「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040822273

作品紹介・あらすじ

AI時代の新しい働き方を実現するためにもっとも重要なスキルが、「超」独学法である。経済学、英語、ファイナンス理論、仮想通貨、人工知能など、どんなジャンルも独学できた最先端かつ最強の勉強メソッドを初公開。


独学は、無限の可能性を持っている。そのことをできるだけ多くの方に知っていただくために、本書は書かれた。
新しい勉強の時代が到来している。勉強の必要性が高まるとともに、独学で勉強することが容易になった。
ウェブや検索を利用することによって、20年前には想像もつかなかったほど効率的に独学を進めることができる。
このチャンスをうまく活かすことができるかどうかで、その人の将来は大きく違うものになるだろう。

「勉強が必要だとは感じているが、どのように進めたらよいか分からない」と考えている人が多い。
そうした方々は、本書によって、独学がいかに効率的な勉強法であり、しかも、楽しいものであるかを知っていただきたい。そして、独学の素晴らしさを実感していただきたい。
それらの方々に対して、本書が新しい可能性を拓くガイドになることを望みたい。日本の未来は、そうした人たちの努力によって拓かれていくだろう。
―本文「はじめに」より抜粋

【本書の目次】
第1章 独学の第一歩を踏み出そう
第2章 独学者たちの物語
第3章 私も独学で勉強した
第4章 独学は新しい働き方を可能にする
第5章 なぜ学校でなく独学のほうがよいのか? 
第6章 独学を継続させるには 
第7章 学ぶべきことをどのように探し出すか? 
第8章 英語は独学でしかマスターできない 
第9章 検索は独学の重要な道具
第10章 人工知能の時代に独学の必要性は高まる

感想・レビュー・書評

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  • 『「超」整理法』で有名な、野口悠紀雄氏による、独学法の本。
    「独学に才能はいらない」。

    「勉強が重要であることは分かるのだが、独学のやり方が分からない」という人のために書かれた本です。
    なぜ独学の方がよいのか。

    まずは、野口氏の全くの独学による公務員試験の突破法にはじまり(氏は2位で合格)、特に詳しく述べられているのは、外国語の独学による修得法。
    私は外国語が学生時代、大変苦手な方でしたが、「ああ、野口氏の方法を読んでいれば、もっと外国語にも意欲を持てただろうなあ」と思いました。

    もうひとつ詳しく述べられているのが「検索」による、勉強の仕方。若い方は「検索」なんてごく当たり前に使いこなされているかと思いますが、私はそういうのに疎い方なので、かなり役に立ちました。

    最後はAI時代の学びなどにも触れられています。
    これから何か独学しようと思われている方、講習などを受けにいこうか迷っていらっしゃる方には一読をお勧めします。
    本1冊読むだけで、講習代がまるまるうくかもしれないですね。

  • 「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ
    著:野口 悠紀雄
    紙版
    角川新書 K-215

    良書、人生100年時代を生き抜くためには、生涯を通じて学習し、成長しつづけるしかない。
    そのための方法は独学であり、それが一番効率的である。これが本書のメッセージです

    独学を続けていくには、何を学ぶかを決め、どのようなカリキュラムで学ぶのかも自分で決めなければならない

    気になったのは、以下です。

    広く浅く、勉強するではなく、知るべきことに焦点を絞って、勉強することが必要になる
    独学の大きな長所は、楽しいことだ
    独学の欠点は、
     ①継続できないで途中でやめてしまう危険が大きい
     ②ある目標を達成するために、何を勉強したらよいのか、どう勉強したらということが明確でない
     ③独学では、クラスメイトや、勉強仲間を作れない
    独学、いますぐ、実行してみよう
    独学する習慣を持っている人と持ってない人とでは、時間が経れば大きな差が生じてしまいます

    言語を習得する方法
     大声でたくさん音読する
     ちょっとした翻訳をうる
     毎日一回は授業をうける
     興味がある対象について常に作文を書くこと、それを先生の指導で訂正する
     前の日に直した文章を暗記して自壊の授業で暗唱すること

