カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040822693

作品紹介・あらすじ

「カサンドラ症候群」とは、カサンドラ症候群とは、ある種の障害や特性により心が通わない夫(または妻)をもったパートナーに生じる心身の不調。
現在、明確な診断基準は定められていないが、発達障害の急増とともにカサンドラ症候群の症状を訴える人も増えている。
本書では、カサンドラ症候群の概要や症状、対処法について紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • アスペルガー症候群や、回避性愛着など、相手への共感性が乏しいパートナーを持った場合に発症する可能性のある「カサンドラ症候群」について紹介した本。
    この著者の本は「アスペルガー症候群」「回避性愛着」それぞれを読んできていているが、今作ではこれらの傾向を持った人と深くかかわる家族のメンタルに焦点が当てられています。

    興味深いのは、人格が周囲の人間関係から独立して存在するものとも言い切れないことでしょうか。
    個人の性格については、当然、独立した人格として他者からの影響でも変わらない部分はあります。
    しかし、その性格がどのように発現するかは、近しい人との関係性によるところが非常に大きい。回避性愛着スタイルのパートナーを持つ不安型愛着スタイルの人が、必ずしも上手く行かないわけではなく、安定した関係性を築けているケースもあるわけです。
    その場合は、不安型愛着スタイルの人であっても、相手に執着したり、まして二分法的認知でもって相手を攻撃することもなく、穏やかな状態でいられるということです。

    関係性にとって、必要なのは互いの「安全基地」であるということだと著者は言います。
    2人の関係性についてはどちらかが悪いということではなく、互いの愛着スタイルの特徴を知って協力していくことが望ましいようです。

    統計によると、離婚を経験した男性の寿命は10年、女性は5年、短い傾向にあるそうです。
    だからということでもないですが、相手だけでなく自分の中にもある問題に目を向けず、関係を終わらせて次を探してもまた同じ結果になる可能性があるとのこと。相手だけでなく、自分のことも知り、関係性を修復していくことは、夫婦間に限らず、さまざまな人間関係を豊かにしていくことでもあるかと思いました。

    ーー重要な情報ーー
    pp63-64
    「大人のADHDと呼ばれるものも38年間の研究の
    結果、その9割は、発達障害ではなかったという事実が判明した。-(中略)-発達特性以外にも、養育環境の影響による愛着障害やパーソナリティ障害を抱えていることも少なくないし、さらにそこに職場環境のストレスが加わり、ネットやゲーム、アルコールへの依存症、打つなどの気分障害を来し、それらがトータルに作用した結果として、共感性の低下が起きている場合もある。」

    「発達障害傾向=治らない」という認識だったけれど、共感性が低いのは、要因が重層的に積み重なった結果であり、環境の変化で変わる可能性もあるということだと解釈しました。

    参考)
    「回避性愛着障害」
    https://booklog.jp/item/1/4334037755

    「アスペルガー症候群」
    https://booklog.jp/item/1/4344981421

  • アスペルガーだけに限らず、回避型愛着スタイルのパートナーを持つと、陥ってしまうカサンドラ症候群という状態。

    夫がアスペルガーか、回避型愛着スタイルなのではないかと疑っています。
    どちらの傾向も持っているのですが、どちらかといえば回避型愛着スタイルかな……
    問題なく一緒に過ごせる時もありますが、大部分、穏やかには過ごせません。とても疲れます。

    離婚という選択肢もありますが、うまく一緒に暮らしていけるなら、その方がいいので、この本がその一助になればと思い。
    読んだからといって解決することでもないですが、何も知識がないまま、相手にイライラするよりは、イライラの背景などが理解できて少し気持ちも落ち着いたように思います。
    どちらか一方が努力すれば済む話でもなく、お互いが努力をしたり、思いやったり、意識を少し変えていったりしなければならないことですが、ちょっとでも良い方向に進めばいいなと、この本を読んで思いました。
    とりとめもない感想ですが……
    アスペルガーだけにくくらず、愛着スタイルについても十分説明してある所が良かったです。

  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=155124

  • カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら。岡田尊司先生の著書。カサンドラ症候群の概要や特徴、カサンドラ症候群の対処法などがわかる良書。本書を読むと、カサンドラ症候群の特徴を持つ人は身近に意外と多いと思うかもしれません。

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著者プロフィール

1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院で研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで、困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)、大阪心理教育センター顧問。著書に、『愛着崩壊』(角川選書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(以上、光文社新書)、『パーソナリティ障害』(PHP新書)、『母という病』(ポプラ新書)など多数。小笠原慧のペンネームで『DZ』(横溝正史ミステリ大賞受賞、角川文庫)などの小説作品がある。

「2018年 『愛着アプローチ 医学モデルを超える新しい回復法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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