女神記 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 470
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000205

作品紹介・あらすじ

遙か南の島、巫女の家に生まれた姉妹。六歳の誕生日、姉は家族から引き離された。大巫女となり、跡継ぎの娘を産むのだ。やがて姉のもとに食事を届けることが妹の役目に。-ひもじくても、けして食べてはならない。-だが島の男と恋に落ちた妹は、禁忌を破り、聖域に足を踏み入れてしまう。激しい求愛の果て、地下に堕ちた妹が出逢ったのは、愛の怨みに囚われた女神・イザナミだった。性と死の神話を、現代に編み直す。

感想・レビュー・書評

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  • 島の巫女になると、島民への祈りと子孫反映が使命で、そのためには栄養ある食料を食べて...って、なんだか女王蜂みたい。

  • 登場人物の分類される重要な立場が女か男かのふたつだと感じた。
    主人公は女という概念がナミマという皮を被っただけであるし、イザナミ、イザナギ、マヒトもまた同じ。
    陰にされた女、陽になった男、
    自分勝手な男、昔のことを忘れる男、突き放され怨む女、昔に戻れればそれでいいはずの女。
    徹底的にイザナギを恨み尽くすイザナミと、マヒトに優しくされたら揺らぎそうなナミマがいるが、ナミマだけが独白の文体があって感情移入しやすいし、多くの女性はイザナミよりナミマ寄りなのでは。
    そのナミマがラストでイザナミに尽くすことを誓ったということは、多くの女性にイザナミと同じく男に屈しないことを奨励している?

    イザナギとイザナミは神だからか言動が明快、絶対的で軸がぶれないが、人間たちは言動がいきあたりばったりで、未来が予測できず、他人の心が読めず(人の心情描写が少ない)、自分の行動原理もわかっていなさそうなのが現実に似ている。
    これから日本は人口が減ると言われているが、物語のラストでイザナギが千五百の産屋を建てなくなるのに、イザナミは千を殺すのをやめないというのはそれになぞらえてあるような。

    古事記での神は人間臭いが、ここでのイザナミは嫉妬、憎悪、怨恨などの感情はあるもののその他の明るい感情が感じられないので人間を超越した存在だと感じる。
    人間になったイザナギを殺してしまうことでイザナミの絶対性が浮き彫りになる。これはなんなんだろう、男が滅びても女は生き続けるということかな?
    この作品は存在も心情も極めて陽に立ち向かう陰としての女寄りにえがかれている。

    陰の世界、陽の世界、それらが混じり会う人間界のみっつが感じられて楽しい。
    "魂"の字を見ただけでなんの違和感もなく、なんとなく脳内に魂の表象が思い浮かぶ。魂の存在を疑っていない人がこの物語の魂の描写を読むとなにか根底にあるものが安心すると思う。

  • スケールの大きな話でした。

  • 桐野さんは本当に女の業を書かせると右に出る者がいないのではないだろうか。
    それほど作品数を読んでいないけれど、
    共感できなかったとしても想像することは難しくない苦しみがよく書かれています。

  • だめだ!何が言いたいのかわからなかった。
    そういえば昔、OUT挫折したな・・・。

  • 3年前に単行本で読んだが、文庫版で再読。
    男と女の性(さが)をテーマにして、古事記を下敷きに翻案したもの。

  • 人間と神の違い
    神ではなく、女神であること

  • 女性の強さや執念を感じる一冊。神話をベースとしつつも、桐野夏生らしい生々しい感情のうねりが表現されている。

  • まさかまさかの、古事記物語

  • 最近、古事記関連の本を何冊か読んでいたので、尚更面白く読めた。

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プロフィール

1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。

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