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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784040824819
作品紹介・あらすじ
私たちを支配する「苦しさ」には単純な原因があり、対処する方法がある。
本書では仕事、人生、社会で即実践可能な「経営学の道具立て」である
価値創造三種の神器を解説。
気鋭の経営学者にして経営者による最新提言!
【目次】
はじめに――誰もが「みんな苦しい」の謎
第一章 私たちの苦しさの正体は何なのか?
第二章 奪い合いの世界から脱する方法はあるのか?
第三章 他者と創り合える未来はひらけるか?
第四章 どうすれば対立は乗り越えられるのか?
第五章 私たちはどうやって進歩していけるのか?
第六章 人と組織が変わる意味はあるのか?
第七章 これから社会と世界はどう変わっていくのか?
第八章 私たちが今日からできることは何か?
感想・レビュー・書評
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哲学的な2つの考え方を補助輪にして、世の中の価値は有限であるという思考から無限であるという思考へのシフトを促す内容。
確かに金や石油といった資本は有限であり、そこに執着すると常に他社と競争して奪い合わなければいけないという思考になる。
一方、人間が創り出す仕事や仕事の進め方については、考え方を工夫すれば無限に生み出せるもので、本書ではそのための3つの思考法が解説されている。
カントの定言命法では、自分が使用する思考については、他の人がそうした場合に自分も幸せになれるような思考を取り入れることが勧められる。
価値が有限だという思考では、常に他社に奪われてしまうかもしれないという疑心暗鬼と隣合わせ。
また、知行合一は知っているということは、それを実践できて初めて言えることという意味。本書で出てくる、価値無限思考になるための3つの思考法も実生活の中の具体例を通して実践することで、初めて知っているということが言える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『世界は経営でできている』の著者、岩尾俊兵氏による、
最新かつ渾身の書き下ろし。
あまりに熱がこもっていて、
「全体主義的になってしまうのでは?」
と少し懸念してしまうほど。
しかし、内容をしっかり読めばわかるが、
あくまでも思考道具として、人間の脳と身体を使って価値創造をしていくための簡便で分かりやすい方法を提示しているだけであり、
特定の思想や主義を読者に強要するものではないことが読み取れる。
変な言い方をすれば、どんな人でもその人自身のために活用できるツールであるから、
どんな思想や信条の持ち主でも同じように役立てていくことができる。
ただし唯一、「同じ人類として共存する気持ち」がまったく無いような思想の人にとっては
ナンセンスかつ無意味な内容になっている。
多少なりとも協力しながら物事を成していく気持ちのある人なら、
たとえ相反する思想の持ち主でも同じように活用できる簡便な思考道具を提供しているところは
特筆すべき点ではないかと思う。
著者の言う「経営学」の定義が、
どれくらい一般的なものなのか浅学な私にはわからないが、
少なくとも著者が提示する3つの方法、
・未来創造の円形
・問題解決の三角形
・七転八起の四角形
は、どれも私自身の例で実際に試してみたら
とても簡単に、脳のエネルギーをあまり消耗せずに具体的な決断や解決策、視点の切り替えが出来た。
ちょうど、コミュニケーションにおける「記号言葉」に似ている、と感じた。
会社の事務所で電話を受け取った時の
「いつもお世話になっております」
などが記号言葉の代表例だが、
特に気の利いた挨拶を考えなくても会話を始めることができるため、脳のエネルギーの消耗を節約するのに貢献している。
同様に、著者の岩尾氏が提唱する3つの思考道具は、
内省したり、解決策を考えたり、視点を切り替えたりする必要がある時に、
決まった方法と手順で描き(書き)進めるだけで
自動的に建設的な方向に思考が進んでいくようになっている。
数学で言うところの方程式のようなものだから、
事例や場面を選ばず、
また個人レベルから組織における意思決定レベルまで、
幅広く活用できる。
とてもシンプルで、
素晴らしい提唱をされていると思いました。
かなり思い切った主張をされているので、
各業界から多くの反発を招くことが予想されますが、おそらく、この著者の性格からして既に想定済みなのだろうと感じました。
まずは私も、この3つの思考道具を、
これからの日々の中で活用してみようと思います。
発見や不備など、気付いたことがあれば、
その際は改めて追記いたします。 -
タイトルから「経営者を教育し直す」もしくは「経営的思考を教育に取り入れる」的な内容かと想像しながら読み始め。ところが最初は「世の中には漠然とした苦しさが溢れている」という内容から始まり、「あれ、想像と違った本を借りちゃったかな」と思いきや、そこから「他者と自分とを同時に幸せにする道を見つけ出す価値創造の哲学や方法」についての内容に進んでいった。世の中が多様化する現代では「白か黒か」ではなく、「白も黒も」を追求し、結果として白と黒が混ざったより良い色になることを目指す、ということなんだろう。先般読んだ「二項動態経営」に近いものと感じた。
