人質司法 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 38
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040823706

作品紹介・あらすじ

「私は日本の司法制度の人質ではない」と述べ逃亡したカルロス・ゴーン氏。担当弁護士が明かす、彼の実像と苦悩とは。そして、諸悪の根源「人質司法」の実態について、自らの経験と豊富な実証を基に、鋭く切り込む!

感想・レビュー・書評

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  • 他人事と思っていると危うい。
    今まで知らなかったという事実がこわいし、知らない人が多いというのも怖い。

    世の中を肩書や職とかでふんわり見てる人には正直信じがたいことが書かれている。

    けど、そういう職に近い組織に身をおいてるのでなるべくしてなってるな、と。

  • 最終的にゴーンさんがブチ切れたきっかけは、奥さんと切り離されたことだった。なんともまあ、涙ぐましいというか、物凄く人間的というか。正直「え、そこ!?」と意表を突かれた形で幕を閉じてしまった読後感だった。
    あれほど我慢に我慢を重ね、忍耐に忍耐を積み重ねて、日本における人質司法の茶番のあれこれにつき合ってきたにもかかわらず、そこでブチ切れるかよ! と思ったわけだが、結果的に逃げてよかったと心から思う。日本で裁判にかけられても、裁判所は絶対に、絶対に、絶対にゴーン有罪でカタをつけてくるであろうことは分かり切っているから、万が一にも無罪はあり得ないわけで。それならば、さっさと自分の故郷に帰り、愛する奥さんと人間らしい人生を堪能すべきだ。激しくそう思う。

  • これ読んだ上でもゴーンハズゴーンさんについて、認める気は全く起きないのだが。

    いわゆる、人質司法がこんだけ酷いとは想像もしてなかった。
    結果人質司法になるのではなく、法を恣意的に運用している。人権保護より、自分たちの信じる正義が上だという傲慢。戦前の、大正刑法の過ちを正そうとした、戦後刑法、刑事訴訟法の意義を換骨奪胎しているこの現状。

    これ、選挙の争点にでもなって良いレベルだと思うんだが、高市さんどうですか。

    先日、参考人取調べで、検察に初めて行ったけど、まじで無理。まだ優しくしてくれたんだが、これで被疑者として扱われたら、20秒でなんでも向こうの都合のいいこと喋る自信がある。

  • 東2法経図・6F開架:327.62A/Ta47h//K

  • 日本の刑事司法において、身体拘束や家族との接触さえ絶たれる(incommunicado )接見禁止が容易さつ反論の機会なくアンフェアに行われていることにつき、明治期〜昭和期の歴史から紐解き、英米法の制度と比較しながら論ずる。新書として一般向けにわかりやすく書かれているが、法制史・比較法・憲法論・行政手続と刑事手続の比較など専門性も高い。ゴーン事件に関しては、ゴーン氏の家族との接触禁止の不合理性や身体拘束に関する裁判の理由の不透明性について、国際法的知見からの指摘は学びが多い。また欠席裁判の提案は示唆的。

    GPSモニタリングは現在議論されており、今後どうなるか注目。勾留質問手続を公開で実質的な議論が噛み合うように行い、身体拘束という重大な人権侵害を行う具体的かつ客観的な理由を検察官側が示す必要性について、かつては裁判官側からも提案があるなど議論が充実していたが、現在はそのような兆しが全くない。裁判官や学者は身体拘束の現実を理解していない、という批判は、依頼者の身体拘束の残虐さを依頼者とともに痛感している弁護人としての心からの叫び。二行、三行で人身の自由を奪う裁判官には、その重みに自覚的であってほしい。


  • 日本の司法制度は怖い。
    もし、自分の周りの誰かが、誤って無罪で逮捕されたとしたら、、と思うと、この国に住むのが恐ろしくなってくる。
    でも、日本人として、知っておくべき事実。
    日本の刑事制度の異常さ、非人道性を実際のケース(事実)に基づき、かつ素人にも理解できる形で説明してくれている本。

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著者プロフィール

弁護士

「2022年 『証拠法の心理学的基礎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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