ブラック・チェンバー 米国はいかにして外交暗号を盗んだか (角川新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040824864

作品紹介・あらすじ

佐藤優氏 「情報分析の一級資料、待望の復刊。」

ワシントン海軍軍縮会議で参加国の暗号電報5000通以上が完全に解読されていた――1931年に刊行された『ブラック・チェンバー』は、米英日はじめ世界中に衝撃をもたらし空前のベストセラーとなる。米国がひそかに行っていた諜報活動の実態を、暗号解読室「ブラック・チェンバー」創設者、H・O・ヤードレー自身が暴露したのだ。ベルサイユ平和会議、ロシア革命、ワシントン海軍軍縮会議――世界が “国際協調” へ向かう歴史の裏で繰り広げられていた米国インテリジェンス活動の実態とは? 
日本語暗号突破までの一部始終を総解説、「日米諜報戦」の原点を描くとともに、ベルサイユ平和会議やロシア革命の裏で展開した国際 “諜報戦”の現場を描く秘録、待望の復刊!
解説・佐藤優

◆ワシントン会議で戦艦保有率対米7割からの譲歩を指示した日本外務省暗号電報は完全に解読されていた
◆日本軍のシベリア撤兵情報もつつぬけ
◆日本語暗号の解読が最も難しかった
◆ドイツの諜報網を破るための「隠しインク」の焙り出し
◆米国内の郵便検閲で引っかかった暗号私信は、ほとんどが「ラブレター」

感想・レビュー・書評

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  •  著者H・Oヤードレーは、「ブラック・チェンバー」と呼ばれる組織に所属し、そこで外国の暗号解読に携わっていた。この組織は、ワシントン軍縮会議で、日本の暗号文書を解読して、日本側がどの程度まで譲歩するのかを事前に把握していたことで有名である。ところが国務長官スティムソンの命令によって、1929年に閉鎖されてしまった。そこで著者は、それまで秘密裡であったブラック・チェンバーの実態を暴露してまとめたのが本書である。著者が繰り返し言及するように、暗号解読とは心身ともに消耗する作業であり、外国政府の新しい暗号を解読できるためにも、これらの作業を継続的に行わなければならない。その為、暗号に対する情熱と指導者側の激励がなければ、このような仕事は継続できなかったという。このように、本書は他国の意図を読み取るために、どれほど神経質に、心血を注いで取り組んでいたのか、その心情が理解できる。

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