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日本企業はなぜ強みを捨てるのか、から注目してる。これで4冊目。たしかに集大成的な本
そして、店舗ビジネスやってると当たり前のように生じる人と人のいざこざ、足の引っ張りあい、不平不満の数々…民度が低いとかなんとか言うのは簡単だけど、その解決策はほぼ分断、遮断のように思える。
これを普及布教して、なんらか変わるのか。
ついてくるのかわからんけど、一歩ずつやってみようかと思う。 -
前作「世界は経営でできている」と比較して判り難さは否定できない。前作とは趣旨が異なり、本書は実践の書であると著者が述べているように、手を動かすということであると理解できるが、それにしては新書のスタイルは馴染まないとも感じた。随所でキーワードはあり、「創り合う世界」や、経営意識と経営知識を普及させることのメリットは大いに首肯できた。
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お時間のある人は
どうぞ -
価値有限思考から、価値無限思考へ。
奪わず、創る。
「みんな苦しい」という前提に立つ。
四角形。いいこと、悪いこと、アウフヘーベン。 -
極めて良かった。○△□、やってみるわ。
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タイトルから経営について学べる本かと思ったが、「経営の考え方を取り入れて生きていくと良いよ」いった内容。
価値を取り合うのではなく、価値を作り出し行きましょうとのメッセージ。競争じゃなく協創といったところか。
それを手法論として、自分のエゴを利他に置き換えていく○のフレームワーク。自他の主張差を抽象化してベネフィットに変える△のフレームワーク、ネガティブの転換を促す□のフレームワークを紹介している。
ただし、人生においてこれを使わないといけないなと課題設定できるような人は、読まずとも工夫・対応して生きていそう。逆に、課題を持っている人ほど課題認識ができていなく、本を読まないんじゃないかと感じてしまう。 -
1. はじめに:本書の目的と全体像
本書は、「私たちみんなの苦しさの正体は何なのか?」という問いから始まり、その原因が「価値あるものの奪い合い」にあると指摘します。そして、その奪い合いの世界から脱却し、他者と共に価値を創造することで未来を切り開く方法を提案しています。著者は、読者を「実践共同体」の仲間と位置づけ、「未完の書」として本書の完成を読者に委ねる姿勢をとっています。本書の内容やアイデアの知財権を放棄しており、SNSでの共有、組織での実践、社内研修での活用など、営利・非営利組織内での教育に自由に使用できるとしています。
2. 私たちの苦しさの正体:「あい つ ら が 悪 い 」 論 と 価 値 有 限 思 考
私たちの苦しさは、経営者、従業員、高齢者、若者、男性、女性、政治家、有権者など、誰もが「あいつらが悪い」と互いを非難し、分断、攻撃、排除しようとする「『あいつらが悪い』論」に端的に表れています。こうした単純な議論は表面的な分かりやすさから人気を集めますが、本質的な解決には繋がらないと著者は主張します。
本書は、この苦しさが「二つの原因から生じている」可能性を指摘しています。一つは、限られた資源を奪い合う「価値有限思考」です。「価値あるものは有限だから、他者から奪うしかない」という思い込みが、争いを引き起こす根源となります。もう一つは、「有形生産手段」に偏った考え方です。
現代の日本社会には、企業不正の増加、犯罪発生数の上昇、人口減少など、暗いデータが並びます。著者は、こうした問題の根底に「価値有限思考」と、それが生み出す「奪い合い」があると見ています。例えば、企業不正や犯罪は、「ある種の思考に支配されると犯罪が正当化される」側面があり、これは「他人の利益を奪うことは悪くない」という思考に繋がる可能性があります。
3. 奪い合いの世界から脱却する方法:価値無限思考と価値創造
奪い合いの世界から脱却するための鍵として、著者は「価値無限思考」と「価値創造」を提案しています。「資源は有限であっても、価値は無限でありうる」という考え方が価値無限思考です。価値創造は、価値の「油田と金鉱」である「頭脳」を開発し、他者との関わり方において「他者と自分とを同時に幸せにする道を見つけ出す」活動を指します。これは、経営の語源が「会社やお金儲け」ではなく、他者との関わり方にあるという考えに基づいています。
価値創造の実践的なツールとして、本書では「価値創造三種の神器」を提示しています。その詳細は今後の章で述べられますが、これらを使いこなすことで、「個々人にとってどのような実際的なメリットがあるのか、社会はどのように良くなるのか」を追求できると期待されます。
4. 対立を乗り越える方法:問題解決の三角形と七転八起の四角形
他者と共に価値を創造し、未来を切り開くためには、「対立」を乗り越えることが不可欠です。本書では、この対立を乗り越えるための思考ツールとして、「問題解決の三角形」と「七転八起の四角形」を紹介しています。
問題解決の三角形: 対立する二つの意見や手段(例:「ブランド品を買う」か「買わないか」)を三角形の底辺に置き、共通の「究極の目的」(例:「安定して幸せな家庭」)を頂点に置くことで、対立を建設的に捉え直すツールです。これは、個人間の対立だけでなく、自己内での対立にも応用可能です。