    アメリカの大学院では、死に物狂いで猛烈な勉強をしている
    彼らが行っている勉強は、学歴を得るための勉強ではなく、実力をつけるための勉強だ

    学校時代に習ったことは、あっという間に陳腐化する
    これまでやっていた仕事が、技術進歩によって消滅してしまうのである
    しかし、他方において、適切に対処すれば、現在の情況は大きなチャンスに転換しうる
    変化が激しいとは、新しいフロンティアが広がるということだ
    そこにはまだ誰も手につけていないので、思うがままの発展をすることができる

    英会話学校、資格取得のための学校、通信教育、パソコン教室等々
    これらは、授業料を稼ぐために行っている営利事業である
    そのため、勉強をしたい人のニーズに本当に応えているかどうか、疑問である
    コストを払っても、それ相応のリターンが得られるとは限られない
    逆に独学はタダだから、質が悪いとは言えないのだ
    同じことは、独学でもできる。自分の必要に合った勉強ができるから、効率的だ。

    社会人の勉強では、必要とされる知識が、人によって大きく違う
    また、達成したいと思う目的も個人によって違う
    一般的な社会人講座で得られるような知識では、仕事には役立たないことも多い

    実技は独学には向かない
    ギルドによる職業免許との戦い
    中世のヨーロッパの徒弟制度も、独学を禁止する制度だった
    さまざまな技術は親方から口承で伝えられ、それらが文章化されることはなかった

    継続は力なり
     ゲーテ 訓練、訓練、訓練、訓練が巨匠を作る 巨匠は天から降ってくるものではない

    継続のために必要な4つのこと
     ①はっきりした目的を持つ
     ②強いインセンティブを持つ
     ③勉強の楽しさを活用する
     ④時間を確保する

    自分でカリキュラムを作る

    問題は何か、重要なことは何か
    集中すべきところは、急所、つぼ、抑えどころ、勘所、コツ、などと呼ばれている
    クリティカルなことを、教えてくれるのがよい教師

    本に書き込みをしよう
    本を読むときに、線を引いたり、書き込みをしたり、本の最初の余白の部分に要約を書いたりしている
    後になって読み返す場合に便利だ
    本をきれいに読まなければならないというのは、間違いだと思う

    外国語を勉強する方法
    文章を丸暗記する
    単語を孤立して覚えるのではなく、文章として覚える
    20回程度聞けば覚えらえるだろう
    外国語は、独学でしか習得できないのだ

    誤りとは、流暢に話せるようになりたいと考えることだ
    実際には、正確に聞けることのほうがはるかに重要である
    ①話せても、聞いて理解できなければ実用にならない
    ②正確に聞くことができれば、自動的に話せるようになる

    誤りは、外国語を一旦、日本語にして理解しようとすることだ
    いちいち、日本語に翻訳していては、日常的なコミュニケーションのスピードについていくとはできない

    独学では、カリキュラムの作成が最も難しいとは、体系を作るのは難しいということである

    目次
    はじめに
    第1章 独学の第一歩を踏み出そう
    第2章 独学者たちの物語
    第3章 私も独学で勉強した
    第4章 独学は新しい働き方を可能にする
    第5章 なぜ学校でなく独学のほうがよいのか? 
    第6章 独学を継続させるには 
    第7章 学ぶべきことをどのように探し出すか? 
    第8章 英語は独学でしかマスターできない 
    第9章 検索は独学の重要な道具
    第10章 人工知能の時代に独学の必要性は高まる
    図表
    索引

    ISBN:9784040822273
    出版社:KADOKAWA
    判型:新書
    ページ数:240ページ
    定価:840円(本体)
    発売日:2018年06月10日初版発行

