二〇三高地 旅順攻囲戦と乃木希典の決断 (角川新書)

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  • KADOKAWA (2024年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784040824734

作品紹介・あらすじ

日露戦争最大の激戦「旅順攻囲戦」。日本軍は、ロシア軍の要塞と機関銃が待ち受けるなか、肉弾攻撃を繰り返し、犠牲者を続出させた。なぜ失敗を繰り返しながらも、二〇三高地を奪取し、勝利を掴むことができたのか。そのカギは、乃木希典らによる戦術の刷新にあった。未公開史料を含む、指揮官・参謀の日記や電報、回顧録などをもとに、気鋭の戦史学者が徹底検証する。

【目次】
はじめに ―爾霊山―
第一章 齟齬 ―第三軍の編成と前進陣地の攻略―
  一、旅順攻囲軍の編成経緯とその問題点
  二、第三軍司令部編成上の問題
  三、前進陣地攻略戦
第二章 迷想 ―第一回旅順総攻撃―
  一、攻撃準備
  二、攻撃計画
  三、攻撃実施
第三章 決断 ―前進堡塁の攻略と第二回旅順総攻撃―
  一、正攻法への転換と窮地のリーダーシップ
  二、前進堡塁に対する攻撃
  三、第二回旅順総攻撃の攻撃準備
  四、第二回旅順総攻撃
第四章 屍山血河 ―第三回旅順総攻撃と開城―
  一、主攻正面論争と第三回総攻撃計画
  二、第三回旅順総攻撃
  三、決戦・二〇三高地の戦い
  四、敗北から勝利へ
  五、旅順開城
おわりに ―伊地知と乃木の評価―

感想・レビュー・書評

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  • 旅順攻略までを新たに発見された資料や今迄の資料の再考し通説を再検証する本でした。
    旅順攻略に際して現地要塞の状況の情報無し、要塞攻略戦の基礎研究無し、砲弾の備蓄僅少。と、手探りに近い状態で近代的要塞を攻略しなければならない第三軍。バルチック艦隊襲来というタイムリミットまである始末。
    如何に要塞を失敗しつつも改善しながら攻略していくか?という苦悩を描いてましたね。
    過去の乃木無能説に対極的な新資料と過去の資料の読み直しで新たな乃木像がとても興味深かったです

  • 乃木戦術の肯定論。

  • 第3回攻撃における児玉源太郎の役割は大きい
    超過射撃はまだ一般的な戦法ではなかった(味方軍の頭越しに砲撃)
    もし旅順乾絡が数日(8日)遅れていたら第三軍は奉天会戦に参加できず
    日露戦争に勝利し得なかった可能性すらある

  • 「坂の上の雲」のイメージが先行してしまい、実際とは異なることも数多くあったようだ。ただ、日清戦争における旅順要塞戦からの脱却ができずミスを犯していたというのも事実。10年違えば、戦略や兵器の進化もしているだろうから、戦死者数をもう少し抑えることができたかもしれない。そして大国ロシア相手に兵力や弾薬が劣っていたのよく負けなかったものだ。私自身乃木希典に対する見識を改めたいと感じた。

  • 爾霊山:総攻撃における日本・ロシア両軍の兵力・損害数
    戦士研究ー司令部内の意思決定過程・職場心理・戦場の実相
    齟齬―第三軍の編成と前進陣地の攻略:
    旅順攻囲軍の編成経緯とその問題点
    第三軍司令部編成上の問題
    前進陣地攻略戦
    迷想―第一回旅順総攻撃:
    攻撃準備
    攻撃計画
    攻撃実施
    決断―前進堡塁の攻略と第二回旅順総攻撃:
    正攻法への転換と窮地のリーダーシップ
    前進堡塁に対する攻撃
    屍山血河―第三回旅順総攻撃と開城:
    主攻正面論争と
    決戦・二〇三高地の戦い
    敗北から勝利へ
    旅順開城
    乃木の評価:
    決断力・組織的能力活用・統率力・大局観・戦時国際法尊重

  • 日露戦争の旅順攻囲戦で最大の激戦と云われる、二〇三高地の戦いについて未公開史料や従軍した帝国陸軍の将官や参謀の日記、回顧録他を元にして書かれた戦史(2024/08/09発売、1056E)

    本書は自衛隊員向けに書かれた本の市販版なのでしょうか(?)、やたらと軍司令部員の参謀等を幕僚、軍司令官や参謀が作戦を練る作戦会議を幕僚会議と記す等、違和感を感じました。
    又、第3軍司令官乃木希典の様々な判断ミスや失敗を記しておきながら、名将と評しているのも疑問(?)です。 旧来より云われていた愚将にしろ、今回、著者が云う名将にしろ人物評価が極端過ぎで、冷静に見れば凡将かと思います。

    本書を読んで、違和感や乃木を過大評価し過ぎる等人物評に大きくズレがあったことから、個人的には今一つ外れの本でした。

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著者プロフィール

戦史研究家。國學院大學法学部卒業。國學院大學法学研究科博士課程後期単位取得退学。政策研究大学院大学COEオーラルヒストリー・プロジェクト研究アシスタント、国会図書館調査及び立法考査局非常勤職員、靖國神社靖國偕行文庫などを経て現職。防衛省防衛研究所研究会講師、防衛大学校部外講師として児玉源太郎をテーマとした講義・講演を行なう。著書『日露戦争第三軍関係史料集 大庭二郎日記・井上幾太郎日記でみる旅順・奉天戦』(国書刊行会)、『新史料による日露戦争陸戦史 覆される通説』(並木書房)。共著『日清戦況写真』(国書刊行会)など。日露戦争陸戦史、特に乃木希典率いる第三軍の研究の第一人者として知られ、その著作は、「日露戦争研究に大きな風穴を開ける」「画期的労作」(日本歴史学会『日本歴史』書評)、「日露戦争研究者が座右の書とすべき基本的文献」(軍事史学会『軍事史学』書評)、「軍人乃木を批判するには本書以上の研究書を書かねばならない」(帝京大学教授・筒井清忠『明治史講義【人物篇】』筑摩書房)など、学界関係者から高い評価を得ている。

「2019年 『児玉源太郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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