「教える」ということ 日本を救う、[尖った人]を増やすには (角川新書)
- KADOKAWA (2024年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784040825199
作品紹介・あらすじ
いま必要な「社会を生き抜くための武器」とは何か。
我々は何を、どのように後輩たちに継承するべきか。
「教える」ということの本質と課題を多角的に考察。
会社員、ベンチャー企業の創業者、大学学長という立場から考え続け、
実践してきた著者の結論を示す。
【各界専門家との特別対談も収録】
「学校教育」久野信之氏(学校法人立命館常務理事(一貫教育担当))
「生物心理学」岡ノ谷一夫氏(帝京大学先端総合研究機構教授)
「教育社会学」松岡亮二氏(龍谷大学社会学部社会学科准教授)
【本書の構成】
第1章 後輩たちに「社会を生き抜く武器」を与える
特別対談 久野信之×出口治明
第2章 根拠にもとづいて話す。選択肢を与える
特別対談 岡ノ谷一夫×出口治明
第3章 「尖った人」を生み出すための高等教育
特別対談 松岡亮二×出口治明
第4章 正しい「人間洞察」を前提にした社会人教育
※本書は、2020年5月に小社より刊行された同名の単行本を、加筆修正・再編集したものです。
感想・レビュー・書評
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読了。これからの日本を支える政治、経済についてどのような学びや考え方が必要なのか。想像していた内容と違いましたが、今まであまり読んだことがないジャンルで新鮮でした。
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四年前5月に出版された同名の単行本を
加筆修正したもの。
「尖った人を増やすには」
前回より真実味が増してきました。
東大生が官僚から離れた、
企業を起こす人も増えた、
と聞いたので。
この本が書かれたのは、コロナ禍の前でしょう。
この数年でエッセンシャルワーカーの重要性
皆がすごくよくわかったのではないか。
お給料は少ないかもしれないけど、
とても大事な仕事。
でも人手が足りないと聞いています。
松岡亮二さんとの対談で教育格差のことが語られています。
出身家庭の社会的経済的地位によって
学力や大学進学を望むかどうかに格差があり、
「個人の選択」を介して
結果の差がより大きくなることがあります。
(アメリカの場合、出身家庭の社会経済的地位が低い子どもは、カフェテリアに行くと、野菜を避け、フライドポテトのような料理を選択。
そもそも子どもの頃にファーストフードばかり与えられている子どもは、野菜を美味しく食べた経験が少ないため、自分から選ぼうとしない)
最近また闇バイトから強盗をやらされてしまった
若い男の人たちをニュースで見ました。
「手っ取り早く稼げるという言葉」に騙されてしまうのですね。
エッセンシャルワーカーなど、
手っ取り早く高収入ではありません。
でもとっても大切な仕事であり
世の中の皆が感謝している。
そういうことも彼らに伝わるといいなと思いました。 -
同じ内容が多くなってきた
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選書番号:834
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□選定理由
・出口氏のシリーズ?として、気になった為。
□感想
・ビジネスの場においても、自分の頭で考える事が重要だという話
・疑問を持ち、前提を疑う事など、同調社会の日本企業においても、恐れずにやり続ける事が大切
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まあ理解はできるという感じ
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著者の根底にあるのは本、人、旅。信念ですね
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いつもの出口節だが、対談パートが興味深い。
おわりに、の大学の謝辞にまつわるエピソードは強烈 -
立命館アジア太平洋大学の学長として教育現場に身を置く出口氏が「教えること」の本質に迫る。出口氏によると、子どもへの教育のポイントは2つ。一つはお金の使い方や税金の考え方、社会保障など「生きるための武器」を身に付けさせること、もう一つはどこでもいつでも自分の頭で考え、自分の言葉で言えるように育てること。
もともと博覧強記の達人であり、物事を「数字・ファクト・ロジック」のエビデンスベースで考えるクセをつける、人・本・旅で学びアウトプットを生み出すという持論をお持ちだということ存じ上げていた。
本書では、それらも読み取れるが、一番インパクトがあったのが第3章の「尖った人」を生み出すための高等教育。
日本経済の低迷を脱するには、製造工場モデルからサービス産業モデルの新産業を生み出すことが必要。そのためには①ゼネラリストよりスペシャリストを育成する②「女性」、「ダイバーシティ」、「高学歴」がキーワード③考える力を養うには仲間(ピア)同士が力を発揮しあって学ぶ「ピア・ラーニング」が有効といった示唆が印象的だった。
しかし、それ以上に考えさせられたのが、同章にあった教育学博士の松岡亮二氏との対談。松岡氏は日本が〝生まれ〟によって最終学歴が異なる「教育格差」社会であることを憂慮する。教師は社会経済的に比較的恵まれた家庭出身者が多く、恵まれていない家庭に育った子どもの背景を理解しにくい。勉強や学ぶことの大切さを伝えても異なる環境に生まれ育った子どもたちにはなかなか響かない。
できる子はAIに任せて、先生はできない子どもに力を注ぐという考え方もあるが、日本の教育では差別感の温床になるという形式的平等主義がまかり通り、それができない。
だが、「生まれ」によるスタートラインの格差は「同じ処遇」では解消できない。また、社会経済的に恵まれない家庭では親は単に「これをしなさい」と指示するだけで、子どもが何を考えているのか言語化して説明することを求めない傾向にある。恵まれた家庭環境の子は大人相手に言語訓練を積み重ね、自分の考えを口に出すことができる。
社会経済的に恵まれない子どもにどう支援するか、どのようにして小さな成功体験を積み重ねて学習することの楽しさを実感させるか難しい問題であると認識した。
この他、第2章に示されている①最初に結論②次にエビデンス③相手のレベルに合わせるという伝え方も参考になった。 -
博識な出口氏の持論炸裂。なかなか勉強になる感がある。
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出口さんの、これまでの集大成といった内容。
このような柔軟性が、自分にも必要だと感じる。 -
この人の言説は、いつも一緒。いい意味でブレない。だから読みやすい。
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同名の単行本の再構成 単行本も読んでいた
p31 人間が動物である以上、生き残るのは賢さや強さゆえではなく、運と適応以外の条件はありません。すなわち、運(適切なときに適切な場所にいること)を活かして、上手く適応できる人のみが生き残るのです。
p36 ベネディクト・アンダーソン 想像の共同体
小島毅 天皇と儒教思想 新書 明治政府の国民国家創出について
p65 エピソードでなくエビデンスで考える
p76 ダンパー 安定的な社会関係を維持できる人数の上限は150
p114 人間は見たいものしかみない、あるいは見たいように都合よく現実の世界を変換してしまう
ユリウス・カエサルも、人は現実のすべてが見えているわけではなく、多くの人は見たい思う現実して見ていない、と指摘しています。
p153 次ぐ使えるものはすぐ使えなくなる
p192 人間は怠け者だから、勉強をせざるを得ない環境に身を置く
p245 人、本、旅から学ぶ
p260 もし、ありきたりな皆さまへの感謝がのべられて喜ぶようんな組織であれば、そこには進化や発展はない。それは眠った世界だ。新しいことをしようすれば無能な人ほど反対する。なぜなら、たらしいことは自分の無能さを露呈するからである。そのような人たちの自主規制は今に始まったことではない。永遠にやっていればよい
私達には言論の自由がある。民主主義のもとで言論抑制はおこなわれてはならない。大学で自分が努力してきたといえるなら、卒業生が謝辞を述べるべきは自分自身である。感謝を述べるべき皆様なんてどこにもいない
著者プロフィール
出口治明の作品
