サバービアの憂鬱 「郊外」の誕生とその爆発的発展の過程 (角川新書)

  • KADOKAWA (2023年3月10日発売)
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  • 本 ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040824598

作品紹介・あらすじ

「常に立ち返るべき郊外文化論の傑作」――速水健朗氏絶賛

米国においてある時期に、国民感情と結びつくかたちで大きな発展を遂げ、明確なイメージを持って定着するようになったサバービア(郊外住宅地と文化)――。

アメリカ映画を渉猟した著者が描く家族とコミュニティの光と影。

古書価格も高騰していた「郊外論」の先駆的名著が30年ぶりに復刊!


※本書は、一九九三年一一月に東京書籍より刊行された『サバービアの憂鬱 アメリカン・ファミリーの光と影』を改題の上、加筆修正して復刊したものです。

感想・レビュー・書評

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  • あまり関係ないですが、『マルホランド・ドライブ4kリマスター版』を映画館で見て、デヴィット・リンチを生んだアメリカって、と思い読み始める。
    1950年代に住環境が悪化した都市から大量の国民が郊外に逃れてきた。それまでの田舎とは違い、歴史や伝統がなく、新しく住居群を建て、家具家電を買い揃えた豊かなアメリカン・ファミリーの生活が始まった。平等である一方で、年収や価値観が均一化された住民同士の相互監視が始まり、ステップアップしてより良い郊外に行く人はいてもドロップアウトするルートは用意されておらず、黒人やゲイなどのマイノリティはそもそも排除されていた。そんな郊外の矛盾を描いてきた映画や小説が紹介されている。
    アメリカ産の作品を見る際の補助線になるし、日本との比較も面白い。ただ、年代的に取り上げる作品は少し古いので、新しい作品を取り上げて解説した増補版を作ってほしいな。

  • 映画好きな友だちに薦めてもらって。アメリカ映画を観る上で補助線としてとても参考になる。

    とにかくスピルバーグを筆頭に膨大な数の映画が登場するので、まず楽しい。知っているタイトルでも「その観点、その括りで観たことなかったな」とハッとするし、知らないタイトルなら観てみたくなる。

    長年一定数のアメリカの新作映画を観ているけれど、まだまだ歴史や社会的背景などぼんやりした解像度で観ているなと改めて感じた。

  • 郊外論の傑作。何度も復刊の話が持ち上がってはたち消えていたらしいがついに復刊。映画や小説の教養も豊かになって楽しい一冊。

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著者プロフィール

評論家。1957年、神奈川県生まれ。中央大学法学部卒。「ニューズウィーク日本版」(Web)のコラム「映画の境界線」や「週刊朝日」の映画星取表を担当中。編著書に『CineLesson15 アメリカ映画主義 もうひとつのU.S.A.』(フィルムアート社)、監修書に『90年代アメリカ映画100[1990-1999]』(芸術新聞社)がある。趣味は登山、温泉・霊場巡り、写真。

「2023年 『サバービアの憂鬱 「郊外」の誕生とその爆発的発展の過程』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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