学校弁護士 スクールロイヤーが見た教育現場 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
3.56
  • (2)
  • (7)
  • (6)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 96
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040823171

作品紹介・あらすじ

(章立て)
はじめに
第一章 スクールロイヤーは救世主か
第二章 いじめ ―予防は困難だが適切な解決の助言役に
第三章 虐待 ―弁護士の連携で防げる可能性は高い
第四章 不登校 ―多様な背景を見極め、調整役に
第五章 校則、そして懲戒処分 ―スクールロイヤーの腕の見せ所
第六章 保護者対応 ―弁護士会の見解は真っ二つ
第七章 体罰 ―現実的な対案を提示できなければなくならない
第八章 部活動 ―白黒つける法律では判断が難しい
第九章 学校事故 ―子どもと教師を守るために
第十章 教師の長時間労働 ―原因はたった二つ

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 総論的なところは新書よりも実務書で良かった

  • まず、著者が弁護士(で教師)だからかわからないけど、ハッキリした文体が良いですね。明快で読みやすい。
    今の学校教育の問題を、弁護士資格を持つ教師で研究者の著者が鋭く切り込む。いや、切実な訴え。てか、過酷で超多忙な労働環境にあって、よく著してくれたよなーと感心する。
    判断が難しい学校現場の様々なトラブルを事例として挙げ、何がベターな対応なのかを考察する。こうした問題は学校、教師、生徒、保護者などとの複雑な絡みがある。現場を知らない法律家や教育研究者らの批評は全く的を得ていないことも。
    また、教育は誰しもが一度は受けたことがあり、素人意見でいろいろ言えてしまう領域。そこが上の批判や問題のこじれにつながるケースも。
    現場では誰しもが解決を望む問題があるのに、それが認識されない。しかも、教師の役割と責任は肥大化していく。1年変形労働時間制なんて現場のニーズをあからさまに無視した改革。このままでは、なり手がいなくなってしまうと感じる。教師の過酷な労働を生み出している原因が理解されておらず、彼らの働き方改革は全くうまくいっていない。
    大局的な歴史の構造を教えるような教育がなされていない。イギリス人ですら知らないイギリス王の名前や、フランス人でも知らないフランス文学作品を覚えるという教育。ほとんどの時間を日本で過ごす日本の学校で、日本人の担任が教える英語に週数時間触れるだけで、どれたけ英語力が向上するのか…。行政から学校に依頼される調査の無駄。研修の無駄…。
    …とまぁ、挙げればキリがないのだけど…諸悪の根源の全て…は言い過ぎかもしれないけど、責任の多くは、これまで放置してきた文科省にあるのだろう。
    著者の提言をもとに、部活動含む教育の仕切りや改革が進展することを強く望みたいですね。

  • 東2法経図・6F開架:374A/J52g//K

  • 弁護士資格を持つ現役教師であり、スクールロイヤーとしても活動している著者が、その経験をもとに法律と教育のせめぎあいを論じた好著

    いじめ、虐待、不登校、校則と懲戒、保護者対応、体罰、部活動、学校事故、教師の過重労働……

    学校現場のさまざまな課題を取り上げ、「子どもの最善の利益」のために、法律と教育の二律背反を超えて現実的な解決策を提起する

    ブラック部活動の3つの要因(第八章)、学校事故の責任の所在(第九章)、教師の不要不急の業務をつくりだす6つの要因(第十章)などは、現場を知るスクールロイヤーならではの重要な指摘であり、傾聴に値する

    副題は「スクールロイヤーが見た教育現場」

    教育問題を語るなら一読すべし

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1978年香川県生まれ。弁護士、兵庫教育大学大学院准教授。東京大学法学部政治コース卒業。同大大学院教育学研究科、筑波大学大学院ビジネス科学研究科修了。専修教員免許を保有し、日本で初めての弁護士資格を持つ社会科教師として中高一貫校で勤務する一方、弁護士として各地の学校のスクールロイヤーを担当している。現在は教職大学院でも勤務し、学校経営論などを研究する。2018 年にはスクールロイヤーのテレビドラマの考証を担当した。著書に『スクールロイヤー 学校現場の事例で学ぶ教育紛争実務Q&A170』(日本加除出版)など。

「2020年 『学校弁護士 スクールロイヤーが見た教育現場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

神内聡の作品

学校弁護士 スクールロイヤーが見た教育現場 (角川新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×