザーを抱えるSNS「テンセント」
    ・ウーバー越え配車アプリ「滴滴出行(ディディチューシン)」
    ・自転車シェアサービス最大手「モバイク」
    ・世界シェアの8割を握っているドローン製造メーカー「DJI」
    ・ネット出前の最大手「餓了麼(ウーラマ)」
    ・民泊サイト最大手「途家(トゥージア)」

    この9社の創業者は4人が20代、3人が30代、2人が40代前半で創業しています。
    中国は政策含め、ベンチャー企業が育ちやすい環境をわずか10数年で整え、IT大国へ変貌したそうです。
    <P93参照 短期間でベンチャー成功に欠かせない4つの条件>
    ① 創業者のベンチャー意欲
    ② 起業を歓迎する社会的風潮
    ③ ベンチャーキャピタルによる支援 
    ④ 政府によるベンチャー奨励
    (※日本は特に②③④が世界中を見渡しても低いらしいです。①も低いかもしれませんが。。)
    中国はもはや途上国ではなく、先進国。。下手すればアメリカ以上の先進国となる日は近いと呼ばれています。
    その中国が近隣である日本市場を狙っているということで、他人事ではない内容となっております。
    この本を読んで、個人的には、視野を広げる機会を意識的に増やさないと、いつのまにか取返しのつかない状況に追い込まれてしまうこともあるのではないか・・・と危機感が増しました。

  • 配車アプリ「滴滴出行」、シェア自転車「モバイク」、ドローン製造の最大手「DJI」…。いまや多くの中国の新興企業が世界トップ水準にまで成長した。各社はいかにして誕生し進化を遂げたのか、事情に詳しい著者が詳説する。

    序 章 ニューエコノミーではもはや先進国の中国
    第1章 打倒ウーバーを目指す配車アプリ大手「滴滴出行(ディディチューシン)」
    第2章 自転車シェアサービス最大手「モバイク」の神話
    第3章 世界の空を舞うドローンを製造する「DJI」
    第4章 日本では見かけないネット出前を広めた「餓了麼(ウーラマ)」
    第5章 東京オリンピックをターゲットにする民泊中国最大手「途家(トゥージア)」
    第6章 研究開発費でアップルを凌ぐ「ファーウェイ」
    第7章 中国の消費革命を牽引する「アリババ」
    第8章 グーグルに次ぐ世界2位の検索エンジン「百度(バイドゥ)」
    第9章 フェイスブックを急追する「テンセント」
    終 章 世界に挑戦する中国のニューエコノミー企業

  • 中国がいかに勢いがあるかが良く分かる。
    イノベーション大国中国。
    ・アリババVSアマゾン
    ・百度VSグーグル
    ・テンセントVSフェイスブック
    などなど

    アメリカのGAFAを中国のBATHを凌駕できるのか。
    できるかも・・

  • なかなか面白い。投資金額がいずれも大幅に日本の企業を上回っており焦る。日系企業頑張って欲しい。日本は規模が小さい。グーグルの中国撤退に関わる書き方がかなり中国寄りで少し反感を覚えたが、概ね好評。日本の企業はもっともっと本格的に中国投資しないと中国企業だけではなく、欧米企業にも勝てないよ。

  • エネルギッシュな中国企業が知れた。
    中国というと中国共産党の支配でサービス産業
    が発展せず、安価な労働力と先進国のぱくりで
    しか成長出来ないと思っていた。

    この本の成功した起業家は皆強いコネもなく
    困難を乗越えてきた成功者である。

    日本の経営者はある程度の富裕層から形成され
    官僚化し前例履習と失敗しない低リスクの改革
    で問題を先送りにしている。

    中国は基礎分野に強いアメリカモデルと応用分野
    に強い日本モデルを折衷化しているようだ。

    資本主義と社会主義の第3の道を模索しているか。

    社会を構成する人材も階層化されると互いの
    利害関係が強まり形骸化される。

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著者プロフィール

(しん さいひん) 多摩大学大学院フェロー。株式会社中国ビジネス研究所代表、中国ビジネスフォーラム代表。1944年、中国江蘇省海門市生まれ。81年、中国社会科学院大学院修士課程修了。三井物産戦略研究所中国経済センター長を経て、08年4月より多摩大学・同大学院教授。15年4月より現職。主な著書に『中国の越えがたい「9つの壁」』『大研究! 中国共産党』『今の中国がわかる本』『検証 中国爆食経済』『中国経済の真実』など。

「2018年 『中国新興企業の正体 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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