七転八起の四角形: 失敗や困難(七転八倒)から立ち上がり(七転八起)、次の行動につなげるための思考ツールです。具体的な実践方法として、出来事のプラス面とマイナス面を分析し、次の打ち手を考えるステップが示されています。これは、希望を見失いがちな状況でも前向きに進むための手助けとなります。
これらの思考ツールは、複雑な問題を単純な構造に落とし込み、解決策を見つけやすくする効果があります。
5. 私たちの進歩:希望の浪費と知行合一
私たちは、問題解決のために多くの「希望」を浪費している可能性があります。過去の出来事にとらわれたり、変えられない現実に絶望したりすることは、「最も重要な資源の浪費」であると著者は警鐘を鳴らしています。過去は変えられませんが、未来を変えることは可能です。
本書が提示する「価値創造三種の神器」は、実践を通して価値を創造し、未来を切り開くための道具です。重要なのは、「知っている」だけでなく、「実際にできる」という「知行合一」の考え方です。「知行合一」の反対には、「知ることにデメリットは存在しない」という考えがあります。何かを学ぶことに無駄はなく、書籍代や学習時間も微々たるものに過ぎないと著者は述べます。
AI時代の到来により、知識の習得や情報処理能力においてはAIが人間を凌駕するようになりました。しかし、AIには「少し困った部下」の側面があり、正確性に欠ける場合があります。AIを使いこなすには、人間のチェックや指示が不可欠です。AI時代に人間に残される仕事は「価値創造」であり、AIを使いこなせる人間が優位に立つと著者は予測します。
6. 人と組織が変わる意味:価値創造の民主化
価値創造の考え方は、個人だけでなく組織全体で共有されることで、より大きな力を発揮します。かつて日本経済の成長を支えた要因の一つに、「価値創造の民主化」があったと著者は指摘します。「少人数に深く」価値創造を行うのではなく、「多人数に浅く」価値創造を行うことで、組織全体の生産性が向上し、競争力が高まるという考え方です。
「価値創造の民主化」には、「顧客・従業員・株主・債権者・取引先・社会・経営者などの利害関係者みんなが仲間として、一緒に価値創造に取り組む」ことと、「価値創造に必要な知識が、組織内で幅広く教育され共有される」という二つの特徴があります。これは、日本の「経営の父」渋沢栄一の「一個人がいかに富んでいても、社会全体が貧乏であったら、その人の幸福は保証されない」という考え方にも通じるものです。
価値創造の民主化が進むと、組織内での役職に関係なく、誰もがAIやロボットを部下として上手く使えるようになり、全員が価値創造の経営者となる状態が実現すると著者は予想しています。
7. これから社会と世界はどう変わっていくのか:脱有限・脱有形のポスト資本主義の姿
価値創造の民主化が社会全体に普及することで、社会と世界は「脱有限」「脱有形」のポスト資本主義へと移行していくと著者は考えています。これは、「価値有限」から「価値無限」への発想転換と、「有形生産手段」から「無形生産手段」への発想転換によってもたらされます。
価値創造の民主化が進んだ社会では、経営教育が薄く広く普及することで、「天才」が生まれやすくなります。スポーツや芸術の分野で才能が開花するように、経営の分野でも多くの人が価値創造の力を発揮できるようになるでしょう。これは、ごく一部のエリートだけでなく、誰もが価値創造の経営者となる「全員経営」の社会が実現することを示唆しています。
8. 私たちが今日からできること
本書の最終章では、読者自身が今日から実践できることが示されています。著者は「奪い合う世界」から「創り合う世界」への転換を目指しており、誰でも価値奪い合いと価値創造のパラダイムを使い分けられる状態を目指しています。
今日からできることとして、著者は「価値創造三種の神器」である「未来創造の円形」「問題解決の三角形」「七転八起の四角形」を日々の人生や仕事で使いこなすことを提案しています。これらの思考ツールを実践し、その輪を周囲に広げることが、本書の目的である「日本をもう一度豊かにする」ことにつながると述べています。
重要なのは、「理性的ないきもの」として、他者との共通目的である「幸せになりたい」という世界観を持つことです。他者を道具や手段ではなく目的として考える「定言命法的な、カントのいう絶対善になりうる生き方」を目指すことが、価値創造の実践の根幹となります。
著者は、本書が「未完の書」であり、読者自身が実践を通して完成させることを願っています。そして、経営教育の力によって「もう一度豊かになる」ことを目指す活動への参加を呼びかけています。 -
はじめにーー誰もが「みんな苦しい」の謎
第一章 私たちの苦しさの正体は何なのか?
第二章 奪い合いの世界から脱する方法はあるのか?
第三章 他者と創り合える未来はひらけるか?
第四章 どうすれば対立は乗り越えられるのか?
第五章 私たちはどうやって進歩していけるのか?
第六章 人と組織が変わる意味はあるのか?
第七章 これから社会と世界はどう変わっていくのか?
第八章 私たちが今日からできることは何か? -
2025年2月21日、ワイハウ岩尾社長の最新著書。売り時をミスって含み損で捕まってるワイハウ株をもってる。Twitterの固定で宣伝されてたので見た。
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