売り渡される食の安全 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 73
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040822983

作品紹介・あらすじ

(章構成)
はじめに
第一章 「国民を二度と飢えさせない」――先人の思いが詰まった法律はなぜ廃止されたのか
第二章 海外企業に明け渡された日本の農業
第三章 自分の畑で採れた種を使ってはいけない
第四章 市場を狙う遺伝子組み換えの米、そしてゲノム編集米
第五章 世界を変えたモンサント裁判
第六章 世界で加速する有機栽培
第七章 逆走する日本の食
第八章 日本の食は地方から守る
あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 食の安全を自分だけで守ることはできない。
    種子法廃止の問題点が分かりやすく書かれていた。
    未来のために地道に動いていく必要性を感じた。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/522755

  • 農薬、遺伝子組み換え、ゲノム編集…
    食を安定化させるためには必要かもしれないが、長期視点に立った時に果たして正しい選択だったのか、というのにはまだ結論が出せないですね。ただ、世界的リスクマネジメントという観点では研究開発投資はしておいた方がいいかなとも思うし、投資するならどこかで回収はしないとだし、研究する側もモチベーション上がらない。けど、市場投入できないジレンマ。自然界の警鐘には耳を傾けた方がいいと思うんですよね。

    人間の根幹ともいえる食の話なので、短期の対策や目先の利益だけで判断せず、あるべき姿を議論した上で、その一歩になる施策をしていきたい。世界の流れと逆行してるからおかしいではなく。ましてや、他分野とのバーターに使うのは最低ですね。経済も大事だけど、安全基盤があっての経済かと。

    競争社会だけの食は少々不安なので、なんとかしないとです。

  • 問題点をいろいろと知ることができたのは良かったが、有機農業のあたりのくだりは、極論に傾いているように思いました。

  • 遺伝子組み換え作物が持つ問題点がよく理解できた。種子法を早く復活させなければならないと思う。著者は、元農水大臣であり、説得力のある重要なメッセージを読者に発している。みんなに勧める本です。

  • 著者は民主党時代に農林水産大臣を務めた。農家に育ち、400頭の牛を所有する牧場の経営者だったこともあるが、弁護士で政治家。盛りだくさんな内容を丁寧にわかりやすく並べて書いている。ほとんどはモンサントの話だが、現在の日本の農業政策や世界の潮流などもよく理解できる。
    以下はメモ。
    2018年4月に種子法が廃止された。食料農業農村政策審議会にも審議をかけず、パブコメも集めない。政府の強引さが目についた。農水省の奥原正明は農協解体派。「旧態依然の農林水産業は近代産業化されて最終的には農林水産省が必要とされなくなるのが理想」と言ってはばからず、農水官僚の仮面をかぶった経産官僚と言われた。同期の本川一善が2015年に事務次官に就任しても退官はせず、わずか10ヶ月で本川氏が退任すると事務次官に就任する異例の人事で周囲を驚かせた。2014年に内閣人事局が設置され、官邸の意向が反映された人事だったと見られている。種子法の廃止はその8ヶ月後に閣議決定されている。
    モンサントはアメリカで発がん性が問われた裁判で立て続けに敗訴し、世界各国で使用を禁止する国が増えている。敗訴の直前にモンサントを買収したバイエルはモンサント関連事業でマイナスを計上し続けている。ロシアでも市民の多くがラウンドアップ、グリホサートに嫌悪を示し、メドベージェフ大統領(当時)は、「アメリカ人が使いたければ使えばいい。我が国では禁止する」アメリカでの訴訟の数はさらに増える見込み。
    中国は遺伝子組み換えに積極的だったが、結局禁止した。そのような中、日本は「遺伝子組み換えでない」と表示する混入の条件を「5%以下」としていたのを「不検出」にまで厳しくする。一見、厳格にするようで、意図せぬ混入がない商品はないので「不検出」はありえず、すべての商品に「遺伝子組み換えでない」の表示ができなくなる。消費者は遺伝子組み換えでない商品が選べなくなる。世界各国で禁止されているグリホサートが入った農薬も未だにホームセンターや百円ショップで売られ続けている。今、アメリカ(特にカルフォルニア州)ではオーガニックや発がん性物質非含有の表示がなければ消費者に選んでもらえなくなる。表示義務のある化学物質も850種類を超え、厳しい基準の下定期的に追加されている。
    著者は「日本の種子を守る会」の活動で、全国でフォーラムを開き、農家や消費者に説明を続け、自治体に「条例」を求め、多くの県で実現している。

  • 2019年111冊目。満足度★★★★☆ 全ての日本人に関係する「食」の安全に関する本。必読です。

  • 東2法経図・6F開架:615A/Y19u//K

  • 種子法の問題は堤未果の著作で知っていたが、山田正彦のこの本では道県レベルで種子条例を作り、固有種などの権利を保存しようとしていることを初めて知った。こうした地方の動きはほとんど報道されず、取り上げられてこなかった。農薬、遺伝子組み換え、ゲノム編集に関心はあっても情報を集めることは難しい。その意味でこの本はわが国の農業を巡る現在の問題をわかりやすく描き出してくれている。まさに警世の書でありぜひ多くの方に読んで頂きたい一冊である。

  • <目次>
    はじめに
    第1章  「国民を二度と飢えさせない」
    第2章  海外企業に明け渡された日本の農業
    第3章  自分の畑で取れた種を使ってはいけない
    第4章  市場を狙う遺伝子組み換え、そしてゲノム編集の米
    第5章  世界を変えたモンサント裁判
    第6章  世界で加速する有機栽培
    第7章  逆走する日本の食
    第8章  日本の食は地方から守る

    <内容>
    種子法の廃止(2018年)により、アメリカのグローバルアグリ企業が日本へと進出してきている(その前からだが、TPP関連法により、入りやすくなり、種子法の廃止がとどめのような感じだ)。この企業群(モンサントを中心に)は、自らが遺伝子組み換えで作った、大豆・トウモロコシ・小麦などを売り込みとともに、その種にしか効かない農薬を抱き合わせで売り込んでいる。この農薬は発がん性が高いとされるものである。世界は、こうした農薬の使用に反対ののろしを上げ、遺伝子組み換え食品の安全性に疑問を掲げている中、アメリカの言いなりの日本政府は、それに逆行するようにTPP加盟、種子法廃止、農薬の問題を緩めるなど、世界に逆行している。日本政府は、国民の幸福に関心がないらしいので(というか、アメリカの言われるままの木偶なので)、食の安全は二の次なのだ。
    ただ、地方の行政が種子法に変わる条例を次々と定め、国家に反旗を翻し始めているらしいのが、不幸中の幸いか…

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著者プロフィール

1942年、長崎県生まれ。弁護士。早稲田大学法学部卒。司法試験に合格後、故郷で牧場を開く。オイルショックにより牧場経営を終え、弁護士に専念。その後、衆議院議員に立候補し、4度目で当選。2010年6月、農林水産大臣に就任。2012年、民主党を離党し、反TPP・脱原発・消費増税凍結を公約に日本未来の党を結党。現在は、弁護士の業務に加え、TPPや種子法廃止の問題点を明らかにすべく現地調査を行い、また各地で講演を行っている。著書に『タネはどうなる』『アメリカも批准できないTPP協定の内容は、こうだった!』など。

「2019年 『売り渡される食の安全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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