帝国軍人 公文書、私文書、オーラルヒストリーからみる (角川新書)

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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040823348

作品紹介・あらすじ

大日本帝国、陸海軍秘話。

大和ミュージアム館長と『独ソ戦』著者が初公開!
戦後、将官・下士官は何を二人に語り残したのか……。

大日本帝国陸海軍の将官・下士官は戦後に何を語り残したのか? 
戦後も陸軍はヤマタノオロチで、海軍は双頭の蛇の組織構造だったこと、
瀬島龍三が情報を握りつぶした話が漏れた経緯に、
松井岩根の『陣中日記』改竄を突き止めた舞台裏をはじめ、
陸海軍の秘話が明かされる。
そして、日本軍の文書改竄問題から、証言者なき時代にどう資料と向き合うかに至るまで、
直に証言を聞いてきた二人が語りつくす!!

■瀬島龍三が情報を握りつぶした話が漏れた経緯
■藤村義一の「誇張」、坂井三郎の「加筆」、朝枝繁春の「ほら」
■大井篤が漏らした「連合艦隊との戦いは終わった」
■『滄海よ眠れ』で暴露された、ミッドウェイで捕虜を茹で殺していた事実
■松井岩根の『陣中日記』改竄を突き止めた舞台裏
■大和と武蔵を「使いこなせなかった」ことに問題があった
■歴史に残るメイキング、バベル島虐殺事件 etc.



【目次】
まえがき 

序 章 帝国軍人との出会い 
第一章 作戦系と情報系――陸軍編1
第二章 陸軍はヤマタノオロチ――陸軍編2
第三章 連合艦隊と軍令部――海軍編1
第四章 海軍は双頭の蛇――海軍編2.
第五章 日本軍の文書改竄――史料篇1
終章 公文書、私文書、オーラルヒストリー ――史料編2

あとがき
ブックガイド

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:392.8A/To17t//K

  • 当事者たちが亡くなる現在だからこそ重要な議論。軍事研究の泰斗二人が語る資料、オーラルヒストリーなど調査の留意点。

    今年読んだ本の中でベストワンかもしれない。二名の歴史研究家が、調査の過程で身につけたワザ、バイアスについて語る。資料そのものには記載されていないが、重要な視点を多く指摘している。

    書籍だからといって100%は信用できないという。海軍は戦後もヒエラルキーが生き続け、通史と違う内容の記載は否定されたという。戦闘詳報など公文書も同様。言われてみれば当たり前だが軍人は国家公務員。自分たちの組織に都合の悪いことは書かない。

    公文書、私文書とオーラルヒストリー。それぞれの長所がある。ほとんどの関係者が亡くなった今、お二人のように旧軍人との接点が異常なほど多かったことがありがたい。そして本書でその経験を後世に伝えようとする姿勢も素晴らしい。

    澤地久枝、吉村昭の取材スタイルを絶賛しているところも本読みとして面白い。

    今や戦争を知らない世代がさらに知らない世代に伝承していく時代。残された資料そのまま信用するわけにもいかないし、証言も記憶の変化、バイアスがかかっていることもある。そんな状況でどのように資料に向き合うか、本書は貴重な視点を与えてくれる。

  • 対談形式でかなりマニアックな書。本当はとか、背景にはとか、現代にも往々にして存在する忖度がサラッと書いてある。故の信憑性を感じたり、歴史書には表っつらしか書かれていないちょっとした真実が垣間見れとても考えさせられました。
    特に山本五十六が何故選ばれたのかについては成る程と驚嘆だった。
    取材した時には、涙して聞いていたが原稿が上がってくるとそこまで書かれていないとか。人って…とか、寝て起きたら気持ちが変わる…とか、取材側も色々大変そうだ。
    書籍でも版によっては書かれている事が変わっているものもあるそうで、著者のピックアップも関心度がまします。
    取材と出版で数名の作家の名が上がっているが、吉村昭さんは読み手からしても感じていた取材に対する真摯さはこちらでも評価してが高く、やっぱりそうでしょと思いながら読んだ。

  • 戦争ものは、本当なのか、嘘なのかよくわからないところがあったが、この本を読んで、一冊の本を信じるのではなく、いろんな本を読むことが大事だと気付かせてくれた。これから少しづつだが読んでいきたい。

  • 軍事史研究の第一人者による対談。研究の雰囲気が伝わってくる。

    時代の雰囲気や先行研究を理解せずに資料を読むのは危険というのは同感。軍事史研究だけではなく、戦後史研究についても、同様の問題は既に生じているような気がする。

  • 大木氏はアカデミック畑の人かと思っていたら
    編集畑でもあったことを”まえがき”で知った。
    読みやすい内容だが特別新鮮さは無いかと。

  • 日本の陸軍、海軍の歴史を研究してきた戸高、大木が、うんちくを傾けつくしている様子が楽しそう。まとまった本では蒸発して残らない、彼らが接したりヒアリングをしたそれぞれの証言者の人となりや当事者が当時感じたリアルな感情というソフトな「歴史」を、こういうラフなかたちで少しでも伝えたいということだそうだ。

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著者プロフィール

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長。日本海軍史研究家。1948年、宮崎県生まれ。多摩美術大学美術学部卒業。1992年、(財)史料調査会の司書として、海軍反省会にも関わり、特に海軍の将校・下士官兵の証言を数多く聞いてきた。92年に理事就任。99年、厚生省(現厚生労働省)所管「昭和館」図書情報部長就任。2005年より現職。19年、『[証言録]海軍反省会』(PHP研究所)全11巻の業績により第67回菊池寛賞を受賞。著書に『戦艦大和復元プロジェクト』(角川新書)、『帝国軍人』(大木毅氏との共著)などがある。

「2021年 『日本海軍戦史 海戦からみた日露、日清、太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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