クリムト 官能の世界へ (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 50
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821993

作品紹介・あらすじ

19世紀末のウイーンに現れるや、絢爛豪華な作風で美術界を代表する画家となったグスタフ・クリムト(1862-1918)。没後100年を迎える今、主要作品のすべてをオールカラーで1冊にまとめました。美しい絵画を楽しみながら、最新研究を踏まえた最新のクリムト論を知ることができる決定版の1冊です!

感想・レビュー・書評

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  • クリムトよりちょうど100歳若い平松洋さんが、クリムトの絵をカラーで紹介解説。
    だから新書にしてはとても高いですが、綺麗で楽しいですね。

    読み終わって思ったこと、3つ。
    一つ目。私はウィーンに行くまではクリムトって好みじゃなかったけど、美術史美術館で生で見てファンになりました。
    当時クリムト生誕150年だったので、足場を組んで天井の装飾画をすぐ近くでみることができたのです。
    「クリムトって、こんな素晴らしい絵を描く人だったんだ」

    でもクリムト自身はその後ウィーン分離派を結成し、
    そういったアカデミズムとか歴史主義から離脱していくんですね。
    そこからが有名なクリムト作品になっていくんです。
    ピカソも昔の作品を見ると「上手い…」と思うので、
    私には天才画家のことはよくわからないみたいです。

    二つ目。クリムトは結婚せずに多彩な女性関係をお持ちでした。
    当時のウィーン社会がもっていたダブルスタンダード、
    遊ぶ対象の「街の女」と結婚対象の「淑女」の分裂。
    クリムトが描いた女性たちも、素描のモデルになった下層階級の「街の女」と
    肖像画のモデルとなった「淑女」たちだったのです。
    特に上流階級の貴婦人でモデルになったのはユダヤ人が多かったんですって!
    そういえば今六本木に飾られているルノワールによる『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』もユダヤ人。
    ユダヤ人、目立って金持ちが多かったのでしょうか、この時代。
    なんか、酷い目にあわされている印象だったのに。

    三つ目。先日中野京子さんによる『ART GALLERY テーマで見る世界の名画 5 ヌード かぐわしき夢』を読んで、
    ネットでヌード絵画を検索してみましたが、芸術と非芸術の区別がつかないのです。
    どう見てもエロいのがたくさん出てきます。

    でも「世界の名画と言われる絵画」はなぜ芸術なのか?(とくにクールベが疑問)
    それとも当時はじつは今のAVのような扱いだったのか?
    あるいは表にでてこないだけで芸術でないヌードは別に存在していたか?
    読みながらそんなことを考えていました。

    いちおう、この『クリムト』で結論を出しました!
    「表にでてこないだけで芸術でないヌードは別に存在していた」だと思います。
    なぜなら、この本の終わりの方に、クリムトのそういう絵がたくさん掲載されているので。

    平松さんのお言葉を借りれば、
    「画家にとって極めて私的な、日記のような存在」
    「自らの感興のために描いたと思われる官能的な裸婦画」
    「自らの閉じられた欲望にどこまでも沈潜し、その欲望が求める官能的身体象を飽くことなく追及したものだろう」
    「好事家の間では知られていたようだが、生前に公開されていない以上、社会的影響力はほとんどなく、一部に言われるような女性の欲望を肯定し、古き道徳観からの解放を目指したものではない」
    とのこと。

    もう、やーね!
    クリムトさんったら!

  • 世紀末じゃないんだ

  • いつかクリムトの作品をこの目で観たい♡

  • 19世紀末のウイーンに現れるや、絢爛豪華な作風で美術界を代表する画家となったグスタフ・クリムト(1862-1918)。没後100年を迎える今、主要作品のすべてをオールカラーで1冊にまとめました。美しい絵画を楽しみながら、最新研究を踏まえた最新のクリムト論を知ることができる決定版の1冊です!(袖)

    クリムトと言えば『ユーディト』や『接吻』の黄金様式だとばかり思っていたのですが、初期にはアカデミック、後期には象徴派的な絵画も描いていたんですね。面白かったです。
    また、初期の風景画(特に『沼』)がとても写実的なことにも驚きました。

  • ‪グスタフ・クリムトといえば眩いばかりの黄金様式の絵画のイメージが強いですが、それ以前に仕事として受けた建築の室内装飾(伝統的で歴史主義的な「リングシュトラーセ様式」)、上流階級の貴婦人たちの肖像画や点描風の風景画など、新たなクリムトの一面に出会えた一冊でした。掲載されている作品は、全てカラーなのも嬉しかった。2019年開催の展覧会が楽しみです。

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著者プロフィール

1962年、岡山県生まれ。早稲田大学文学部卒。展覧会の企画・運営やプランニングとともに執筆活動を行い、早稲田大学エクステンションセンターなどで講師も務める。主な著書に『最後の浮世絵師 月岡芳年』『名画の謎を解き明かす アトリビュート・シンボル図鑑』『ラファエル前派の世界』『バーン・ジョーンズの世界』『名画で見る シェイクスピアの世界』『名画 絶世の美女130人』『名画 絶世の美女 ヌード』『名画 絶世の美女 魔性』『名画 絶世の美男 同性愛』『芸術家たちの臨終図鑑』(以上、KADOKAWA)ほか多数。

「2018年 『クリムト 官能の世界へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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