檻の中の裁判官 なぜ正義を全うできないのか (角川新書)

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  • KADOKAWA (2021年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784040823775

作品紹介・あらすじ

元判事、ベストセラー『絶望の裁判所』著者による、
司法批判の集大成!

平成の司法制度改革は大失敗!?
政府と電力会社に追随した根拠なき「原発再稼働容認」、
カルロス・ゴーン事件で改めて露見した世界的に特異な「人質司法」、
参加者の人権をないがしろにした「裁判員裁判」、
国家が犯人1人に責任を押し付ける「死刑制度」……
閉ざされ歪んだ司法の世界にメスを入れ、改善への道を示す!


● 出世コースに乗れば生涯収入7億超えも!
「天下り」もあり、国家に逆らえない。
● 無罪判決や行政に不利な判決を出した判事たちは
人事や異動で報復を受けた。
● 在野の法律家から判事を選任する「法曹一元制度」を
活用し、“市民のための司法”を取り戻せ!

著者が岡口基一裁判官のSNS発信・表現の問題にも初めて言及!


〈目次〉
第1章 個人としての裁判官とその問題
第2章 官僚・公人としての裁判官
第3章 裁判官の仕事とその問題点
第4章 裁判官の本質と役割――儀礼と幻想の奥にあるもの
第5章 戦後裁判官史、裁判官と表現
第6章 法曹一元制度と裁判官システムの未来

みんなの感想まとめ

司法制度の内側を鋭く分析し、閉鎖的な組織文化や官僚的な側面を浮き彫りにする本書は、裁判官の実態を知るための貴重な一冊です。著者は長年の裁判官経験をもとに、司法が抱える問題点や改革の必要性を力強く訴えて...

感想・レビュー・書評

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  • 高橋昌一郎氏による「新書100冊」という新書で、オススメの新書100冊として紹介されていたのがこの「檻の中の裁判官」です。

    東京の某私大の法学部出身であり裁判には多少興味も有り読んでみようと思いたちました。

    弁護士や検事についてはドラマや小説やニュースなんかでその特徴などはなんとなくイメージができますよね。でも裁判官については謎のベールに包まれています。その生態は如何に?という興味ですね。

    長年裁判官をしてきた著者が退官して外から見ての裁判官や裁判所への分析、批評、考察がなされており非常に説得力がありました。元裁判官の学者だけあって文章も論理的で、わかりやすい。たまに判決文みたいに回りくどい記述があるのは、ご愛嬌といたしましょう。

    裁判官というのは独立して可能な限り他者から影響を受けずに自らの高潔な思想や信条に基づき裁定を行う高尚な判断者というイメージでしたが、本書でそのイメージはぶっ壊れました。崩壊したと言ってもよいです。

    裁判官て独立した判断者ではなくて裁判所という閉鎖した組織の中に生きる役人なんですね。司法官僚としての性格が強く、官僚型ムラ社会にいきる住人です。官僚型ムラ社会というのがタイトルに言う「檻」なんですね。まさにいい得て妙な表現だと思います。

    終身雇用に年功序列に社命による配置転換や異動転勤などが日本型キャリアシステムと言われますが裁判所もまさにこの日本ならではのキャリアシステムを地で行く組織だということがよくわかりました。

    しかもこのシステムは最高裁とその事務総局を中心とする裁判所当局の過酷な統制と管理により裁判官をコントロールします。権力が集中しておりお上意識が如実に残りしかも三権分立で司法に期待される役割である権力チェック機能が働かずむしろ権力補完機構としての側面が強い。

    司法がこのようなシステムでがんじがらめになっていることに一国民として強い問題意識を持ちます。
    対権力との裁判で権力側に忖度した判断をしたり、冤罪を生み出したりすればそれはもはや民主主義国家とは言えないんだろうと思います。一日も早い裁判所の抜本改革が必要でしょう。

    読んでそんな感想を抱きました。








  • 第1章 個人としての裁判官とその問題
    第2章 官僚・公人としての裁判官
    第3章 裁判官の仕事とその問題点
    第4章 裁判官の本質と役割――儀礼と幻想の奥にあるもの
    第5章 戦後裁判官史、裁判官と表現
    第6章 法曹一元制度と裁判官システムの未来

  • 高橋新書ガイドから。自身の来し方から語り起こされる序盤、大方の評伝やら自伝が嫌いな自分としては、正直『えー…』って感じで読み始めた。でも実際は、小難しくない分とても読み易く、加えて、いわゆるエリート集団にありがちな性癖を的確に指摘していることもあり、掴みとして上出来。中盤以降、専門的な内容が増えていくんだけど、抵抗なくそこに誘われていることに気付く。鳴り物入りで導入されはしたけど、先行して導入された諸外国とは一線を画する制度で、あまり機能しているように思えない陪審員制度。このジャンルでもまたか…と思っちゃうけど、行政の司法への介入という、お上幻想の病。うんざり。

  • 裁判官なんて、所詮、出世に汲々とした、司法官僚。
    かなりショックだがその通りだろう。
    その問題提起はいい。なんとかしなければいけない。
    だがこの人の思想が、素直に読ませない。
    裁判所は、権力の監視者だって。
    権力寄りの判決は、その、歪んだシステムのせい「だけ」だって。
    裁判者は、民意の先に行かなきゃいけないんだって。
    国民に選ばれてもいないのに、高尚な思想を実現するんだって。

    ちょっと落ち着いてくれよ。

    こう言う人がいるから、統治行為論の発想自体が、必ずしも「悪い」ことではないと思っちゃうんだよなあ。

    ま、日本国憲法の考え方一つとっても、違うなって思いますよ。
    手段と目的が。

    過去の自分の著書を引き合いに出して私は素晴らしくて、考えの違う他の人の著書をわざわざ出して来て腐す必要ありますか。

  • 檻の中の裁判官 なぜ正義を全うできないのか。瀬木 比呂志先生の著書。いくらお勉強ができるからといって、いくらエリートの裁判官だからといって、間違いを起さないとは限らないし、エリート意識が強い裁判官だからこそ間違いを起こしてしまうことだってあるはず。悪い裁判官、ダメな裁判官には、しっかりとダメという烙印を押すような制度が必要。特権階級意識にまみれた非常識で上から目線の裁判官が多数派だとは思わないけれど、悪い裁判官、ダメな裁判官はしっかりと世間から非難されていなくならないと、まじめで良心的な裁判官が報われないから。裁判官も政治家のように投票で決められる日が来るのかも。

  • 東2法経図・6F開架:327.12A/Se16o//K

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著者プロフィール

瀬木 比呂志(せぎ・ひろし):1954年、名古屋市生まれ。明治大学名誉教授。東京大学法学部卒。1979年から裁判官、2012年から2025年まで明治大学法科大学院教授。専門は民事訴訟法・法社会学。在米研究2回。著書に、『絶望の裁判所』『ニッポンの裁判』(第2回城山三郎賞受賞)『民事裁判入門』『我が身を守る法律知識』『現代日本人の法意識』(いずれも講談社現代新書)、『檻の中の裁判官』(角川新書)、『リベラルアーツの学び方』『究極の独学術』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『教養としての現代漫画』(日本文芸社)、『裁判官・学者の哲学と意見』(現代書館)、小説『黒い巨塔 最高裁判所』(講談社文庫)、関根牧彦の筆名による4冊の書籍、また、専門書に、『民事訴訟法〔第3版〕』『民事保全法〔新訂第2版〕』『民事訴訟の本質と諸相』(いずれも日本評論社)、『民事裁判実務と理論の架橋』(判例タイムズ社)等がある。

「2026年 『裁判官が見た人間の本性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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