  •  「超整理法」「超勉強法」から20数年。久々の野口先生の「超」シリーズ。
     「独学は楽しく、効率的。学部レベルの勉強は独学ででき、仕事で直接必要な知識の殆どは独学で学んだ」と野口氏は言う。自身、東京大学・大学院で応用物理学を専攻しながら、国家公務員上級に経済職で大蔵省に入り、その後経済学者になったという経験から力説する。
     「生涯学習」が言われるようになって久しく、今は若者のみならず中高年にも「リスキリング」が求められる。大学卒業・就職後も常に学び続けなければならない。そのための手法が正に独学。
     何のためにという「目的」を明確にし、いつまでにどれだけという「目標」を設定し、自分は何の知識を得たいのかという「問い」を立てる。学校に行かなくても、ネット上に山ほど教材はある。この中から自分に必要なものを見付け出す「情報の目利き」能力が、益々必要になってこよう。
     難しい・理解できないことに当たると、つい「大学で専門に勉強しなかったから…」を言い訳にしてきたが、独学でもそれなりに何とかなると信じよう。
     まずは、疑問点を検索することから始めることにした。 

  • 著者は、独学には無限の可能性があることを多くの人に知ってもらいたいため本書を書いたという。

    本書では、まず、独学で何かやってみよう!と、一歩踏み出すことを提唱している。
    歴史上の偉人達を例にとり、不遇な環境の中で独学し成功を修めた偉人達の独学法を紹介したり、また、著者の経験(著者は自身のことを「独学の専門家」と表現している)に基づくエピソードを交えながら独学の効用を示し、同時に心理的なハードルを下げている。

    さらに、独学で勉強することで、実力を獲得できフリーランスや兼業・副業など、新しい働き方を手に入れることができると主張している。その背景には急速な技術進歩によって世の中が大きく変化し、知識の陳腐化や資本の重要性の低下(持たざる経営)が進むことで逆に新しいチャンスが生まれ、フリーランスとして働く機会が増えるためだ。現にアメリカでは労働人口約1.6億人のうち約4割弱がフリーランサーであり、10年後にはそれが過半を占めると予測されている。

    このように独学によって大いなる可能性が開けるが、一方で勉強をするという点においては、学校に通うのではだめなのか、また、どのように独学を継続させればよいのか、そして独学する対象をどのように探せばよいのか、さらには探し方はどうするのかなど、独学を進めていく上で生じる疑問点に対し、通学やカリキュラムの効用などの観点などから、英語の独学を例に論じている。

    AIの発達によって人間の仕事の代替が一定程度進んでいく。ただし、すべてが代替されるわけではなく、勉強の必要性がなくなることはない。知識は外部メモリにあればよいという意見は確かにある。しかしながら、勉強により知識を得るからこそ、新たな疑問を抱き、探求へとさらに勉強をする。知識が乏しい人は、疑問を抱くこともなく、したがって探求をすることもなく、いつになっても昔からの状態に留まる。ビックデータをもとにAIがレコメンデーションやパーソナルアシスタントができても、「何を知るべきかという方向性を決めること」はできない。これこそが、AI時代を生き抜くための独学の意義であり、最も重要な課題である。

  • 超整理法でおなじみの著者による、独学のすすめを書いた本。
    まずは最初に行動をしてみようと、勇気づけてくれる。そして、独学の先人たちは、どんな面々なのかが紹介される。ご自身の独学の経験も語り、独学のメリットを整理している。
    学ぶのに必ずしも学校に通う必要はない。学び続けることができれば、独学ほど理にかなった学び方は他にない。なので、継続のためのメソッドが重要とある。第6章に継続させる秘訣が書かれている。ここで、腹落ちできたら独学に取り組む準備はできた。
    何を学び、どれくらいの時間を確保できるかの見通しがついたら、さぁ始めよう。

  • よし!勉強しよう!って思える本でした。
    やる気があれば、調べものはネットですぐに出来るので、独学する人には非常にいい時代になりました!
    とにかく始めてみましょうー!!
    著者の野口先生は、、とっても頭か良くて魅力的ですねー。
    いい本なのでぜひぜひ読んでみてください。

  • 「超」勉強法の野口さんの独学術。かつての勉強法が現在流にUpdateされているのがさすがと言わざる得ない。学びの継続のために①目的②インセンティブ③勉強の楽しさ④時間を確保の4点をあげる。アメリカのフリーランスの割合増加、日本も同様の推移をするだろうと考えには賛同。会社にしがみつくのではなく、如何にして自身の市場価値を高められるか。そのためにも勉強。また終章の「AIが発展すればするほど更に勉強の重要性が増す」という記述に自身の学ぶ意欲が刺激されずにはいられない。1h1min.

  • 832

    学者では、数学に独学者が多い。実験器具などが必要なく、座学でできるからだろう。

    ウェブの記事は玉石混交である。そして、学び始めた者には、質を評価しにくい。だから、いまやるとしても、ウェブに完全に依存するのではなく、百科事典に依存するほうがよいと思う。

    知識を増やしたければ教えよ 「知識を増やしたければ教えよ」と言われる。これは正しいと思う。 「人に教える」ことは、勉強の強力な牽引力になる。

  • ベストセラー「超」シリーズの勉強編。
    AI時代の新たな学び方として、「独学」が社会人の効果的な学び方として主張しています。
    これまでの「超」シリーズは、どちらかというと、ちょっとしたテクニックを紹介していた印象でしたが、今回は、学校やスクールなどの勉強と比較して、独学の優位な点、独学を進めるための意識づけという部分に力点が置かれたので、少し残念な気がしました。
    一方で、著者が考える、これからの勉強に対する考え方、学ぶことの必要性など、改めて考える機会となりました。


    ▼独学が学校の勉強と違う最大の点は、「問題は何か」を自分で捉えることだ。大学の勉強では、専攻を決めるときには考えるが、あとは大学がカリキュラムを与えてくれる。つまり、問題は与えられている。
     しかし、独学ではどの方向に進むか、何を勉強すればよいのかを、自分で決める。指示待ち人間ではだめだ。
     何を勉強すべきかは、目的によって異なる。
    ▼「何を知るべきかという方向づけを明確にすること」。これこそが、独学における最も重要な課題である。
    ▼AI時代において重要なのは、「私が知りたいことは一体何なのだろうか?」、あるいは、「私がすべきことは一体何なんだろうか?」ということである。
     これこそ、知識の探求ということにおける、最も重要な課題である。そして、それは、その人がそれまで習得した知識と問題意識によって決定されることだ。
     「何を知るべきかという方向を決めること」、これこそが最も重要な課題だ。これはAIによっても解決できない問題だ。
    ▼知識の価値が低下したと思わない理由
    ①新しい情報に接したとき、それにどのような価値を認めるかは、それまで持っていた知識による。知識が多い人は、新しい情報から刺激を受けて、大きく発展する。新しいアイデアを発想するためには知識が不可欠だからだ。
    ②質問をする能力を知識が高める。何かを知りたいと思うのは、知識があるから。そして、質問を発することによって、探求が始まる。


    <目次>
    第1章 独学の第一歩を踏み出そう
    第2章 独学者たちの物語
    第3章 私も独学で勉強した
    第4章 独学は新しい働き方を可能にする
    第5章 なぜ学校でなく独学のほうがよいのか?
    第6章 独学を継続させるには
    第7章 学ぶべきことをどのように探し出すか?
    第8章 英語は独学でしかマスターできない
    第9章 検索は独学の重要な道具
    第10章 人工知能の時代に独学の必要性は高まる

  • ベストセラーとなった『「超」勉強法』(講談社文庫)の著者が、独学の方法について語った本です。

    『「超」勉強法』とおなじく、これからの時代には大学を卒業したあとも勉強をつづけることが必要になるという考えにもとづいて、独学の意義を説いています。また、インターネットの普及にともなって独学に有益な条件が整っていると主張するとともに、インターネットを利用するさいに注意しなければならないことについても触れられています。

    すでに著者の本を何冊か読んでいたので、あまり目新しい内容はなかったのですが、学ぼうとする読者の背中を押してくれる本だと思います。

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著者プロフィール

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業。64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て2017年9月より早稲田大学ビジネスファイナンス研究センター顧問。専攻はファイナンス理論、日本経済論。ベストセラー多数。Twitterアカウント:@yukionoguchi10

「2023年 『「超」整理手帳 スケジュール・シート スタンダード2024』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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